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ピースリンクの湯浅です。
遅くなってしまいましたが、今日、声明を出しました。事件が報道される10時間前に、「おおすみ」が帰還し、抗議行動をしたばかりでしたので、まさか、抗議の直後に、このような事態がおこるとはという感じです。

 呉としては、10日の広島の行動に参加し、11日は、下記の行動をします。
  11日(日) 午後1時から2時
    呉駅前。 
   小泉は今井君ら3人を見殺しにするな!
   イラクに「非戦闘地域などない!
    直ちに自衛隊を撤退しろ!
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内閣総理大臣            2004年4月9日
 小泉純一郎様
外務大臣
 川口順子様
防衛庁長官
石破 茂様

    緊 急 声 明

拘束された3人の解放を最優先させ、 改めて自衛隊のイラクからの即時撤退を求める
        
 昨夜(4月8日)、3名の日本人がイラクの武装抵抗勢力に拘束され、イラクからの自衛隊の撤退を要求されています。非武装の市民を巻き込んでの脅迫とも言えるやり方には憤りを覚えますが、他方で、このような事態を招いた責任は、小泉政権にあることも明らかです。今回の事態は、自衛隊のイラク派兵の結果であり、自衛隊の派兵がなければ起き得ようのない出来事です。私たちは、この事態を受けて、何よりも民間人3人の生命と安全の確保を最優先した対応をとられるよう強く要請するものです。その上で、あらためて日本政府にたいして、自衛隊の即時撤退を強く求めます。昨日、輸送艦「おおすみ」がイラクへの車両や弾薬、物資の輸送作戦を終えて、母港である呉に帰還しましたが、私たちは、被爆地ヒロシマから戦地と言うべきイラクへの輸送作戦を行ったことに強く抗議し、現在も派兵されたままの陸上自衛隊を中心とした部隊のイラクからの即時撤退を求める要請書を出したばかりです。私たちは、「おおすみ」乗員に対して、スペインでの列車爆破事件のように「自衛隊の派兵が、市民の安全を守るどころか、危険にさらすだけではなかったのか」と問いかけ、自衛隊のイラクからの撤退を強く求めました。まさか、それから10時間もたたない内に、それを実証するような事件が起こるとは予想もつきませんでした。恐れていたことが現実になりました。
 福田官房長官は、「自衛隊は、あくまでも人道復興支援のために活動しているので、撤退に応じる必要はない」と強硬な姿勢を表明していますが、これは極めて無責任な態度と言わざるを得ません。日本政府が、自衛隊がやっていることは「人道復興支援である」とくり返し主張しても、イラクの人々から見れば、自衛隊は、米連合軍の一員として、米軍を応援していることは明らかです。実際に、自衛隊が派兵されるに際しては、クウエートの米軍施設で訓練を受けてからイラクに入っているとか、航空自衛隊は、連合軍の物資や兵士の輸送をしており、明らかに連合軍の一員として機能しています。日本政府が、「人道支援」と主張しているのは、事実の一面でしかなく、本質的には、イラクの人々が見ている方が正しい認識です。何よりも「人道支援」を掲げた自衛隊の作戦行動を継続せんがために、自国の民間人の生命をないがしろにすることのないよう強く求めます。人道復興支援のために、日本の民間人を見殺しにすることになれば、何のための「人道支援」かわかりません。
 また日本政府が「人道復興支援」と考えていても、日本がアメリカのイラク戦争を全面的に支持し、その占領を支援する限り、日本は、戦争犯罪を犯したアメリカの仲間なのであり、標的にならざるを得ません。その際、危険なのは自衛隊だけではありません。3月11日、スペインのマドリードでおきた、列車爆破事件をあげるまでもなく、いまや世界中の日本人が攻撃の目標となっているおそれがあります。自衛隊が直接的に攻撃を受けるよりも、周辺にいる民間人がターゲットになることは容易に予想されたことです。今回の拘束事件は、まさにその典型です。それが、少なくとも主観的には日本の自衛隊派兵に批判的で、イラクの人々の側にたっている市民が、人質になってしまったというのは、なんとも皮肉なことです。しかし、今それを嘆いていても仕方がありません。自衛隊がイラクに派兵されている限り、こうした事件は、いつおきてもおかしくありません。これは、終わりではなく、始まりです。
 一方、サマワでは、陸上自衛隊が移動中、地元住民から駐留に抗議する投石を受けていたことが7日わかりました。ここ数日、夜になると宿営地の近くで迫撃砲が何発も打ち込まれると言う事件も起きています。このため学校や道路の補修など宿営地外での活動を4日から中断しているそうです。自衛隊の選択肢は、「宿営地にこもるしかない」という状態が始まっているのです。これは、今回の人質事件とも独立した問題として発生しています。これだけでも、イラク特措法により、撤退する理由になり得ます。
 自衛隊の派兵はイラクの民衆の合意を得られていないことは誰の目にも明かなのです。今回の事件だけでなく、この間急速に拡がりを見せはじめた大衆的な反占領運動にはっきり見て取ることができます。政府が今すべきことは、主観的には人道支援であっても、イラクにおいて自衛隊が、イラクの人々からどう見られているのかを真摯に見つめ、自衛隊のイラク派兵の継続の正当性を再吟味するべきです。
自衛隊員の中には、イラク派兵が、「国民を守ることに寄与せず、逆に国民の危険性を高めることにしかならない」との強い疑問を持ったまま、イラクに派兵されていた隊員が相当数いるはずです。自衛官の生命と人権を軽んじただけでなく、結果として日本の市民全体をも危険にさらす派兵は即刻中止してください。スペインをはじめ、連合軍の多くの国が撤退を決めている中、今回の拘束事件を契機に、日本政府も勇気を持って撤退の方針を打ち出すべきであり、以下要請します。
 
 1)このような事態を引き起こした責任が、政府にあることを表明すること。
 2)人質となった3人の生命を全てに優先させて対応すること。
 3)全てのイラク派兵部隊を、一刻も早く撤退させること。
 4)ファルージャでのモスク攻撃などの事実関係についてアメリカ政府に説明を求め、ジュネーブ条約の遵守などを申し入れること。
 5)イラクからの米英占領軍の即時撤退を求めること。

 入れるな核艦船!飛ばすな核攻撃機! ピースリンク広島・呉・岩国(29団体)
   世話人  湯浅一郎、 藤井純子、 田村順玄
   連絡先:ピースリンク広島・呉・岩国  呉市幸町3−1 呉YWCA気付 呉21-2414