ロザリー・バーテルさんが現地(米国ペンシルバニア州)時間の6月14日に、逝去されました。つい二週間前に、福島原発事故の放射能汚染についてのコメントをメイルで送ってきてくれていたのに。。。。最後に体調を崩す直前まで仕事をしておられたのでしょう。(もともと肺や心臓の持病を持っておられ、これまで何回も危機的な病状を、彼女特有の忍耐と意思の強さで乗り切って、驚異的に回復してこられましたが。。。)
ご存知のとおりバーテルさんは、お元気だった頃には、世界の核被害者や、環境破壊に苦しむ人々のために、文字通り世界を飛び回って、被害現地にも赴き、科学者として調査し発言し、被害者を支えてその健康と人権の回復のために闘ってこられました。
ウラン兵器についても1991年の湾岸戦争直後から、科学者として同兵器の危険性を訴え、イラクの人々や「湾岸戦争症候群」に苦しむ帰還兵のために証言し、多くの報告や論文を執筆してこられました。「ウラン兵器禁止を求める国際連合」(ICBUW)の活動にも早くから協力して下さり、国連でのワークショップでの講演など、様々な形で支えて下さいました。2006年に広島で開催した「第3回ICBUW世界大会」にも参加され、「基調講演」をして下さいましたので、この広島世界大会で会われた皆さんも多いことと思います。(これが、彼女の最後の来日となりました。)
小柄でいつも物静かなバーテルさんが、核産業や軍事産業、それを支持し推進する諸政府、そして核利用を進めるIAEAやICRP(国際放射線防護委員会)などの国際組織を鋭く批判されていた姿が思い出されます。常に被害者の側に立って、世界の先住民や人権を抑圧されている人々の側にいて、発言し行動してこられた方です。また、そのような人々に心から愛されていた人でもあります。まだまだ彼女から学びたいことが沢山あったのに。。。。と思います。
バーテルさんの活動どう引き継いでゆくのかが、私たちに問われています。
心からご冥福をお祈りしたいと思います。
振津かつみ「ウラン兵器禁止を求める国際連合」運営委員