「イラクにおける先天性欠損の途方もない増加 ——米英軍による軍事行動とのつながりを示す新たな調査——」 来月には、WHOも調査結果を発表

 イラク戦争中、最も激しい攻撃が行われたファルージャにおける先天性欠損症などの急増については、特にイギリスのメディアが繰り返し報じてきていますが、この10月14日にも、新たな調査結果に基づくリポートが掲載されました。以下、その概要です。

[原文は―— http://ind.pn/T0OmE5]

 「サラ・モリソン(『インディペンダント』、2012年10月14日)

最近のEnvironmental Contamination and Toxicology bulletinに掲載された、Mozhgan Savabieasfahani博士(アメリカ・ミシガン大学公衆衛生学校:環境毒物学)などによる調査結果によると、ファルージャで2007-2010年に生まれ、記録された新生児の半数以上に先天性欠損が認められた。ファルージャ猛攻の前は、10ケースに1ぐらいの割合で、さらに1990年代以前は2パーセント以下だった。また流産率は、以前は10パーセントほどだったのが、2004年以降の年間をみると45パーセント以上となっており、2007-2010年では6件に1件ほどの割合になっている。しかも、こうした数字ですら「過小評価」であるかもしれない。なぜなら、先天性欠損の子どもが生まれた場合、報告せずに隠したままにする親が多いからだ。

 また、先天性欠損の子どもの髪の毛からは、他の子どもと比べて5倍の鉛、6倍の水銀が検出されたことから、今回の調査は、先天性欠損症の増加と、過去20年間の戦争で使用された砲弾などから出された金属への曝露との間に関連があると考えられる。また、劣化ウランの関わりについても、資金が集まり次第、調査を始めたいとしている。
 なお来月には、ファルージャやバスラを含む、9つの「ハイリスク」地域における先天性欠損症の増加に関してWHOが行ってきた予備調査の結果が公表されるが、顕著な増加が認められた地域に関してはさらなる調査が行われるものと見られている。
 アメリカ国防省は、「バスラにおける先天性欠損の増加と、武器に含まれていた金属への曝露の関連性を示す公式のリポートは何ら認知していない」として、こうした関連性を否定し、イギリス政府スポークスマンも、「バスラにおける先天性欠損の増加と通常兵器の関連性を確認した、信頼すべき科学的・医学的リポートは存在しない。イギリス軍によって使用されている全ての武器は、国際人道法に沿い、ジュネーブ条約に従ったものである」としている。」