「ウラン兵器の人的被害」ヨーロッパ議会で豊田直巳写真展(5月14-16日)

皆様

5月14-16日、ブリュッセルのEU議会内にて豊田直巳写真展『ウラン兵器の人的被害』(The Human Cost of Uranium Weapons)が開かれる運びとなりました。合わせて、5月15日には国際フォーラム『ウラン兵器禁止に向けて』が開かれます。今回の企画は、劣化ウラ ン兵器問題を憂慮するEU議員グループとICBUW(ウラン兵器禁止を求める国際連合)の協力で実現したものです。


(1)    豊田直巳写真展『ウラン兵器の人的被害』

場所:ヨーロッパ議会3階、大回廊展示スペース

今回の写真展用ポスターのPDFファイル、展示写真一覧、及び豊田直巳さんの挨拶『ヨーロッパ写真展開催にあたって』が、「NO DU ヒロシマ・プロジェクト」ホームページにアップされておりますので、ぜひご参照ください。(http/www.nodu-hiroshima.org/ なお、豊田直巳さんのホームページ『境界線の記憶』は、www.ne.jp/asahi/n/toyoda/)
[展示される写真パネルは全部で22枚。そのうち5枚は120x180cmの大型サイズで、他の17枚は60x90cmのサイズのものです。展示会場が、EUの建物の中心に位置する大回廊であるため、広いスペースでもアピールするように、たたみ一畳大の大型パネルが5枚含まれることになりました。]

「オープニング式典」:5月14日午後6時〜

スピーカー

・    豊田直巳(写真家、日本)

・    エルス・デ・グローエン(EU議会議員、オランダ)

・    キャロリン・ルーカス博士(EU議会議員、イギリス)

・    森滝春子(NO DU ヒロシマ・プロジェクト事務局長、日本)

 

(2)    国際フォーラム『ウラン兵器禁止に向けて』

5月15日:ヨーロッパ議会、会議室(ASP 1G2)

スピーカー

・    ジャワッド・アル-アリ博士(バスラ教育病院がんセンター長、イラク)

「バスラにおける“がん研究”:資金問題及び様々な障害」

・    振津かつみ博士(医師・放射線学者、日本)

「ウラン兵器が禁止されるべき科学的・医学的理由」

・    トマス・フィエジー博士(医師、マウントサイナイ病院、アメリカ)

「何故、劣化ウラン兵器から発生する塵は危険か」

・    ジェラルド・マシュー(イラク戦争帰還兵、アメリカ)

「劣化ウランと私」

・    嘉指信雄(ICBUWアジア太平洋地域コーディネーター、日本)

「形成途上のICBUWキャンペーン:その成果と課題」

・    エマニュエル・ジェイコブ(EUROMIL=「ヨーロッパ軍人組織連合」代表、ベルギー)

「劣化ウラン兵器の使用に関するEUROMILの見解」

・    ヴィム・ヴァン・デン・ブルク((EUROMIL=「ヨーロッパ軍人組織連合」オランダ代表、オランダ)

「劣化ウラン兵器は兵士にとってメリットを持つか?」

[なお、5月17日にはブリュッセル郊外の街ルーヴェンで、18日にはゲントの街で、アル-アリ博士、ジェラルド・マシューさんなども参加して、一般市民向けの集会が予定されています。また、ブリュッセルの後、ICBUWのメンバー3名は、ジュネーブでロビー活動(各国代表部、WHO,UNEPなど)に取り組む予定です]

 

すでにお知らせしておりますように、2007年3月22日、ベルギー議会本会議において、「劣化ウラン弾禁止法案」が、賛成117票の全会一致で可決されました。

今回の法律は、通常兵器システムの範疇に入れられている劣化ウラン弾、および劣化ウランを用いた装甲の、ベルギーの領土内における製造、使用、貯蔵、売買、入手、供給、移送を、「予防原則に基づき」禁止するものです。ベルギーは、対人地雷、クラスター爆弾に続いて、劣化ウラン弾に関しても、世界に先駆けて禁止法案を可決した国となったのです。

ただし、今回の「劣化ウラン弾禁止法案」には、「ベルギー制定法令書に記載後2年してから発効する」という条件が付されています。これは、こうした禁止をベルギー政府が国外でも促進するには時間を要するし、他の国々もベルギーにならって後に続くかどうか知りたいと、オランダ語圏の自由民主党が主張したためとのこと。つまり、ベルギーが国際社会で孤立することが危惧されたのです。

2年後に改めて、国際世論、各国の取り組みの状況を見定め、検討し、ベルギーが劣化ウラン兵器の国際的禁止に乗り出すのか、あるいは、今回の禁止法案をベルギー一国にとどめるかを決めよう、ということのようです。

これからの二、三年が劣化ウラン兵器禁止国際キャンペーンにとっても正念場と言えましょう。ICBUWとしては、地雷禁止に続いて、クラスター爆弾の禁止条約作りが始まった勢いも活かしつつ、国際的禁止に向けた大きなうねりを作り出して行きたいと考えています。一層のご支援をお願いいたします。

 

嘉指(かざし)信雄、ICBUWアジア・太平洋地域コーディネーター

振津かつみ、ICBUW評議員・科学チーム

森滝春子、NO DU ヒロシマ・プロジェクト事務局長


ICBUW=International Coalition to Ban Uranium Weapons

www.icbuw.org/


ICBUW国際キャンペーンへのカンパ振り込み先

郵便振替番号:01310−0−83069

連絡先:E-mail: info@nodu-hiroshima.org

www.nodu-hiroshima.org/