3月20日でイラク戦争開始9年となりますが、今だに現地では、戦争で使われた様々な兵器による人体や環境への深刻な影響が大きな影を落としています。 以下は、WHOのホームページのイラク・セクションにアップされた最近のニュースからです。 「エルビル、2月29日:イラク保健省及びクルジスタン地域保健省は、先天性異常に関する調査の担当者のための訓練ワークショップをエルビル(イラク北東部)において、2月29日から3月1日までの4日間、開いている。この調査は、今年の4月、8つの州において実施される予定。」 詳しくは、http://www.emro.who.int/Iraq/news29-2-2012.htm
ウラン兵器関連報道
サルディニア裁判所「イタリア政府は、旧ユーゴでの任務中に劣化ウラン被曝し、死亡した兵士の遺族に対し58万ユーロの補償金を支払うべき」(レプブリカ、8月13日)
『ラ・レプブリカ』8月13日付 / サルディニア出身の兵士ヴァレリー・メリス氏は、旧ユーゴ紛争のために、1997年及び1999年にコソヴォとアルバニアに派遣された後、リンパ腫にかかり、2004年に死亡したが、この度、サルディニア州都カリアリの裁判所は、メリス氏の病気の原因は、任務中に被曝した劣化ウランだとして、イタリア政府に対し、58万4000ユーロ(約6400万円)の補償金をメリス氏の遺族に支払うよう命じる判決を下した。 記事原文——http://bit.ly/nwAFyv
視点『米英軍の劣化ウラン弾使用 イラク戦争後一層増えるがん患者』(中国新聞、2月21日)
コラム 視点『米英軍の劣化ウラン弾使用 イラク戦争後一層増えるがん患者』 (11年2月28日) ■センター長 田城 明
今、ファルージャの病院で起きていること(アルジャジーラ、12.24)「アメリカの侵攻がイラクに残し続ける傷跡)」
アルジャジーラによるファルージャの病院の現状の動画リポート「US invasion leaves lasting Iraq scars(アメリカの侵攻がイラクに残し続ける傷跡)」(3分弱)が、12月24日、YouTubeにアップされました。今年3月、来日したサミラ医師が、先天性異常の増加を訴えています。(医師たちが直面している深刻な現状を直裁に伝える映像が含まれており、「出産まで待つ時間は悪夢です」とのコメントが入っています。)
「ファルージャで高い放射線を発する金属二片検出」(2.16)
「最近、イラクのファルージャで、アンバール州環境省などが調査した結果、高い放射線を発している金属が二片発見され、周辺地域の店舗全てが閉鎖された。放射性金属は、2003年及び2004年に行われた米軍攻撃が残したものだと、調査した関係当局は述べている。ファルージャ病院長は、近隣地域におけるガンなどの発症を調べるための特別委員会の設置を指示した。またアンバール州の担当官は、放射性物質の発見されたことにより、こうした事態を引き起こした関係者[訳注:米国]を中央政府が訴えるべきだ」と述べた。しかし、保健担当者によれば、「ガン増加を調査するための、中央政府からの支援は不十分である」といった内容です。記事の中で言及されている「放射性金属」が、いわゆる劣化ウラン弾の破片なのか、また、それが、周辺地域のガンや先天性異常の増加の原因と特定できるのか、定かでありませんが、一応、ご参考までに、お伝えいたします。
カナダの退役軍人、旧ユーゴでのDU被曝を訴えてハンガーストライクへ (カナディアン・プレス)
10月30日付け、The Canadian Pressのニュースです。http://on-msn.com/vVtonX 1996-97年、ボスニアに派遣されたパスカル・ラコスト氏(38)は、その後、健康状態が悪化(退化性神経系疾患や慢性痛など)。2003年に検査を受けた結果、毛髪から非常に高い量のウランが検出されたが、カナダ政府は、劣化ウラン被曝による健康障害の可能性を否定し、ラコストさんからの毒物検査や治療支援の要望を拒絶。
「イラク、36カ所で劣化ウラン汚染確認」(AKnews,8月25日)
クルジスタン系の独立メディア、AKnewsの記事によりますと、イラクの科学技術省のファド・アル・ムサウィ事務次官は、「36カ所で放射能汚染が確認されたが、とりわけ危険なレベルではない。23カ所がバスラ地域、3カ所がバグダッド地域、その他は散在している。除染作業に必要な予算を財務省に求めているが、除染作業は一年かかるだろう」と発言しています。 記事原文——http://bit.ly/ofOkoo
『ル・モンド』(6.10)「ファルージャでの先天性異常増加—2004年に使用された米軍兵器が原因か」
6月10日、「ルモンド」紙インターネット版が、イラク・ファルージャでの先天性異常増加を取り上げています。とても慎重な、留保つきの書き方ですが、原因として、2004年の米軍による猛攻で使用されたと推測される劣化ウラン兵器などの影響が示唆されています。
12月30日『ガーディアン』:ファルージャでの先天性異常・癌の増加は、米軍による攻撃が原因か—新たな調査が示唆
12月30日『ガーディアン』:(Martin Chulov記者) 「ファルージャでの先天性異常や癌の増加は、米軍による攻撃が原因か—新たな調査が示唆」 新生児異常は平均の11倍:2004年の攻撃による汚染が原因か
【サルデーニャ発】 ベルルスコーニ首相が目論んだ「核の島」~劣化ウラン弾でガンと畸形~ : 田中龍作ジャーナル(6/17)
[欧州最大の射爆場があるサルディニア島クウィーラでは、以前からクウィーラ症候群として問題になってきています。 詳しくは、ステファニア・ディヴェルティート「イタリアにおけるDU問題」、『ウラン兵器なき世界をめざして』(合同出版、2006)を参照くださいーー嘉指]