ICBUWとして福山外務副大臣と面談(3/17)—劣化ウラン兵器の禁止及び被害者支援等を求める

2010年3月22日

皆様

3月17日に外務省で、福山哲郎外務副大臣と面会し、「劣化ウラン兵器の禁止及び被害者支援等を求める、日本政府への要請書」を、賛同団体・個人(3月17日時点で、33団体、261個人)のリストとともに、提出致しました。副大臣には、連日の国会での外交諸問題の審議で多忙を極めている中にもかかわらず、要請書の手渡しと趣旨説明のため、30分あまり面会を、急遽受け入れて頂くことができました。ICBUWとして外務副大臣と面会できたのは、今回が初めてのことです。「要請書」に賛同して下さった皆さん、どうもありがとうございました。

 私たち「ウラン兵器禁止を求める国際連合」(ICBUW)からは、運営委員として森瀧春子と振津かつみが「要請書」を提出しました。先日の「ウラン兵器禁止を考える議員勉強会」の事務局を担当して下さった阪口直人議員(民主党)、そして社民党からは福島みずほ議員・大臣秘書の上田恵子さん、服部良一議員秘書の市来ばん子さんが同席して下さいました。(服部議員も同席予定だったのですが、面会時間が直前になって変更になり、残念ながら同席して頂けませんでした。尚、服部議員は3月10日の外務委員会で、劣化ウラン兵器に関する質問もされています。)

 会談の冒頭、阪口議員から、2月5日に開かれた「第1回・劣化ウラン兵器禁止を考える議員勉強会」をふまえ、次のような明確な発言がありました——「これまで私は地雷やクラスター爆弾について取り組んできた。劣化ウラン兵器が使われ続ける中で、現実に問題が起きていることをふまえ、予防原則に基づいた対応が必要。ベルギーやコスタリカなど、禁止に取り組んでいる国もすでにある。日本政府としても、先日、岡田外務大臣がイラク戦争について検証する方向でゆきたいと、私の質問に対して答えて下さった。人権ということを日本の外交の基本にしてゆくべきだと考える。」

 振津、森瀧からは、ウラン兵器が「非人道的無差別殺傷兵器」であり、繰り返し使用されていることからも国際的禁止が急務であること、「被爆国」日本こそが同兵器の禁止にむけて国際的リーダーシップを発揮して取り組むべきであること、二度の国連総会決議等を経て、世界の国々の中にも禁止に向けた新たな動きが出始めていることなど説明しました。そして、政権交代を実現した新政権として、前政権とは違って積極的にウラン兵器禁止の課題に取り組むよう、強く要請しました。

 また、緊急の課題のひとつとして、今年秋の国連総会に向け、「劣化ウラン兵器の健康・環境影響」についての新たな見解を、夏前までに国連事務総長に提出するための作業に早急にとりかかるよう担当部署に指示を出すように求めました。さらに、要請項目にそって、被害調査と被害者支援、沖縄をはじめ在日米軍基地でのウラン兵器貯蔵の問題についても説明しました。

 福山外務副大臣は、30分という短時間の面会の中で、劣化ウラン兵器問題の現状と経緯について、様々な角度からの質問を私たちに積極的に投げかけられ、それに答える中で様々な関連事項について報告することができました。やりとりは、これまでのウラン兵器問題の経緯、日本の前政権の同問題に関する政策、国連決議での各国の投票結果、ウラン兵器所有・製造国の現状、素材である「劣化ウラン」の入手経路、核不拡散問題との関連、在日米軍基地での貯蔵の現状と前政権の対応、実際にウラン兵器が使用された地域での国際機関の調査の現状、等々にわたりました。

 最後に福山外務副大臣は、国連決議に日本政府も賛成票を投じていることをふまえ、それ以上の見解を日本政府として提出できるかどうかについて、担当部署に確認して検討すると述べました。

(福山外務副大臣には、関連の諸資料とあわせて、『ウラン兵器なき世界をめざして—ICBUWの挑戦』と「NO DUキャンペーン用・写真ハガキセット」を渡したところ、本は購入して下さいました。)

 今回の外務副大臣への要請書提出と会談をひとつの契機として、日本政府に対して、ウラン兵器禁止に向け具体的かつ積極的に取り組むよう、引続き強く求めてゆきたいと思います。特に秋の国連総会に向けては、夏までの取り組みが重要です。4月、5月と、政府/外務省、国会議員への働きかけも、適宜取り組みたいと思いますので、引続きどうぞご協力お願い致します。世界の運動と連帯し、日本の全国各地で、ウラン兵器禁止の声を強め、政府を動かしてゆきましょう。

 なお、特に今回の福山外務副大臣との面会の実現には、福島議員事務所秘書の上田恵子さんが、大変力を尽くして下さいました。この場を借りて御礼申し上げたいと思います。

「ウラン兵器禁止を求める国際連合」(ICBUW)運営委員:
嘉指信雄、森瀧春子、振津かつみ

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(合同出版、2008/第14回平和・協同ジャーナリスト基金奨励賞受賞)
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