ヒロシマ発日本政府への反論「劣化ウラン兵器廃絶への道」 イラクの人々のため、日本がすべきことは何なのか?大量破壊兵器だけでなく、劣化ウラン兵器(DU)についても、アメリカ政府の欺瞞がようやく暴かれつつある。 DU禁止に向けた国際キャンペーンも動きだした。 (以下、『世界』2004年5月号より抜粋・修正) 「ヒロシマ発 日本政府への反論-ウラン兵器廃絶への道」 嘉指信雄(かざしのぶお) 「NO DU ヒロシマ・プロジェクト」代表 アメリカとイギリスは、大量破壊兵器保有の可能性を理由にイラク戦争を強行したが、今や、その大義が大きく揺らいでいる。しかし、今回の戦争でも大量に使用された劣化ウラン弾の問題を視野の中心に据える時、イラク戦争の「正当性」は、さらに一層深く、根底から覆される。 三月二〇日、広島では、イラクの若い医師二人(名古屋大学医学部で研修中)が、原爆ドーム横での集会に参加し、「状況は悪化する一方であり、イラク人の苦しみを止めるには、外国の軍隊が撤退するしかない」と占領の早期終結を訴えた。バスラ教育病院の内科医アサド・アーメルさん(34)とバグダッド教育中央病院の小児科医モハマド・ハッサンさん(30)は、夕方、原爆資料館で開かれたフォーラムにも参加し、「医療設備が破壊され、電気も水も、薬も不足している。湾岸戦争以前と比べると、がん患者の数は10倍以上になっている。子どもの白血病も年々、増加する一途であり、劣化ウラン弾の影響によるものとしか考えられない」と窮状を訴えた。 二人は、翌日、広島赤十字・原爆病院や広島大学原医研(原爆放射能医学研究所)などを訪れ、専門家の方々と交流した後、名古屋に戻って行ったが、別れ際、「平和を求める人たちと共に行動し、強く励まされた。バグダッド陥落の頃は、家にも帰らず病院で患者の治療に必死であたったが、その時の気持ち―自分は、微力ながら、イラクの人々のために力を尽くしているのだという気持ちが甦ってきた。広島に戻ってきたい」との言葉を残して行った。 劣化ウラン兵器は、無差別破壊兵器である いわゆる「劣化」ウランは、核兵器や原子力発電に必要な濃縮ウランを作った後に生じる廃棄物であるが、鉛よりも重く、鉄よりもはるかに固いという希有な性質をもつ。劣化ウラン弾の貫通力は、同じサイズの鋼鉄の弾丸と比較すると、二,四倍。したがって、その破壊力は「革命的」であり、従来の戦車は無意味になったと言われる。さらに、劣化ウラン弾は、衝突後、燃焼し、マイクロレベルの微粒子となって拡散してしまう。劣化ウランは、化学的毒性もきわめて高く、放射能に関しても、「劣化」という不適切な形容がつけられているが、天然ウランの六〇パーセントの放射性を有し、その半減期は四五億年。(地球上に生命が誕生したのが、およそ四十四億年前と言われる。)したがって、劣化ウラン弾は、その及ぼす被害の範囲が空間的にも時間的も限定できないという意味で、まぎれもない非人道的大量破壊兵器である。劣化ウラン弾は一九九一年の湾岸戦争で初めて大規模に―米軍側の公式発表でも三〇〇トン以上―投入され、続いて、ボスニア、ユーゴスラビアにおいてはNATO軍によって、さらにアフガニスタンでアメリカによって、そして再びイラク戦争ではアメリカとイギリスによって湾岸戦争を上回る量が使用されたと推定されている。 今回の戦争は、「イラクの自由作戦」の名のもとに行われたが、放射線という目に見えない危険に数知れない人々・子どもたちを曝す非人道的兵器を使用しての戦争が、どうして、人々を解放する「正義の戦争」などと言えようか。 被爆国日本が先頭に立つべき劣化ウラン弾被害調査 自衛隊が、「人道復興支援」のために送られているサマワからは、日々、自衛隊員の善意あふれる笑顔と言葉がメディアを通じて届く。しかし、「イラク戦争とは何だったのか」、「日本が、今、イラクの人々のためになすべき、なすことのできる最も重要なことは何なのか」を考える時、劣化ウラン弾が引き起こしている想像を絶する悲惨、特に子どもたちに及ぼしている被害の深刻さを直視する必要がある。(写真家の森住卓氏の『イラク・湾岸戦争の子どもたち?劣化ウラン弾は何をもたらしたか』や豊田直巳氏の『イラク 爆撃と占領の日々』などを参照) 自衛隊は、安全のため「放射線測定器」を携行すると報道されているが、日本が被爆国としてイラクの人々のために第一になすべきことは、劣化ウラン弾による放射能汚染の実態調査、被害者救済の先頭に立つことではないだろうか。 アメリカ人の社会学者ロバート・ベラーによれば、「民主主義の成否は、何に注意を払うかにかかっている」。劣化ウラン弾問題に焦点があてられれば、イラク戦争はイラクの人々を「解放」する戦争などといったレトリックは到底通用せず、また、自衛隊による「人道復興支援」がいかに問題の根幹を覆い隠す役割を果たしてしまっているかが明らかとなろう。その意味で、劣化ウラン弾問題は、日本にとっては、今後の憲法改正論議の行方も左右しかねない、鍵となる問題(キー・イシュー)である。 (中略) アメリカの「欺瞞の構造」 一方、アメリカ政府も、一貫して、「劣化ウラン弾は人体に影響がない」との主張を繰り返してきている。ホワイトハウスのホームページのイラク関連ページには、「欺瞞の構造?サダム・フセインの情報工作とプロパガンダ 1990-2003年」と題されたセクションがあり、「イラク政府は近年、連合軍が使用した劣化ウラン弾が、イラク国内でのガンや先天性異常を引き起こす原因となってきたとの虚偽の主張を広めようとしている」、そして、国際的な反劣化ウラン弾キャンペーンも「プロパガンダ」に乗せられたものだとの主張が掲載されている。(日本語訳は、在日アメリカ大使館のホームページから取ったものである。より詳しくは、「ヒロシマ発―ホワイトハウスへの反論」、『劣化ウラン弾禁止を求めるヒロシマ・アピール』一二~一四頁参照) しかし、こうしたアメリカ政府の主張こそ、この上ない「欺瞞」をはらんでいる。昨年十二月のニュース(NHKニュース電子版)によれば、イラク暫定内閣のアッバス保健相は、米国を訪れた際、米軍が十二年前の湾岸戦争や今回のイラク戦争で使用した劣化ウラン弾について、「イラクの子供にがん患者が増えていることと関連があるのか調査すべきだ」と訴えている。フセイン独裁体制が倒れた後も、劣化ウラン弾被害についての訴えは、イラクから公式に発せられているのである。 さらに、次の、「米海軍は一九八四年にはDUの危険性を知っていた」という情報が意味するところは深甚である。(イギリスのCADU=劣化ウラン反対キャンペーンの『ニュースレター・二〇〇三年冬号』収録。訳文は、田中久美子:「劣化ウラン研究会」の訳に基づく)アメリカ兵士は、湾岸戦争後まで、劣化ウランの危険性について全く知らされていなかったのである。 「グレン・ミルナー氏(米国「非暴力行動のためのグランド・ゼロ・センター」)が情報公開法により入手した文書によって、米海軍はDU兵器の危険性やこの兵器の取扱い及び除染には特別な注意が必要であることを以前から認知していたことが分かった。一九九一年の湾岸戦争において、兵士はDU兵器の安全な取扱いに関する指導を受けておらず、それ以前の時点で作成されていたこの文書は、重要な証拠となる。文書はまた、DUの使用は健康に影響を及ぼさない、使用後の除染は必要ないという米軍の主張が嘘であることを暴露している。文書の3ページ目には、次のように書かれている: 8.粉末状DU(DU兵器は発射されるとその発火性から粉末状となる)を取扱う際や、DU弾が火事などの事故によって酸化した場合、DUエアロゾルや灰を吸ったり飲み込んだりして体内に取り込むと、体内被曝の恐れがある。 9.体液中に取り込まれた特定のDU成分は、その溶解性によっては、特に肝臓に対して毒性を持つ可能性がある。 10.事故の際やDUの腐食が発見された場合には、許可を受けた者によって除染処理が行われなければならない。 11.DU汚染の可能性がある物質に触れてしまった場合は、すぐに許可を受けた者の検査を受け、汚染の可能性のある衣服や手、武器、顔等被曝した部分すべてを石鹸と水で洗浄すること。完全に除染されるまでは、飲食、喫煙、化粧をしてはならない。この文書の全文は、以下のウェブサイトで見ることができる:www.gzcenter.org/NavyDU.htm」 同様の情報は、一九九五年に「AEPI=陸軍環境政策研究所」が作成した「劣化ウラン使用による健康・環境への影響」にも収録されている。また、同じ年、米国陸軍が、「劣化ウランの危険性」について兵士に教育するために作成していたトレーニング用ビデオも、インターネット上で暴露されている。(www.informationclearinghouse.info/article3582.htm) 抑圧されてきた劣化ウラン弾問題 劣化ウラン弾は、周知のように、第一次湾岸戦争後ほどなくして、「湾岸戦争症候群」の原因として論争を引き起こした。一九九六年以降、国連の人権小委員会において、劣化ウラン弾は、「兵士、市民のいずれに対しても大量無差別的被害をもたらす」、現存の国際人道法や人権法と「両立しがたい」非人道的兵器とみなす決議が三度にわたり採択されている。さらに、コソボ紛争後、ヨーロッパ兵士の間に「バルカン症候群」が発生し、二〇〇一年一月には、ヨーロッパ議会が、劣化ウラン弾禁止を求める決議を採択している。 それにもかかわらず、アメリカとイギリスの政府や軍部は、すでに見たように、劣化ウランの危険性をはっきりと認識していながらも、公式的には、劣化ウラン弾は安全だと言い立ててきたのだ。こうした主張の「科学的」根拠とされてきたのは、WHO(国際保健機構)などによる調査結果だが、最近、WHOの調査結果の「科学性・中立性」に関して、重大な疑念が投げかけられた。二月二二日付『サンデー・ヘラルド』(スコットランド)は、以下のように伝えている。(原文は、 www.sundayherald.com/40096 を参照。訳文は、吉田正弘:「アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局」) 「イラクでの劣化ウランによるガン発症の怖れに関する科学的研究を、WHOは“差し止めていた”」 ―放射線専門家たちは未公開報告の中において、湾岸戦争中に連合国によって使われた劣化ウラン兵器は長期にわたり健康障害を引き起こす危険ありと警告―環境問題編集者 ロブ・エドワード 米英の劣化ウラン兵器によってイラクの一般市民の健康が長期的に危険にさらされるだろうと警告する専門家の報告書が秘密にされていた。 優れた三人の放射線科学者によって行われたその研究は、放射能と化学毒性を持つ劣化ウランを含むチリを吸いこむと、子供も大人もガンにかかる可能性があると警告した。しかしその報告書は、主筆のケイス・ベイバーストック博士を上席放射線アドバイザーとして雇用しているWHOによって、公表を妨害された。WHOは否定しているが、博士は意図的に差し止められたと断言する。 ベイバーストック博士の研究は、今は『サンデー・ヘラルド』紙の手元に渡っているが、イラクの乾燥した気候では劣化ウランの微粒子は風で撒き散らされ、市民によってこの先何年にも渡って吸引されることを指摘している。体内に入れば、その放射線と毒性が悪性腫瘍の成長の引き金を引く可能性を警告している。…
国際キャンペーン
ご支援のお願い:ウラン兵器全面禁止に向けて
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—ICBUWの取り組み2007—(対日本政府/国連/ヨーロッパ議会など) 2006年12月18日 皆さま 今年も残すところ後わずかとなりました。お忙しい毎日をお送りのことと存じます。 今年はICBUW広島国際大会の成功のために、皆さんとともに全力で取組んできました。おかげさまで「ヒロシマから世界へ—届けよう“劣化ウランヒバクシャ”の声を!」という思いを実現できた大会となり、今後の運動の発展に向けた重要なステップとなりました。大会の報告論文集の作成は、年越しの「宿題」となりますが、翻訳と編集の作業に取り組んでいるところです。 *日本政府への「申し入れ(案)」への賛同のお願い* 「ICBUW広島アピール」でも確認された「ウラン兵器禁止」・「被害者支援・連帯」の思いを引き継ぎ、日本国内においても一層具体的に取り組んで行くため、下記のような「日本政府への申し入れ—ウラン兵器全面禁止と被害者支援・被害調査に向けて(案)」を提案させて頂きます。(すでに、11月「国際共同行動デー」に各地の集会などの取組みの中でも提案し、議論をお願いしているところです。) 「申し入れ(案)」の趣旨は、項目の前文に記してありますが、「ウラン兵器の全面禁止と、イラクなどの被害地域への医療支援と汚染・被害調査に向け、積極 的な役割を果たすべき」ということを、改めて真正面から日本政府に突きつけたいと思います。嘉手納基地をはじめ在日米軍基地でのウラン兵器の貯蔵問題など は、日本でのICBUWキャンペーンとしても取組まねばならない課題としてICBUW広島国際大会でも提起されました。現状では、これらの問題に関する日 本政府の態度を大幅に転換させることは決して容易なことではありません。しかし、新たな放射能汚染と被曝をもたらすウラン兵器の禁止を求めることは、「被 爆国日本」として当然なすべき国際的責務です。そして、それを求め続けることは、日本で禁止キャンペーンに取り組んでいる私たちの責任であると考えます。 全国各地で「ウラン兵器禁止」に取り組む皆さん、反核・平和、環境保護、人権擁護、被害者支援など、さまざまな活動に取り組む皆さん、ICBUW広島国際 大会にご協力・ご参加下さった多くの皆さんの力を結集して、日本政府に申し入れたいと思います。「申し入れ(案)」への賛同(団体・個人)を何卒よろしく お願い致します。また、皆さんの周囲でも賛同者を拡げて下さるよう、お願い致します。「申し入れ(案)」の内容や項目について、具体的なご意見なども寄せ て頂ければ幸いです。広く皆さんと議論する中で、運動を拡げ強めてゆきたいと思います。 日本政府への「申し入れ(案)」への賛同、及びご意見等は下記までご連絡下さい。 嘉指信雄/E-mail: info@nodu-hiroshima.org 森瀧春子/E-mail: haruko-m@f3.dion.ne.jp 振津かつみ/E-mail: du-ban-hibaku@theia.ocn.ne.jp 政府への申し入れに際しては、関係省庁との交渉、「国際署名」の提出、国会議員への働きかけなども行いたいと考えております。(具体的な日程は現時点で決められませんが、来春2—3月以降を目標に準備を進めたいと思います。) *世界各国で展開されているキャンペーン* すでにメーリングリストなどでいくつかご紹介しておりますように、広島大会に参加した人々、被害者、科学者・医師、ジャーナリスト、ICBUWメンバー は、世界各地で精力的に活動を展開しています。11月の「ウラン兵器禁止を求める国際共同行動デー」も、ベルギー、イギリス、イタリア、アメリカ、カナ ダ、日本など、世界各国で取り組まれました。最近の動きの中から、いくつか主だったものを挙げてみます。 (1) ICBUWは「国際共同行動デー」に際し、国連宛に、ウラン兵器禁止の意義とその実現に向けた戦略をまとめた「ICBUW-国連レポート2006」と「ICBUW広島アピール」を提出しました。 (2) ICBUWのリア・ベルヤウさんらがロビー活動を展開しているベルギーでは、ウラン兵器全面禁止を定める法案の審議のための公聴会が「国防委員会」で開催 されました(11月20日)。今回証言をした一人は、ヒロシマ大会にも参加した元WHO専門官のベイヴァーストック博士です。(なおベルギーは、1995 年、世界で初めて「対人地雷の製造、使用、輸出、移譲禁止法」を成立させ、続いて、EUが対人地雷禁止に向けて共同行動を決定することとなります。) (3) フィンランドでは、9月の「核戦争防止国際医師会議(IPPNW)世界大会」やフィンランド政府へのロビー活動に引き続き、国会質問(9月)、国会議員への働きかけ(12月8日)などが取組まれています。 (4) 中米のコスタリカでも、ICBUW創設メンバーのダマシオ・ロペスさんが、外相や国会議員と会談して「ウラン兵器禁止条約」への支持を求めるとともに、中 米の他の国々への働きかけも模索するなどのロビー活動を開始しました(11月)。ロペスさんは11月30日〜12月2日、米国アリゾナ州のナバホ自治区で 開催された「世界先住民ウラン・サミット」でもDU問題を報告し、ICBUWの評議会からの連帯のメッセージを届けました。 (5) ヨーロッパ議会では白燐弾などとともに、劣化ウラン兵器の使用停止を求める決議が改めて採択されました(11月6日)ヨーロッパ議会による劣化ウラン兵器使用停止決議は、これで四回目になります。 (6)…
国際キャンペーン
ご支援のお願い:ウラン兵器全面禁止に向けて
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—ICBUWの取り組み2007—(対日本政府/国連/ヨーロッパ議会など) 2006年12月18日 皆さま 今年も残すところ後わずかとなりました。お忙しい毎日をお送りのことと存じます。 今年はICBUW広島国際大会の成功のために、皆さんとともに全力で取組んできました。おかげさまで「ヒロシマから世界へ—届けよう“劣化ウランヒバクシャ”の声を!」という思いを実現できた大会となり、今後の運動の発展に向けた重要なステップとなりました。大会の報告論文集の作成は、年越しの「宿題」となりますが、翻訳と編集の作業に取り組んでいるところです。 *日本政府への「申し入れ(案)」への賛同のお願い* 「ICBUW広島アピール」でも確認された「ウラン兵器禁止」・「被害者支援・連帯」の思いを引き継ぎ、日本国内においても一層具体的に取り組んで行くため、下記のような「日本政府への申し入れ—ウラン兵器全面禁止と被害者支援・被害調査に向けて(案)」を提案させて頂きます。(すでに、11月「国際共同行動デー」に各地の集会などの取組みの中でも提案し、議論をお願いしているところです。) 「申し入れ(案)」の趣旨は、項目の前文に記してありますが、「ウラン兵器の全面禁止と、イラクなどの被害地域への医療支援と汚染・被害調査に向け、積極 的な役割を果たすべき」ということを、改めて真正面から日本政府に突きつけたいと思います。嘉手納基地をはじめ在日米軍基地でのウラン兵器の貯蔵問題など は、日本でのICBUWキャンペーンとしても取組まねばならない課題としてICBUW広島国際大会でも提起されました。現状では、これらの問題に関する日 本政府の態度を大幅に転換させることは決して容易なことではありません。しかし、新たな放射能汚染と被曝をもたらすウラン兵器の禁止を求めることは、「被 爆国日本」として当然なすべき国際的責務です。そして、それを求め続けることは、日本で禁止キャンペーンに取り組んでいる私たちの責任であると考えます。 全国各地で「ウラン兵器禁止」に取り組む皆さん、反核・平和、環境保護、人権擁護、被害者支援など、さまざまな活動に取り組む皆さん、ICBUW広島国際 大会にご協力・ご参加下さった多くの皆さんの力を結集して、日本政府に申し入れたいと思います。「申し入れ(案)」への賛同(団体・個人)を何卒よろしく お願い致します。また、皆さんの周囲でも賛同者を拡げて下さるよう、お願い致します。「申し入れ(案)」の内容や項目について、具体的なご意見なども寄せ て頂ければ幸いです。広く皆さんと議論する中で、運動を拡げ強めてゆきたいと思います。 日本政府への「申し入れ(案)」への賛同、及びご意見等は下記までご連絡下さい。 嘉指信雄/E-mail: info@nodu-hiroshima.org 森瀧春子/E-mail: haruko-m@f3.dion.ne.jp 振津かつみ/E-mail: du-ban-hibaku@theia.ocn.ne.jp 政府への申し入れに際しては、関係省庁との交渉、「国際署名」の提出、国会議員への働きかけなども行いたいと考えております。(具体的な日程は現時点で決められませんが、来春2—3月以降を目標に準備を進めたいと思います。) *世界各国で展開されているキャンペーン* すでにメーリングリストなどでいくつかご紹介しておりますように、広島大会に参加した人々、被害者、科学者・医師、ジャーナリスト、ICBUWメンバー は、世界各地で精力的に活動を展開しています。11月の「ウラン兵器禁止を求める国際共同行動デー」も、ベルギー、イギリス、イタリア、アメリカ、カナ ダ、日本など、世界各国で取り組まれました。最近の動きの中から、いくつか主だったものを挙げてみます。 (1) ICBUWは「国際共同行動デー」に際し、国連宛に、ウラン兵器禁止の意義とその実現に向けた戦略をまとめた「ICBUW-国連レポート2006」と「ICBUW広島アピール」を提出しました。 (2) ICBUWのリア・ベルヤウさんらがロビー活動を展開しているベルギーでは、ウラン兵器全面禁止を定める法案の審議のための公聴会が「国防委員会」で開催 されました(11月20日)。今回証言をした一人は、ヒロシマ大会にも参加した元WHO専門官のベイヴァーストック博士です。(なおベルギーは、1995 年、世界で初めて「対人地雷の製造、使用、輸出、移譲禁止法」を成立させ、続いて、EUが対人地雷禁止に向けて共同行動を決定することとなります。) (3) フィンランドでは、9月の「核戦争防止国際医師会議(IPPNW)世界大会」やフィンランド政府へのロビー活動に引き続き、国会質問(9月)、国会議員への働きかけ(12月8日)などが取組まれています。 (4) 中米のコスタリカでも、ICBUW創設メンバーのダマシオ・ロペスさんが、外相や国会議員と会談して「ウラン兵器禁止条約」への支持を求めるとともに、中 米の他の国々への働きかけも模索するなどのロビー活動を開始しました(11月)。ロペスさんは11月30日〜12月2日、米国アリゾナ州のナバホ自治区で 開催された「世界先住民ウラン・サミット」でもDU問題を報告し、ICBUWの評議会からの連帯のメッセージを届けました。…
出版物
ヒロシマ・アピール改訂版の中国新聞記事
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中国新聞地域ニュース 劣化ウラン冊子を改訂 ’06/11/20 劣化ウラン弾(DU)の禁止運動に取り組む市民団体「NO DUヒロシマ・プロジェクト」が、DUの危険性を指摘する小冊子「ヒロシマ・アピー ル」の改訂版を発行した。8月に広島市で開いた「NO DU国際大会」での議論や、イラク戦争の帰還米兵が起こした損害賠償請求訴訟の概要などを盛り込ん だ。A4判、68ページ。1000円(送料別)。同プロジェクト雨宮さん=電話090(7500)8687。 【写真説明】「NO DUヒロシマ・プロジェクト」が作成した小冊子「ヒロシマ・アピール」の改訂版
出版物
『ヒロシマ・アピール』改訂版刊行のお知らせ
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劣化ウラン兵器禁止を訴える『ヒロシマ・アピール』の改訂版を、2006年11月に刊行しました 『ヒロシマ・アピール』発行部数の推移 タイトル 発行部数 日付 日本語版初版 2,000部 2003/8/6 日本語版 第1次改訂版 5,000部 2003/9/6 英語版 3,000部 2003/8/6 日本語版 第2次改訂版 5,000部 2003/12/15 英語版 増刷 1,000部 2004/5/6 日本語版 第2次改訂版増刷 2,000部 2004/8/3 合計 17,000部 2004/8/3