Monthly Archives: July 2009

劣化ウラン弾:高まる規制機運 ベルギーで禁止法

<世の中ナビ ワイド NEWS NAVIGATOR 国際>  ◇イラク・アフガンで米軍などが大量使用  イラク、アフガニスタンなどの紛争地域で米軍などが使用した劣化ウラン弾の健康被害を追及する動きが広がり始めている。ベルギーが先月、劣化ウラン弾禁止法を施行し、被害国やNGO(非政府組織)の運動も活発化してきた。対人地雷、クラスター爆弾に続き、劣化ウラン弾の使用禁止の可否を国際社会は問われている。【鵜塚健】  ■苦しむ子ども  「バスラの小児白血病の発症率は93年から06年で5倍近くに増えた」。5月初旬、イラク南部バスラで開かれた「第1回国際がん学会」で、米国の医師が調査データを明らかにした。バスラ周辺では、湾岸戦争とイラク戦争で大量の劣化ウラン弾が使用された。紛争後、白血病を含む小児がんや乳がんなどが増え、背景に劣化ウラン弾の影響を指摘する医師も多い。  イラクの小児がん患者支援を続けるNGO「日本イラク医療支援ネットワーク」の佐藤真紀事務局長は「医薬品不足や貧困も加わり、救えるはずの命も救えない。新たな被害を防ぐためにも劣化ウラン弾の規制が必要だ」と語る。  ■使い続けた米  米軍は湾岸戦争(91年)で劣化ウラン弾を初めて大量使用した。北大西洋条約機構(NATO)軍の旧ユーゴスラビア空爆(99年)、アフガン軍事介入(01年)やイラク戦争(03年)でも使い続けた。  米国ではイラク帰還兵が「体調不良や出産の異常は劣化ウラン弾の影響」として、国家賠償訴訟も起きた。しかし、不発弾で手足を失うクラスター爆弾と比べ、因果関係が明白でないのが劣化ウラン弾被害の特徴だ。  世界保健機関(WHO)は01年、「劣化ウラン弾使用と発がんとの関連は確認されていない」と報告。国連総会は07年と08年に劣化ウラン弾に関する決議を採択したが、「一時使用停止」は審議途中で削除された。  だが、欧州などで規制の具体化が始まっている。ベルギーは07年、対人地雷、クラスター爆弾に続いて国内で劣化ウラン弾の製造、使用、貯蔵などを禁止する法律を制定し、今年6月施行した。  イタリアでは、旧ユーゴやコソボで活動した退役軍人らが劣化ウラン弾被害について国を提訴した。同国は昨年12月、退役軍人の健康被害への包括的補償を決めた。今年4月、ノルウェー政府はNGO「ウラン兵器禁止を求める国際連合」(ICBUW)に対し、イラクなどでの劣化ウラン弾被害調査の補助金年間5万6000ユーロ(約750万円)の支給を決めた。  ■日本は様子見  欧州のNGOは、重大な影響が懸念される場合、科学的立証がなくても規制に乗り出す「予防原則」を重視し、劣化ウラン弾問題で「クラスター爆弾禁止条約に続く規制の枠組みを」と訴える。  一方、日本政府は「WHOなど国際機関の調査結果を注視する」と静観の構えだ。外務省幹部は「日米関係がある以上、率先して禁止の旗は振れない」と本音を漏らす。  医師の振津かつみ・ICBUW運営委員は「在日米軍の劣化ウラン弾保有数すら政府は把握しようとしない。予防原則を踏まえて、被爆国・日本こそ規制に取り組むべきだ」と語る。  ◇米の反応に変化も--ベルギー・マウー議員に聞く  ベルギーで劣化ウラン弾禁止法などの軍縮法制定を推進したフィリップ・マウー上院議員(65)に聞いた。【ブリュッセル福島良典】  ベルギーは多くの国連平和維持活動(PKO)に参加しており、派遣先で「対人地雷、クラスター爆弾が使用されなかったこと」を自国の参加条件にすることも可能だ。そうしたルールを広げれば使用国を孤立させられる。対人地雷、クラスター爆弾と同様に劣化ウラン弾についても国際的な禁止条約を作るのが目標だ。  禁止後に重要なのは、被害者救済と汚染除去だ。劣化ウラン弾の場合、放射能検出による汚染地域の特定から始めなければならない。米軍のイラク撤退後、放射能被ばく者の科学的調査が必要だ。オスロで北大西洋条約機構(NATO)加盟国の議員団総会が開かれた際、対人地雷、クラスター爆弾、劣化ウラン弾問題で米議会代表団にただすと、ブッシュ前政権時代と違い完全拒否ではなかった。オバマ政権が禁止条約への対応を変える可能性がある。  劣化ウラン弾は市民を巻き添えにした被害が長期に続く点で核兵器と共通している。核兵器も禁止するのが私の考えだ。(7月6日の)モスクワでの米露首脳会談からは前向きの意思がうかがえる。日本人は核兵器に敏感であり、私たちは反核運動で平和市長会議(会長・秋葉忠利広島市長)と協力している。(談)

裁判で闘い続ける韓国の写真家・李時雨(イ・シウ)氏(国家保安法違反嫌疑など)

2009年7月20日、福岡の緒方貴穂さんからのアピールです。 — [転送転載歓迎、重複ご容赦ください] 皆様 韓国の写真家、李時雨(イ・シウ)氏の裁判情報です。 日本の写真家の方々へのお願いにも言及していますので、 ご協力していただける方は、よろしくお願い致します。 李時雨氏の裁判は、現在2つ行われています。 ひとつは、2007年4月の逮捕(国家保安法違反等の嫌疑)に関するもので、 一審・二審とも李時雨氏側の無罪。現在最高裁(大法院)で係争中です。 もうひとつは、上記逮捕に関連して、 李時雨氏のフィルムが毀損されたこと対する損害賠償請求訴訟で、 原告は李時雨氏、被告は大韓民国。 去る7月8日(水)14:30より、ソウル地方法院で第7回口頭弁論が開かれ、 傍聴しましたのでご報告します。 ソウル地方法院460号法廷。 傍聴席は40席ありましたが、傍聴者は7名ほど。 裁判官1名、双方の弁護士各1名と李時雨氏。 そして、証人席に警察(被告側)が1名着席し、尋問が進められました。 (私は韓国語が分かりませんので、 裁判終了後に李氏と通訳の知人に内容を伺いました。) 警察は、元々フィルムが保管されていた李氏の作業室の保存状態の悪さを強調し、 フィルムを押収し、証拠資料にする過程での毀損を否定。 他方、李時雨氏側は、警察が証拠資料作成のためにフィルムをスキャンする過程で、 多大な毀損が生じたと主張。 李時雨氏によれば、警察は「ドラム・スキャン」という方法でフィルムから証拠資料を作成。 この方法は解像度は高いが、フィルムに化学薬品(ジェル)を付けるので扱いが難しいとのこと。 にもかかわらず、警察は同じフィルムを何度もドラム・スキャンしたそうです。 警察に没収されたフィルムは、40,000カット。 そのうち、毀損したフィルムは、9,000カット。 主としてDMZや韓・日・独の米軍基地のフィルムとのことです。 尋問は40分ほどで終わり、 次回裁判(8月上旬)で鑑定人が採用される予定。 鑑定人による毀損の鑑定がこの裁判のカギであり、 年内にも判決が出されるのではないかとのことでした。 李時雨氏の印象では、 裁判官は李氏の主張に対して否定的で、 このままでは良い判決は期待できないようです。 なお、日本のフォト・ジャーナリスト、豊田直巳氏が 李時雨氏のために裁判官宛の要請書を書いてくださったので、…

今年の8月5-6日、広島でのDU関連集会二つ

2009年7月10日 皆様  今年も、8月5-6日、広島ではDU(劣化ウラン兵器)問題関連の集会が二つ開かれます。  2007年12月、初めての国連決議が圧倒的多数で採択され、DU兵器禁止国際キャンペーンは、新たな段階に入りました。今年は、第5回ICBUW国際大会が3月5-6日、コスタリカで開催されたのに続き、5月6-7日には、イラクのバスラで第1回国際がん会議が開催されました。また、6月21日には、ベルギーのDU禁止法が発効となりましたが、コスタリカでも、ICBUW大会前日、DU禁止法案が議会に提出され、一年程で成立する見通しです。  こうした国際的な動きの高まりを受け、日本国内でも、日本政府への働きかけなど、改めて一丸となって取り組んで行きたく存じます。広島での年に一度の貴重な機会、できるだけ多くの方にお集まりいただき、秋からの取り組みに向けた具体的な意見交換・交流の場となれましたら幸いです。お知らせが遅くなってしまいましたが、何卒奮ってご参加ください。                 ICBUW(ウラン兵器禁止を求める国際連合)運営委員                          嘉指信雄、振津かつみ、森瀧春子 [1]第6回「NO DU(劣化ウラン兵器禁止)全国交流会」 ・ 日時:2009年8月6日12時45分〜15時15分 ・ 会場:広島市まちづくり市民交流プラザ北棟6階マルチメディアスタジオ(〒730-0036 広島市中区袋町6番36号)    アクセス案内: http://www.hitomachi.city.hiroshima.jp/m-plaza/ ・ 参加費:資料代500円 ・ プログラム(暫定) (1) ICBUWからの活動報告   ・ICBUWコスタリカ大会(3月4-6日)   ・第1回バスラがん会議(5月6-7日)   ・ベルギーDU禁止法発効(6月21日)   ・WHOなどへのロビー活動    報告者:嘉指信雄、振津かつみ、豊田直巳(フォト・ジャーナリスト)        佐藤真紀(JIM-NET事務局長) (2) 日本各地のグループからの活動報告 (3) 今後の取り組みに向けての提案・意見交換 司会:森瀧春子                   連絡先:090−9064−4705(森瀧) [2]原水禁世界大会「ひろば」企画 ・日時:2009年8月5日9時30分〜12時30分 ・ 会場:ワークピア広島(4階/寿) ・ タイトル:ウラン兵器禁止に向けて ・…

次は、劣化ウラン兵器禁止だ!プログラム確定:8月5-6日、広島でのDU関連集会

2009年7月10日 皆様  今年も、8月5-6日、広島ではDU(劣化ウラン兵器)問題関連の集会が二つ開かれます。  2007年12月、初めての国連決議が圧倒的多数で採択され、DU兵器禁止国際キャンペーンは、新たな段階に入りました。今年は、第5回ICBUW国際大会が3月5-6日、コスタリカで開催されたのに続き、5月6-7日には、イラクのバスラで第1回国際がん会議が開催されました。また、6月21日には、ベルギーのDU禁止法が発効となりましたが、コスタリカでも、ICBUW大会前日、DU禁止法案が議会に提出され、一年程で成立する見通しです。  こうした国際的な動きの高まりを受け、日本国内でも、日本政府への働きかけなど、改めて一丸となって取り組んで行きたく存じます。広島での年に一度の貴重な機会、できるだけ多くの方にお集まりいただき、秋からの取り組みに向けた具体的な意見交換・交流の場となれましたら幸いです。お知らせが遅くなってしまいましたが、何卒奮ってご参加ください。                 ICBUW(ウラン兵器禁止を求める国際連合)運営委員                          嘉指信雄、振津かつみ、森瀧春子 [1]第6回「NO DU(劣化ウラン兵器禁止)全国交流会」 ・ 日時:2009年8月6日12時45分〜15時15分 ・ 会場:広島市まちづくり市民交流プラザ北棟6階マルチメディアスタジオ(〒730-0036 広島市中区袋町6番36号)    アクセス案内: http://www.hitomachi.city.hiroshima.jp/m-plaza/ ・ 参加費:資料代500円 ・ プログラム (1)国際キャンペーン関連の活動報告   ・嘉指信雄(ICBUWヒロシマ・オフィス代表):「コスタリカ大会とバスラがん会議」   ・豊田直巳(フォト・ジャーナリスト):「「ウラン兵器の人的被害」写真展と国際キャンペーン」   ・佐藤真紀(JIM-NET事務局長):「イラク、小児がん医療支援の6年間の振り返りと今後」   ・振津かつみ(ICBUW運営委員/科学チーム):「バスラ癌登録に見る癌・白血病増加の現状と、疫学調査の今後」   ・ベルギーDU禁止法発効(6月21日) (2) 日本各地のグループからの活動報告:劣化ウラン兵器禁止市民ネットワーク(東京)など   (3) 今後の取り組みに向けての提案・意見交換       司会:森瀧春子(ICBUWヒロシマ・オフィス事務局長)                   連絡先:090−9064−4705(森瀧) [2]原水禁世界大会「ひろば」企画 ・日時:2009年8月5日9時30分〜12時30分 ・ 会場:ワークピア広島(4階/寿) ・ 集会タイトル:ウラン兵器禁止に向けて ・ 講演「劣化ウラン弾取材の現場」     豊田直巳(フォトジャーナリスト)  …