11.23 京大十一月祭「劣化ウラン弾禁止」講演会報告

京大十一月祭「劣化ウラン弾禁止」講演会報告

私たち、「劣化ウラン弾禁止を求める京都大学の会」と京都大学文学部学友会常任委員会は共催で、今年の京都大学11月祭において、劣化ウラン弾問題のパネル展示と講演会を行いました。(11月23日)講演会では、ICBUW創設以来のメンバーで、運営委員をされている嘉指信雄さん(神戸大学文学部教授)をお招きして、「劣化ウラン弾禁止への展望と日本の役割」という題で、講演をしていただきました。

講演会には、30名あまりの参加者がありました。講演では、劣化ウランとは何か、に始まり、湾岸戦争やイラク戦争での被害や、その後の国際社会における劣化ウラン兵器禁止への取り組み(ベルギーの先進的な取り組み)などについて、1時間半にわたって、スライドを使って詳しくお話をしていただきました。その後の質疑では、サマーワに派遣された自衛隊員の被ばく問題はないのか、とか、劣化ウラン弾の代わりになる兵器としてタングステン弾というものがあるが、なぜ代替できないのか、など、突っ込んだ質問が次々と寄せられ、質疑応答が1時間弱も続く、内容の濃い講演会になりました。

その後、場所を移しての懇親会では、10名を超える参加者があり、前日まで祝島の原発建設着工監視行動に取り組んでいた農学部の学生や、長年、京都で市民運動に取り組まれている方々などが集い、長時間にわたり、議論と交流を深めることができました。講演参加者の規模そのものは、けして多くはありませんでしたが、たいへん充実したよい講演会になりました。

また、長年、”劣化ウラン早わかり”のような、簡潔でわかりやすいパンフが作れないかと考えていたものを、講演会資料として実現することができたことも、ささやかな成果です。

参加者からは、「勉強になった。なにより、パッション(情熱)が伝わってきて、よい講演会だった」、「昨日は貴重な場をありがとう。元気出してやって行きたいと思った」といった感想が寄せられています。最後に、文学部学友会の橘英希さんに、感想を書いてもらったので、ここに載せておきます。

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今回の講演会で初めて、劣化ウラン弾の問題性を知りました。われわれの普段の日常生活からは想像もできないことが、遠い異国の戦地では生じているということに思いを馳せることができたと思います。この日本という国で、劣化ウラン問題に対して具体的に取り組んでいくことは骨の折れることだろうし、困難を伴うことではあると思いますが、最低限のこととして、戦争の悲惨さに対して思いを馳せることはしていきたいです。そしてアメリカを筆頭とする各国政府の愚劣な振る舞いに対する怒りの感情を手放すことなく、身近な問題に取り組んでいきたいと思います。私は普段は学生という立場から大学内での問題に取り組んでいますが、劣化ウラン問題など一見自分とは関係のないことと思われる問題についても常に考えながら、自らの運動を行っていくことの重要性を感じました。

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以上、ご報告します。(劣化ウラン弾の禁止を求める京都大学の会 滝澤 寛)