Monthly Archives: June 2007

新たな局面に入った国際キャンペーン

――EU議会で写真展と国際フォーラム開催―― [1]豊田直巳写真展:5月14-16日 『ウラン兵器の人的被害』(The Human Cost of Uranium Weapons) 5月14-16日、ブリュッセルのEU議会内にて豊田直巳写真展 『ウラン兵器の人的被害』(The Human Cost of UraniumWeapons)とともに国際フォーラム『ウラン兵器禁止に向けて』が開催された。これらは、EU議員有志とICBUWによる共同企画である。 15日午後6時から、EU議会ビル3階大回廊の展示会場で開かれた「オープニング・レセプション」には、百名程の人が集まり、豊田直巳さん、森滝春子さ ん、それに、今回の企画で中心的役割を担ったEU議会議員、エルス・デ・グローエンさん(オランダ)、アンゲリカ・ベールさん(ドイツ)などの、それぞれ 熱のこもったスピーチに耳を傾けた。 オープニング式典での豊田直巳さんの挨拶から 「・・・ウラン兵器を使用するアメリカ政府も、そのアメリカ政府を支援する日本政府もウラン兵器の危険性を認めていません。しかし、日本では兵器でなくともウランを撒き散らすことは違法なのです。日本政府は自国内では危険とされるウランを、イラクやバルカン、あるいはアフガニスタンで使用する際には「危険はない」という矛盾を犯しているのです。私としては、3月に「ウラン兵器禁止」を決議した、ここベルギーのように、一国も早く日本が、普通の国になることを願います。同時に、EU議会が、そしてEU参加する国々が、ウラン兵器の廃絶をすることを願っています。おそらく、それがここに掲げた写真に写った人々の願いでもあると信じています。犠牲者への支援と、そして、新たな犠牲者を作らないために。」 *** スピーチの後、しばらく参加者は、三々五々、写真を見ながら言葉を交わしていたが、大型サイズの写真が伝える劣化ウラン被害の現実への驚愕と憤りを多くの人が語っていた。今後、『豊田直巳写真展/ウラン兵器の人的被害』写真展は、ヘルシンキ、バンクーバーなどで開催の予定。(ヘルシンキでは、9月13-21日、フィンランド議会内での開催が決定)他に、ロンドン、ローマなどでも今回の写真展を見たEU議会議員の協力を得て開催の可能性が出てきている。   [2]国際フォーラム「劣化ウラン兵器禁止に向けて」 2007年5月15日9:30-13:00、EU議会ビル内会議室 写真展の開催に合わせて、5月15日午前には、国際フォーラムが同じくEU議会ビル内で開かれ、EU議会議員、活動家、ジャーナリストなど数十名が参加した。(下掲プログラム参照) ***ベルギーで禁止法案が可決されたことにより、劣化ウラン兵器国際禁止キャンペーンは新たな局面に入ったと言えよう。今回のEU議会での取り組みは、その出発点を画すものとなった。写真展オープニングのスピーチの中で、ドイツのアンゲリカ・ベールさんは、「ヨーロッパを“非ウラン兵器地帯”にしよう」との提案をし、大きな拍手を持って迎えられた。(スピーチ全文は下掲)国際フォーラムの中で、司会の一人、キャロライン・ルーカス議員(イギリス)も、この構想に全幅の賛同を表明した。また、フォーラムの直後、参加したEU議会議員たちが、改めて、劣化ウラン兵器禁止問題に関する質問状をEU議会に提出し、ルイーザ・モルガンティーニEU議会副議長(イタリア選出)も同様の趣旨の見解を発表した。対人地雷止に続いて、クラスター爆弾の禁止条約作りが始まった勢いも活かしつつ、劣化ウラン兵器禁止に向けた大きなうねりを作り出して行きたい。ICBUWでは、今年10月には、第4回ICBUW国際大会をニューヨークで開く。できれば、この時期に「ウラン兵器に関する決議案」を国連第一委員会(軍縮、安全保障関連)に提出するため、各国代表部へのロビー活動に取り組んでいる。今後一層のご支援をお願いする次第である。 「ICBUWサポーター拡大キャンペーン」実施中 劣化ウラン兵器は、無差別的被害をもたらす非人道的兵器です。 一日も早く全面的禁止を実現するため、ぜひあなたもICBUWサポーターになって、国際キャンペーンを支えてください! カンパ振込先: 郵便振替口座名: 「ICBUW・国際キャンペーン」 口座番号: 01310-0-83069 [一口:個人2,000円、団体5,000円。多数口、大歓迎][「個人:一口1,000円」でお願いして参りましたが、この度、改めて「サポーター拡大キャンペーン」に取り組むにあたり、個人サポーターには一口2,000円、団体会員には一口5,000円をお願いすることとなりました。言うまでもありませんが、国際キャンペーンを進めるにあたっては、チラシやパンフレットの作成費、事務局運営費などなど、かなりの資金が必要となります。事情をご理解くださり、ご支援の程、何卒宜しくお願いいたします。] 嘉指(かざし)信雄/ICBUW運営委員、アジア太平洋地域コーディネーター 振津かつみ/ICBUW運営委員、科学チーム 森滝春子/ICBUW運営委員 [なお、今までは、ICBUWの中心的メンバーを「評議員」(board member)と呼んで参りましたが、より実際のあり方に相応しい「運営委員」(steering…