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経過報告


経過報告
今だ、日本政府は「国益」を重視して、自衛隊撤退に応じません。以下は高遠さんをよく知る、アラブの子どもと仲よくする会の西村陽子さんからの寄稿です。すでに彼女を含む3人の為に、多くの人が積極的な活動をしています。このような人望ある高遠さんを見殺しにして、「何が国益?」なんでしょうか?事態は切迫しています。繰り返し、自衛隊の即時撤退を求めます。そして、侵略戦争とそれに加担する日本政府に改めて、抗議します。

昨晩、MBSニュースへインタビューを流してもらう。また、アルジャジーラHPに写真を掲載してもらう。現地で動いてもらっているイラク人からは、イラク人声としての、誘拐犯に宛てたメッセージを寄稿してもらっています。高遠さんとも親交の深い彼らは、自らの危険をかえりみず、危険地区へ出向いて、有力部族長へ解放への働きかけをしてもらうように、動いています。本日はイラク国内新聞に働きかける。今、一番有効なのはメディアを通じて、高遠さんたちの活動の素晴らしさを伝えること。そして自衛隊にはっきりとNOを示していた彼女が、政治的な材料にされる理由はどこにもないこと。これを伝えることです。

日本政府へは自衛隊の即時撤退を訴え続ける。

なお、このメール、及びこれまでのメールは転載どんどんしてください。

石塚さんの個人情報サイト・・・このサイトをみて個人でも首相官邸、外務省、防衛庁などえ即時撤退を求めるメールも送り続けてください

http://iraqhc.jugem.cc/


アルジャジーラHPに写真を提供しています

http://www.aljazeera.net/news/arabic/2004/4/4-9-22.htm

アルジャジーラその2

http://english.aljazeera.net/NR/exeres/D2F8C568-2363-498B-B45D-2224282CEE90.htm

広河隆一氏HPへ写真と文を掲載
http://www.hiropress.net/contents/archive/information040409.html



アラブの子どもとなかよくする会の西村陽子です。
私は2003年の6月から約6ヶ月間、バグダッドで白血病の子ども達への医療支援を行ってきました。そのうちの3ヶ月以上の月日を高遠菜穂子さんと同じホテルで過ごし、ストリートチルドレンのケアでは一緒に汗も涙も流してきました。
 インドやカンボジアなどでのボランティア活動経験豊富な彼女は、人の死に幾たびも立会い、貧しさのどん底で這い回る人々とかかわる中で、彼らとごく自然に、喜びや幸せを分け合うすべのようなものを身につけているように感じました。どんな人の声がけにも明るい笑顔で応え、貧しい人の手の上にはイラク・ディナール札をさりげなくのせる、戦後の混乱したイラクで、言葉も文化も異なる人たちの中をすいすいと泳ぐように動き回る彼女の姿は印象的でした。
 バグダッドで活動を始めた彼女はパレスチナホテルの近くの路地で寝泊りしている少年達がシンナーを吸っていることに心を痛め、彼らをシンナーから引き離そうと奔走するようになりました。「私は彼らのお母さん役」と毎日のように衣類や食料を運び、怪我をしている少年や病気の少年を病院に連れて行きました。時には、自分より体格の大きい少年たちのけんかに体を張って止めに入り、涙を流しながら訴え、全身全霊で少年達に向かい合っていました。そして、「ハイダルがシンナーやめてすごくいい顔をしていた」「ムハンマドはほんとに優しいんだよ」とまさに我が子のことのようにその日の少年たちの様子を語っていました。
 また、「この少年達は悪魔だ。近寄るな。」と心ない言葉を浴びせる周囲のイラクの大人たちに「彼らも支援の手を必要としている。彼らに必要なのは愛情なんだ。」と説いてまわり、彼女の熱意は何人ものイラク人の心を動かしました。イラク人だけなく、同宿の日本人たちにも「愛が大事なんだ。」と語り、「武力では何も解決しない。武器を持った日本人が来てもイラクは平和にならない。」と武力に頼らない復興支援を訴えていました。それは、彼女の周りにいるイラク人たちの声でもありました。そして、その声を日本の人たちに伝えなければならないと少年達のケアをした帰り道、日没時刻を気にしながら、インターネットカフェに通いつめていました。
 「一人でもできることを」と地道にイラクの復興に向け、全てを注いで活動している高遠さんが不慮の事態に巻き込まれ、武装集団が日本政府に「自衛隊撤退」を要求するための人質となってしまったとは、全く皮肉なものです。「退避勧告が出ているのに、なぜ、危険の伴う陸路でイラクに向かったのか?自業自得だ。」確かにそのとおりかもしれません。しかし、なぜ、武装集団は彼女達を人質にとったのか?自衛隊に撤退してほしいからです。「イラクにこれ以上、兵士や武器はいらない」というイラクの人々の声を無視して、日本を含む各国が軍隊を送り込んだからです。50年以上戦争の恐怖を味わっていない日本人にイラクの人たちの武力に対する嫌悪の気持ちなどわかるはずがありません。さらに、米国の要請で日本が自衛隊をイラクに送っていることなど、イラク人はだれでも知っています。
 このように、平和的に、献身的に支援活動を行っている彼女が、復興支援の名のもとに米軍の占領に協力している自衛隊の犠牲になるなど、あまりにも理不尽すぎます。平和憲法をねじまげて、日本政府が行ってきたことの代償を彼女達の命で支払うことのないよう、日本政府の真摯な対応と自衛隊の迅速な撤退を望みます。                                                以上