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「ウラン兵器国連決議」をステップにして——ICBUWによる4・5月の取組み—

2008年3月22日 皆様 ご存知のとおり、昨年12月、国連総会で「劣化ウラン兵器使用の影響に関する決議」が採択されました。劣化ウラン問題関連の決議が国連総会で採択されたのは初めてです。今回の決議は、「劣化ウランを含む武器・砲弾の使用が人体や環境に及ぼす、潜在的に有害な影響を考慮に入れつつ」(前文第4項)、「事務総長に対し、劣化ウランを含む武器・砲弾の使用がもたらす影響に関する、加盟国および関連国際諸機関の見解を求め」(主文第1項)るとともに、今年の国連総会で、この問題を議題として取り上げる(主文第2項)ことを要請するものです。ICBUW(ウラン兵器禁止を求める国際連合)では、この決議をひとつのステップとして、ウラン兵器の全面的禁止に向けた国際的な動きを促進するため、4月から5月にかけて、国際的および国内的キャンペーンの準備を進めています。 国連決議に基づき、劣化ウラン兵器使用の環境・健康影響についての見解を、5月末日までに提出するようにとの要請書が、先月、国連総長から各国政府宛に送られました。まずは、できるだけ多くの国々が、こうした要請に応え、報告書を提出するよう促すため、ウラン兵器問題の重要性をアピールし、国際的関心を喚起する必要があります。そして何よりも、少しでも多くの国々が、ウラン兵器が環境と健康に及ぼす危険性を正しく捉えた報告を提出してくれるように促し、今年の総会においては、「モラトリアム」(一時停止)を求める決議の採択を求め、さらには、全面的禁止を求める国際的な議論につなげてゆかねばなりません。 このような観点から、ICBUWでは、5月末までに、国内外で以下の取組みを計画しています。皆様のご協力、ご支援をよろしくお願い致します。また、ご意見なども、お寄せ頂ければ幸いです。   ICBUW運営委員: 嘉指信雄 森瀧春子 振津かつみ *これら取組みについての国内問合せ先担当(振津):du-ban-hibaku@theia.ocn.ne.jp 【国際キャンペーン】 1)ワークショップ-ウラン兵器禁止条約に向けて 日時:4月2日午後1時〜5時半場所:ジュネーヴ国連本部Palais des Nations*プログラム:・はじめに:レイ・ストリート(ICBUW、英国)(1)科学パネル:イアン・フェアリー(英国内部照射放射線リスク検討委員会)/グレーテル・モンロウ(ICBUW、科学チーム、米国)/振津かつみ(ICBUW科学チーム、日本)(2)軍事・退役軍人パネル:ダン・フェイヒー(カリフォルニア大学)/エマニュエル・ヤコブ(欧州軍人協会:EUROMIL)(3)法律パネル:エブリル・マクドナルド(グロニンゲン大学アッセル研究所)/マンフレート・モーア(ドイツ赤十字、ICBUW)(4)討論:司会:スージー・スナイダー(WILPF=自由と平和のための国際女性連合事務局長)/ダグ・ワイア(ICBUW、英国)・まとめ:嘉指信雄(ICBUW、日本)*ICBUWメンバー以外の専門家の報告者のプロフィール:・イアン・フェアリー:放射能環境影響についての独立コンサルタント。グリーンピースなど多くの環境NGO、欧州議会、法律家、地方行政や多くの国々の政府のアドバイザーとしても活躍。・ダン・フェイヒー:独立の劣化ウラン兵器問題研究家。米国のNGO “Veterans for Common Sense” の代表評議員のメンバー。・エマニュエル・ヤコブ:EUROMILは、政治的に独立、自由で民主的な、欧州の軍人の非営利組織である。現在、24カ国から、約50万人の軍人を代表する36団体が加盟している。すでに「ウラン兵器の禁止要求」などを含む「声明」を出している。・エイヴリル・マクドナルド:国際人権法専門家。『国際法と劣化ウラン兵器:予防原則の適応』著者。*各国の国連代表、ジュネーヴを中心に活動する国際NGO、マスコミ関係者(討論以外のみ)などが参加予定。 2)ワークショップとあわせ、ジュネーヴの各国代表、WHOなどを訪問し、ロビー活動を行う 3)いくつかの国々において、それぞれの政府への働きかけ 4)欧州議会での新たな決議案作成 5)IPPNW(核戦争防止国際医師会議)などの国際NGOと協力した各国・国連への働きかけなど。 【日本国内での取組み】 国際キャンペーンと連帯しながら、昨年に引き続き、日本でも政府に対する働きかけを強めたいと思います。日程や内容の詳細は、現時点で未定の部分もありますので、決まり次第、順次お知らせし、ご協力ご支援をお願いしたいと思います。 1) ICBUWとして外務省へ申し入れ:4月中旬予定 (日程が決まり次第、お知らせします。) 「国連決議」の要請にしたがい、ウラン兵器使用の環境/健康影響について、その(潜在的)危険性を正しく評価した報告を出すよう、また、今後の禁止に向けた国際的議論に積極的な役割を果たすよう要請。検討すべき項目、資料なども渡す。 2)「9条世界会議」での「自主企画分科会」(ICBUW主催):5月5日、10時〜12時半(幕張メッセ) 「劣化ウラン兵器の禁止:世界の流れと日本の役割-被害者と連帯して」海外ゲストに、昨年世界に先駆けてベルギー議会で可決された「ウラン兵器禁止法」の法案可決に尽力されたベルギー国会議員、ディルク・ヴァン・デア・メーレン氏を迎えます。また、被害者支援の視点から、佐藤真紀さん(日本イラク医療支援ネットワーク:JIM-Net)にも報告をお願いしています。ICBUWからは、ICBUW国際キャンペーン、「9条のグローバル化」とウラン兵器禁止、「被爆国」日本の役割などについても報告・問題提起し、議論を深めたいと思います。メーレン氏は、その後、広島(6日)、大阪(7日)でも講演会が予定されています。(詳細は別途、お知らせします。)また、外務省訪問、議員懇談会なども計画中。 3) 外務省交渉:5月中旬〜下旬予定 4月の申し入れをふまえて、5月末提出予定の国連への報告書や、今後の日本の果たすべき役割、在日米軍基地内にあるウラン兵器の問題なども含めて、交渉したいと考えています。

「ウラン兵器国連決議」をステップにして——ICBUWによる4・5月の取組み—

皆様   ご存知のとおり、昨年12月、国連総会で「劣化ウラン兵器使用の影響に関する決議」が採択されました。劣化ウラン問題関連の決議が国連総会で採択されたのは初めてです。今回の決議は、「劣化ウランを含む武器・砲弾の使用が人体や環境に及ぼす、潜在的に有害な影響を考慮に入れつつ」(前文第4項)、「事務総長に対し、劣化ウランを含む武器・砲弾の使用がもたらす影響に関する、加盟国および関連国際諸機関の見解を求め」(主文第1項)るとともに、今年の国連総会で、この問題を議題として取り上げる(主文第2項)ことを要請するものです。ICBUW(ウラン兵器禁止を求める国際連合)では、この決議をひとつのステップとして、ウラン兵器の全面的禁止に向けた国際的な動きを促進するため、4月から5月にかけて、国際的および国内的キャンペーンの準備を進めています。   国連決議に基づき、劣化ウラン兵器使用の環境・健康影響についての見解を、5月末日までに提出するようにとの要請書が、先月、国連総長から各国政府宛に送られました。まずは、できるだけ多くの国々が、こうした要請に応え、報告書を提出するよう促すため、ウラン兵器問題の重要性をアピールし、国際的関心を喚起する必要があります。そして何よりも、少しでも多くの国々が、ウラン兵器が環境と健康に及ぼす危険性を正しく捉えた報告を提出してくれるように促し、今年の総会においては、「モラトリアム」(一時停止)を求める決議の採択を求め、さらには、全面的禁止を求める国際的な議論につなげてゆかねばなりません。   このような観点から、ICBUWでは、5月末までに、国内外で以下の取組みを計画しています。皆様のご協力、ご支援をよろしくお願い致します。また、ご意見なども、お寄せ頂ければ幸いです。       ICBUW運営委員:   嘉指信雄   森瀧春子   振津かつみ   *これら取組みについての国内問合せ先担当(振津): du-ban-hibaku@theia.ocn.ne.jp     【国際キャンペーン】   1)ワークショップ-ウラン兵器禁止条約に向けて   日時:4月2日午後1時〜5時半 場所:ジュネーヴ国連本部Palais des Nations   *プログラム: ・はじめに:レイ・ストリート(ICBUW、英国) (1)科学パネル: イアン・フェアリー(英国内部照射放射線リスク検討委員会)/グレーテル・モンロウ(ICBUW、科学チーム、米国)/振津かつみ(ICBUW科学チーム、日本) (2)軍事・退役軍人パネル: ダン・フェイヒー(カリフォルニア大学)/エマニュエル・ヤコブ(欧州軍人協会:EUROMIL) (3)法律パネル: エブリル・マクドナルド(グロニンゲン大学アッセル研究所)/マンフレート・モーア(ドイツ赤十字、ICBUW) (4)討論:…

『ウラン兵器なき世界をめざして —ICBUWの挑戦—』4月15日刊行

本書は、当初、2006年8月に広島で開催されたICBUW(ウラン兵器禁止を求める国際連合)第3回国際大会の記録集として構想されましたが、その後、国際キャンペーンはいくつかの大きな展開を見せ、2007年12月には、国連総会にて、「劣化ウラン(DU)を含む兵器・砲弾の使用の影響に関する決議」が圧倒的多数で採択されるに至りました。その結果、本書は、ICBUWヒロシマ大会を中心にしつつも、DUについての基本的情報やDU兵器問題をめぐる今までの国際的な動き、2003年10月、ブリュッセル郊外の町ベルラールでICBUWが創設されてから、2007年12月、ニューヨークの国連総会にて「DU決議」が採択されるまでの取り組みの過程も入れて、『ウラン兵器なき世界をめざして—ICBUWの挑戦—』として刊行することとなりました。ウラン兵器の一日も早い全面的禁止の実現という、さらなる「挑戦」のため、本書を様々な形で活用していただけましたら幸いです。     嘉指(かざし)信雄(ICBUW運営委員/NO DU ヒロシマ・プロジェクト代表)   振津(ふりつ)かつみ(ICBUW運営委員/ヒバク反対キャンペーン)   森瀧春子(ICBUW運営委員/NO DU ヒロシマ・プロジェクト事務局長)     以下の項目——   [1] 内容の紹介   [2] お願い   [3] 購入方法   [4] 目次       出版案内等のダウンロード(PDF)     PDFファイルをご覧になるにはAdobe Readerが必要です。         [1]内容の紹介  …