本書は、当初、2006年8月に広島で開催されたICBUW(ウラン兵器禁止を求める国際連合)第3回国際大会の記録集として構想されましたが、その後、国際キャンペーンはいくつかの大きな展開を見せ、2007年12月には、国連総会にて、「劣化ウラン(DU)を含む兵器・砲弾の使用の影響に関する決議」が圧倒的多数で採択されるに至りました。その結果、本書は、ICBUWヒロシマ大会を中心にしつつも、DUについての基本的情報やDU兵器問題をめぐる今までの国際的な動き、2003年10月、ブリュッセル郊外の町ベルラールでICBUWが創設されてから、2007年12月、ニューヨークの国連総会にて「DU決議」が採択されるまでの取り組みの過程も入れて、『ウラン兵器なき世界をめざして—ICBUWの挑戦—』として刊行することとなりました。ウラン兵器の一日も早い全面的禁止の実現という、さらなる「挑戦」のため、本書を様々な形で活用していただけましたら幸いです。 嘉指(かざし)信雄(ICBUW運営委員/NO DU ヒロシマ・プロジェクト代表) 振津(ふりつ)かつみ(ICBUW運営委員/ヒバク反対キャンペーン) 森瀧春子(ICBUW運営委員/NO DU ヒロシマ・プロジェクト事務局長) 「平和・協同ジャーナリスト基金」奨励賞受賞 ! レビュー(AMAZON.COM)『ウラン兵器なき世界をめざして/ICBUWの挑戦』 秋葉忠利・広島市長 2008/6 大変インパクトの強い内容で、ウラン兵器の禁止に向けての世論形成に大きく貢献するものと期待しております。 中国新聞 2008/3/23 その文面を丹念に追うと、市民一人一人が行動すれば、核兵器やDUがない平和な世界をつくる世論を束ねることができる、と勇気がわいてくる。 「自然と人間」 2008/10/01 2003年3月、広島では6千人が集まり「NO WAR NO DU!」の人文字を作った。グループの活動はその後も続き、ヒロシマ大会へと結実する。本書は、ウラン兵器を根絶する闘いの導きの書となる。 「原子力資料情報室通信」 2008/8/1 劣化ウランについて基礎的なことから勉強したいという方にもぜひお薦めの一冊だ。 神戸新聞 2008/8/18 劣化ウラン兵器なくせ 国際大会の記録を刊行 被害実態を詳細に 世界的な動き紹介 中国新聞 2008/3/23 神戸新聞 2008/8/18 出版案内等のダウンロード(PDF) PDFファイルをご覧になるにはAdobe Readerが必要です。 以下の項目—— [1] 内容の紹介…
Monthly Archives: November 2006
劣化ウラン兵器禁止に向けた最近の動き
ベルギー議会公聴会/ヨーロッパ議会決議/国連人権理事会への勧告 2006年11月23日 皆様 劣化ウラン兵器禁止に向けた、ベルギー議会、ヨーロッパ議会、国連人権理事会における最近の動きをお知らせいたします。それぞれ大変重要な動きだと思いますので、ICBUWのニュースから紹介させていただきます。(ICBUWニュースの原文は一番下に貼付) 11月20日、ベルギー議会で、劣化ウラン兵器問題に関する公聴会が開かれましたが、その様子を伝える報告が、写真とともに、ICBUWホームページ www.icbuw.org/en/a/88.html にアップされました。[なお、ICBUWのホームページのURLが変わり、内容も全面的にリニューアル中です。新しいURLは、 www.icbuw.org/です。] すでにお知らせしておりますように、ベルギーの国会には、「ウラン兵器禁止法案」(ベルギーとして、[劣化]ウラン兵器の製造、売買、使用などに一切関わらないことを定める法律)がすでに提出されており、今回の公聴会は、この法案の審議のためのものです。 今回の公聴会は、劣化ウラン兵器問題に取り組んできているベルギーの政治家、ICBUWメンバーなどの努力で実現したもので、ICBUW広島大会にも参加した元WHO放射線部門専門官のキース・ベイヴァーストック博士などが劣化ウランの危険性について証言しました。 なおベルギーは、1995年、世界で初めて「対人地雷の製造、使用、輸出、移譲禁止法」を成立させ、続いて、EUが対人地雷禁止に向けて共同行動を決定することとなります。ベルギーでの動きを注目したいと思います。 11月6日、ヨーロッパ議会にて、白燐弾などとともに、劣化ウラン兵器の使用停止を求める決議が改めて採択されました。ヨーロッパ議会による劣化ウラン兵器使用停止決議は、これで四回目になります。 国 連人権理事会によって設置された「レバノン調査委員会」の報告書(11月11日付の暫定的バージョン)は、「人道的援助と復興」、「子どもの犠牲者」、 「国際人道法の尊重」、「兵器」、「国際人道法及び人権の違反に対する補償」などに関する16項目の「勧告」を人権理事会に対し提出していますが、「兵 器」セクションに入る「勧告10」では、クラスター爆弾を早急に違法化することに加えて、劣化ウラン兵器など、一般市民にも無差別的被害を及ぼす兵器の 「合法性」を問題にするよう関連国際機関に対し要請しています。 「勧告10」の直訳は下記の通りです。 「人権理事会は、国際法によって禁止された兵器のリストにクラスター爆弾を加えるための緊急行動を押し進めようイニシアチブを取るべきである。人権理事会 は、「特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)」(過度に傷害を与え又は無差別に効果を及ぼすことがあると認められる通常兵器の使用の禁止又は制限に関す る条約)や「対人地雷禁止条約」(対人地雷の使用、貯蔵、生産及び移譲の禁止並びに廃棄に関する条約)の締約国会議などの関連国際機関に対し、特に一般市 民に対し無差別的被害を及ぼす、劣化ウランを使用した兵器を含む幾つかの兵器の合法性に関して検討することを要請すべきである。」 [「レバノン調査委員会報告」 www.ohchr.org/english/bodies/hrcouncil/docs/CoI-Lebanon.pdf] 嘉指信雄 NO DU ヒロシマ・プロジェクト代表 [以下、ICBUWニュースの原文] Begin forwarded message:From: International Coalition to Ban Uranium Weapons <info@bandepleteduranium.org>Date: 2006年11月23日 0:08:16:JSTTo: undisclosed-recipients: ;Subject: Latest news…
劣化ウラン兵器禁止に向けた最近の動き
ベルギー議会公聴会/ヨーロッパ議会決議/ 国連人権理事会への勧告 2006年11月23日 皆様 劣化ウラン兵器禁止に向けた、ベルギー議会、ヨーロッパ議会、国連人権理事会における最近の動きをお知らせいたします。それぞれ大変重要な動きだと思いますので、ICBUWのニュースから紹介させていただきます。(ICBUWニュースの原文は一番下に貼付) 11月20日、ベルギー議会で、劣化ウラン兵器問題に関する公聴会が開かれましたが、その様子を伝える報告が、写真とともに、ICBUWホームページ http://www.icbuw.org/en/a/88.html にアップされました。[なお、ICBUWのホームページのURLが変わり、内容も全面的にリニューアル中です。新しいURLは、 www.icbuw.org/です。] すでにお知らせしておりますように、ベルギーの国会には、「ウラン兵器禁止法案」(ベルギーとして、[劣化]ウラン兵器の製造、売買、使用などに一切関わらないことを定める法律)がすでに提出されており、今回の公聴会は、この法案の審議のためのものです。 今回の公聴会は、劣化ウラン兵器問題に取り組んできているベルギーの政治家、ICBUWメンバーなどの努力で実現したもので、ICBUW広島大会にも参加した元WHO放射線部門専門官のキース・ベイヴァーストック博士などが劣化ウランの危険性について証言しました。 なおベルギーは、1995年、世界で初めて「対人地雷の製造、使用、輸出、移譲禁止法」を成立させ、続いて、EUが対人地雷禁止に向けて共同行動を決定することとなります。ベルギーでの動きを注目したいと思います。 11月6日、ヨーロッパ議会にて、白燐弾などとともに、劣化ウラン兵器の使用停止を求める決議が改めて採択されました。ヨーロッパ議会による劣化ウラン兵器使用停止決議は、これで四回目になります。 国 連人権理事会によって設置された「レバノン調査委員会」の報告書(11月11日付の暫定的バージョン)は、「人道的援助と復興」、「子どもの犠牲者」、 「国際人道法の尊重」、「兵器」、「国際人道法及び人権の違反に対する補償」などに関する16項目の「勧告」を人権理事会に対し提出していますが、「兵 器」セクションに入る「勧告10」では、クラスター爆弾を早急に違法化することに加えて、劣化ウラン兵器など、一般市民にも無差別的被害を及ぼす兵器の 「合法性」を問題にするよう関連国際機関に対し要請しています。 「勧告10」の直訳は下記の通りです。 「人権理事会は、国際法によって禁止された兵器のリストにクラスター爆弾を加えるための緊急行動を押し進めようイニシアチブを取るべきである。人権理事会 は、「特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)」(過度に傷害を与え又は無差別に効果を及ぼすことがあると認められる通常兵器の使用の禁止又は制限に関す る条約)や「対人地雷禁止条約」(対人地雷の使用、貯蔵、生産及び移譲の禁止並びに廃棄に関する条約)の締約国会議などの関連国際機関に対し、特に一般市 民に対し無差別的被害を及ぼす、劣化ウランを使用した兵器を含む幾つかの兵器の合法性に関して検討することを要請すべきである。」 [「レバノン調査委員会報告」 www.ohchr.org/english/bodies/hrcouncil/docs/CoI-Lebanon.pdf] 嘉指信雄 NO DU ヒロシマ・プロジェクト代表 [以下、ICBUWニュースの原文] Begin forwarded message: From: International Coalition to Ban Uranium Weapons < info@bandepleteduranium.org>…
ICBUW ホームページのリニューアル
CBUW メーリングリストの開設 2006年11月23日 皆様 (1)ICBUW(ウラン兵器禁止を求める国際連合)のホームページがリニューアルされ、URLも変更になりましたので、お知らせいたします。 新しいURLは、http://www.icbuw.org/ です。 まだ、かなりの部分が作成中で、トップページに写真が一枚もアップされていない状態にありますが、ぜひ一度アクセスして、ご意見、アイデアをお寄せください。 [なお、以前のURLのhttp://www.bandepleteduranium.org/にアクセスした場合、「Error」サインが出ますが、[Please go back to homepage]の [homepage]の部分をクリックすれば、新しいホームページにリンクされます。] (2)ICBUWのメンバーが自由に情報交換するためのメーリングリストが開設されました。英語でのメーリングリストですが、ICBUWの賛同団 体の皆さん、国際的なネットワークを作っていくため、ぜひ奮ってご参加ください。ICBUWメーリングリストへの参加申し込みは、ヤフーの下記アドレスで 簡単にできます。 groups.yahoo.com/group/banuraniumweapons/ まだICBUWのメンバーでない方は、ぜひメンバーになってください。個人の方でもメンバーになっていただけます。申し込みは、NO DU ヒロシマ・プロジェクト、あるいは、ICBUW宛にメールをお送りください。 「NO DU ヒロシマ・プロジェクト」連絡先 info@nodu-hiroshima.org ICBUW連絡先 info@bandepleteduranium.org 草々 嘉指(かざし)信雄 NO DU ヒロシマ・プロジェクト代表 CBUW メーリングリストの開設 2006年11月23日 皆様 (1)ICBUW(ウラン兵器禁止を求める国際連合)のホームページがリニューアルされ、URLも変更になりましたので、お知らせいたします。 新しいURLは、http://www.icbuw.org/ です。 まだ、かなりの部分が作成中で、トップページに写真が一枚もアップされていない状態にありますが、ぜひ一度アクセスして、ご意見、アイデアをお寄せください。 [なお、以前のURLのhttp://www.bandepleteduranium.org/にアクセスした場合、「Error」サインが出ますが、[Please go…
IPPNW(核戦争防止国際医師会議)inフィンランド・ヘルシンキ報告
ICBUW評議員の振津かつみさんが、フィンランドのヘルシンキで行なわれていたIPPNW(核戦争防止国際医師会議)に参加されました。帰国された振津さんによる取り組みの報告を紹介します。メーリングリスト[noduproject]からの転載です。 (以下転載) 皆さま先週14日にヘルシンキから戻りました。振津です。休む暇もなく翌日から時差ぼけの頭のまま仕事が始まってしまい…少し遅くなりましたが、とりあえずのご報告をさせて頂きます。現地での主な行動は下記でした。 9月8日ー10日:IPPNW国際大会 8日:フィンランド国防省訪問 9日:IPPNW国際大会で分科会「ウラン兵器の健康影響」、NGOの野外集会参加(アピールと署名活動) 11日:記者会見 12日:国会議員レクチャー、国会内のホールでセミナー「イラクのバスラでの癌の推移/劣化ウランー45億年の健康リスク」 13日:フィンランド外務省訪問 今回の行動にはICBUWから、私と、先日の広島大会にも参加したベルギーのリア・ベルジャウさん(ICBUW評議員)が参加しました。フィンランド政 府や議員へのロビー活動、セミナーなどの準備は、フィンランドのICBUW支持グループ(Women for Peace, No More Nuclear Power Movement, Finnish Peace Committee) が積極的に担ってくれました。バスラのアルアリ先生は、全ての活動に参加して下さり、イラクの現状、ウラン兵器の危険性を私たちとともに訴えてくれまし た。また9日のIPPNWの分科会と12日のセミナーには、アルアリ先生に加え、キース・ベイバーストックさん、トーマス・フェージさんも協力して下さ り、科学者として、あるいは医師として劣化ウランの毒性を明確に主張し、ウラン兵器の禁止の必要性をともに訴えてくれました。IPPNWの大会でのDU問 題分科会は、ICBUWとIPPNWドイツ支部(ICBUWの創設団体のひとつでもある)との共催で準備し実現したものです。IPPNWの評議員や事務局へはさらなるプッシュをしなければなりませんし、フィンランド政府や国会議員へのロビー活動の今後のフォローなど、国際キャ ンペーンとも連携しながら継続した取組みがを行う必要があります。今回の行動では、ICBUWの国際キャンペーンを進める上でもいくつかの成果があったよ うに思います。私としても、今後の国内外での運動を進める上で、いろいろと勉強にもなりました。まだ整理ができていませんが、とりあえずの報告メモです。ご参照下さい。1)IPPNW世界大会での分科会「ウラン兵器の健康影響」など IPPNWドイツの代表のアンジェリカ・クラウセンさんが司会。 アルアリ医師の話し:バスラの汚染状況、癌の疫学調査について報告。 トーマス・フェージさんの話し:劣化ウランの化学毒性・放射能毒性についての医学的解説、動物実験やこれまでの核開発の中での人的被害からわかることを報告。神経毒性も含めて「湾岸戦争症候群」の多彩な症状にも結びつくような健康影響について。 振津の報告:ICBUWの活動、ウラン兵器禁止を求める根拠について。独自の科学的評価、被害者支援・医師への支援、被害調査・被害者支援・禁止に向けた国際機関や各国政府への働きかけなどを、IPPNWが具体的に積極的役割を担うよう提案。 約30名の参加者、日本からもIPPNW大阪支部の方々をはじめ、広島、長崎からも参加。バスラからの医師の研修受け入れをされ、アルアリ先生とも交流のある、長崎大学の朝長教授も議論に参加。 米国、ニュージーランドをはじめ、様々な国々の医師や医学生も参加した。時間が足りなかったが、熱心な質疑応答と議論がなされ、医師達の関心の高い様子がうかがわれた。 分科会を主催した私達としては、IPPNW国際大会として、ウラン兵器禁止と被災者やイラクなどの被災地の医師への支援、独自の健康影響評価を行 うなどの内容の決議をあげるように分科会から提案する方向で前日まで議論をし、決議案の準備も進めていた。しかし当日の朝になって、IPPNWの事務局か ら話しがあり、「すでに2年前の北京の大会の時にIPPNWとしてはウラン兵器禁止を求めるICBUWの立場を支持する決議をしているので、今回新たな決 議はしない。提案は受け入れられない。」とのことで、残念ながらこちらも急遽、対応を変えざるをえなかった。IPPNWの事務局の言い分としては、「北京 大会の際にDU分科会から出された決議案の一部(下記)についてはIPPNWとして正式に採択した」とのこと。これは2年前の北京大会で、嘉指さん、森瀧 さんがIPPNWドイツのメンバーとともに頑張って下さった「成果」でもある。しかし、なぜかIPPNWのウェブサイトでも、どの公式文書でも、このこと についての明確な表明がされていないのが実態。今後、ドイツのメンバーとも連携してこのことを明確にさせてゆくと同時に、IPPNWが基本的にICBUW…
ICBUW 広島大会 賛同者・参加者の皆様への御礼
みなさま 「NO DU劣化ウラン兵器禁止を訴える国際大会」開催に当たりましては、皆様のご協力ご尽力によりまして、多くの国内外の参加者を得て、充実した内容と展望のある大会となりました。心からお礼申し上げます。 NODU国際大会広島現地実行委員会事務局として、遅くなりましたがとりあえずのお礼を申し上げます。 長崎・福岡での諸行動に参加された海外代表の皆さんも、本日すべて広島から送り出したところです。 内外参加者数は海外からの参加者40数名を含め約1,000名に上りました。 50件を超えるプレゼンテーションを受けての4日間にわたる討議はまだまだ時間が足りないほどの内容だったと思われますが、これから総括を行っていきたいと思っております。 大会の様子をとりあえず垣間見ていただくには、すでにお知らせしておりますように「NODUヒロシマ・プロジェクトの大会ホームページの動画配信 をご覧ください。 これから後まとめに入るわけですが、国際大会の報告集作成は来年1月を目指して取り組みます。1冊2000円ですでに大会期間中より予約受付を始めています。詳細は以下をご覧ください。「ICBUW広島大会記録集」発行のお知らせ ***********************現地実行委員会事務局長 森瀧 春子
ロンドンの劇場で「ウラン238」上演へ
2006年6月13日皆様以下は、今月末、ロンドンの劇場で上演される「ウラン238」の「お知らせ」です。(ICBUWのイタリア人メンバーであるフランチェスコ・ヤンヌツェッリが転送してくれた英語の「お知らせ」文を、小泉直子さんが訳してくださったものです。)コソボでの任務後、劣化ウラン被害で病気になり亡くなったイタリア兵ルーカ・セーペ氏の話を題材とした、画期的な試みだと分かります。今回は、8月のICBUW広島大会に招待しているイギリスの湾岸戦争帰還兵レイ・ブリストウさんの経験も織り込まれた形で上演されるようです。 また、この「お知らせ」の中には出てきませんが、ドキュメンタリー「知られざるDUの恐怖/イラクの子どもたちは今」(ディレクター:清水仁/レポー ター:豊田直巳)の映像も数分、ドラマの中で映されることになったとのことです。(「知られざるDUの恐怖」を見てとても感銘を受けたという演出のカンプ スさんが、制作者の清水さんたちに、最近、映像使用の許可を求めてきました。「知られざるDUの恐怖」については、「NO DU ヒロシマ・プロジェクト」ホームページ www.nodu-hiroshima.org/)をご参照ください。) 草々嘉指信雄(かざしのぶお)「NO DU ヒロシマ・プロジェクト」代表
IPPNW(核戦争防止国際医師会議)inフィンランド・ヘルシンキ報告
CBUW評議員の振津かつみさんが、フィンランドのヘルシンキで行なわれていたIPPNW(核戦争防止国際医師会議)に参加されました。帰国された振津さんによる取り組みの報告を紹介します。メーリングリスト[noduproject]からの転載です。 (以下転載) 皆さま 先週14日にヘルシンキから戻りました。振津です。 休む暇もなく翌日から時差ぼけの頭のまま仕事が始まってしまい…少し遅くなりましたが、とりあえずのご報告をさせて頂きます。 現地での主な行動は下記でした。 9月8日ー10日:IPPNW国際大会 8日:フィンランド国防省訪問 9日:IPPNW国際大会で分科会「ウラン兵器の健康影響」、NGOの野外集会参加(アピールと署名活動) 11日:記者会見 12日:国会議員レクチャー、国会内のホールでセミナー「イラクのバスラでの癌の推移/劣化ウランー45億年の健康リスク」 13日:フィンランド外務省訪問 今回の行動にはICBUWから、私と、先日の広島大会にも参加したベルギーのリア・ベルジャウさん(ICBUW評議員)が参加しました。フィンランド政 府や議員へのロビー活動、セミナーなどの準備は、フィンランドのICBUW支持グループ(Women for Peace, No More Nuclear Power Movement, Finnish Peace Committee) が積極的に担ってくれました。バスラのアルアリ先生は、全ての活動に参加して下さり、イラクの現状、ウラン兵器の危険性を私たちとともに訴えてくれまし た。また9日のIPPNWの分科会と12日のセミナーには、アルアリ先生に加え、キース・ベイバーストックさん、トーマス・フェージさんも協力して下さ り、科学者として、あるいは医師として劣化ウランの毒性を明確に主張し、ウラン兵器の禁止の必要性をともに訴えてくれました。IPPNWの大会でのDU問 題分科会は、ICBUWとIPPNWドイツ支部(ICBUWの創設団体のひとつでもある)との共催で準備し実現したものです。 IPPNWの評議員や事務局へはさらなるプッシュをしなければなりませんし、フィンランド政府や国会議員へのロビー活動の今後のフォローなど、国際キャ ンペーンとも連携しながら継続した取組みがを行う必要があります。今回の行動では、ICBUWの国際キャンペーンを進める上でもいくつかの成果があったよ うに思います。私としても、今後の国内外での運動を進める上で、いろいろと勉強にもなりました。 まだ整理ができていませんが、とりあえずの報告メモです。ご参照下さい。 1)IPPNW世界大会での分科会「ウラン兵器の健康影響」など IPPNWドイツの代表のアンジェリカ・クラウセンさんが司会。 アルアリ医師の話し:バスラの汚染状況、癌の疫学調査について報告。 トーマス・フェージさんの話し:劣化ウランの化学毒性・放射能毒性についての医学的解説、動物実験やこれまでの核開発の中での人的被害からわかることを報告。神経毒性も含めて「湾岸戦争症候群」の多彩な症状にも結びつくような健康影響について。 振津の報告:ICBUWの活動、ウラン兵器禁止を求める根拠について。独自の科学的評価、被害者支援・医師への支援、被害調査・被害者支援・禁止に向けた国際機関や各国政府への働きかけなどを、IPPNWが具体的に積極的役割を担うよう提案。 約30名の参加者、日本からもIPPNW大阪支部の方々をはじめ、広島、長崎からも参加。バスラからの医師の研修受け入れをされ、アルアリ先生とも交流のある、長崎大学の朝長教授も議論に参加。 米国、ニュージーランドをはじめ、様々な国々の医師や医学生も参加した。時間が足りなかったが、熱心な質疑応答と議論がなされ、医師達の関心の高い様子がうかがわれた。 分…
ICBUW 広島大会 賛同者・参加者の皆様への御礼
みなさま 「NO DU劣化ウラン兵器禁止を訴える国際大会」開催に当たりましては、皆様のご協力ご尽力によりまして、多くの国内外の参加者を得て、充実した内容と展望のある大会となりました。心からお礼申し上げます。 NODU国際大会広島現地実行委員会事務局として、遅くなりましたがとりあえずのお礼を申し上げます。 長崎・福岡での諸行動に参加された海外代表の皆さんも、本日すべて広島から送り出したところです。 内外参加者数は海外からの参加者40数名を含め約1,000名に上りました。 50件を超えるプレゼンテーションを受けての4日間にわたる討議はまだまだ時間が足りないほどの内容だったと思われますが、これから総括を行っていきたいと思っております。 大会の様子をとりあえず垣間見ていただくには、すでにお知らせしておりますように「NODUヒロシマ・プロジェクトの大会ホームページの動画配信 をご覧ください。 これから後まとめに入るわけですが、国際大会の報告集作成は来年1月を目指して取り組みます。1冊2000円ですでに大会期間中より予約受付を始めています。 詳細は以下をご覧ください。 「ICBUW広島大会記録集」発行のお知らせ *********************** 現地実行委員会事務局長 森瀧 春子 みなさま 「NO DU劣化ウラン兵器禁止を訴える国際大会」開催に当たりましては、皆様のご協力ご尽力によりまして、多くの国内外の参加者を得て、充実した内容と展望のある大会となりました。心からお礼申し上げます。 NODU国際大会広島現地実行委員会事務局として、遅くなりましたがとりあえずのお礼を申し上げます。長崎・福岡での諸行動に参加された海外代表の皆さんも、本日すべて広島から送り出したところです。 内外参加者数は海外からの参加者40数名を含め約1,000名に上りました。50件を超えるプレゼンテーションを受けての4日間にわたる討議はまだまだ時間が足りないほどの内容だったと思われますが、これから総括を行っていきたいと思っております。 大会の様子をとりあえず垣間見ていただくには、すでにお知らせしておりますように「NODUヒロシマ・プロジェクトの大会ホームページの動画配信 をご覧ください。 これから後まとめに入るわけですが、国際大会の報告集作成は来年1月を目指して取り組みます。1冊2000円ですでに大会期間中より予約受付を始めています。詳細は以下をご覧ください。 「ICBUW広島大会記録集」発行のお知らせ *********************** 現地実行委員会事務局長 森瀧 春子
BBCニュース(11月1日) ”無視された”劣化ウランのリスク
2006年11月4日 11月1日、イギリスのBCCが、「“無視された”劣化ウランのリスク」と題されたニュースを報道しました。(まず、BBCラジオの朝の番組 「Today」で放送され、インターネット版に掲載されたもののようです。)今年8月広島で開催されたICBUW国際大会にも参加したキース・ベイ ウ゛ァーストック博士(元・国連放射線専門研究員)もインタビューを受けて発言しています。 大変重要なニュースですので、ご参考までに抄訳してみました。 なお、原文全文は、下記にアップされています。 <news.bbc.co.uk/1/hi/world/middle_east/6105726.stm> 草々 嘉指(かざし)信雄 NO DU ヒロシマ・プロジェクト代表 *** BBCニュース、2006年11月1日 “無視された”劣化ウランのリスク BBCの調査によれば、劣化ウラン兵器には発ガンの危険性があるという警告にもかかわらず、英国と合衆国の軍隊は劣化ウラン兵器を使い続けてきている。 科学者たちは、1991年と2003年の戦争において劣化ウラン兵器が使用されたイラクにおける保健統計に注意を向けてきている。 WHO(世界保健機構)による2001年の報告は、劣化ウラン兵器による汚染のリスクは小さいものでしかないとしている。 しかし、国連の上級研究員の一人は、いかに劣化ウランがガンを引き起こしうるか示した研究が差し止められたと述べた。 英国国防省は、劣化ウランの使用と病気を結びつける証拠はないと述べた。 劣化ウランはきわめて固く重たいため、装甲貫通弾などとして使われている。 健康への影響に対する懸念から、2001年、WHOによって研究がなされることとなった。 (中略)国連によるこの報告を監督したマイク・レパコーリ博士は、BBCラジオ4「Today」番組のアンガス・スティックラーに対し、劣化ウランは、“基本的に 安全”であると語った。博士は、「健康に対する悪影響を生じさせるためには、膨大な量の劣化ウランを吸引する必要があるだろう」と述べた。 「微粒子からのリスク」 しかし、国連によるこの研究プロジェクトに加わったキース・ベイウ゛ァーストック博士によれば、アメリカ国防総省によって行われた研究は異なる結果を示している。 (中略) ベイウ゛ァーストック博士は、劣化ウランが吸引された際に引き起こされる、「遺伝毒性」として知られているプロセスを説明した。 「溶解性の微粒子は、部分的には放射性毒性、そして、部分的には化学的毒性に由来するリスクを肺に及ぼす」と述べた。博士によれば、さらに、そうした体内に入った微粒子は、血流に入り込み、骨髄、リンパ系や腎臓に影響を及ぼしうる。 こうした研究は、WHOの報告には取り入れられなかったが、ベイウ゛ァーストック博士は、それは妨害されたためだと信じている。 レパコーリ氏は、こうした研究結果は他の報告によって裏付けられておらず、”推測上(speculative)の”データを発表することはWHOの方針ではない、と述べた。氏は、いかなる圧力も否定した。 しかし、他の上級研究員たちは、イラクにおけるガンや先天性障害の増加をしめす、憂慮すべき保健統計を指摘している。(以下略)