HOME



自衛隊のイラク即時撤退を求める

 ブッシュ米国大統領による昨年5月1日の戦闘終結宣言の後も「イラクは戦争状態にあり、その全土が戦闘地域にある」状態が続いているが、さらに従来協力的であったとされるシーア派と米軍など占領軍との間でも戦闘行為がなされるようになった。また本年4月7日自衛隊宿営地直近に向けて迫撃砲が着弾し、同月8日日本人民間人3名が誘拐され、自衛隊即時撤退の要求がなされるに至った。当会は、誘拐という卑劣な犯罪行為に強い怒りを覚える。
 当会は、自衛隊派遣の根拠となるイラク特措法は、イラクにおける自衛隊の武力行使を容認するもので、他国領土における武力行使を禁じた日本国憲法に違反するものであること、イラク派兵は米英による国際法違反の侵攻に続く軍事占領に対する協力であり、「自衛隊等の対応措置は非戦闘地域において実施し、武力による威嚇または武力行使にあたるものであってはならない」とのイラク特措法の基本原則にも反することを指摘し、イラク派兵に反対してきた。
 これにもかかわらず、政府はサマワは戦闘地域ではないとして自衛隊を派遣したのであるが、派遣後、戦闘はさらに激しくなり、サマワも非戦闘地域とはいえないことがいっそう明らかになった。自衛隊が攻撃を受けて武力行使に至る危険性がますます高まったといわざるを得ない。
 当会は、日本政府に対して、テロに屈することなしに誘拐された3名の日本人を解放するためのあらゆる努力を尽くすとともに、日本国憲法及びイラク特措法の基本原則に反して派遣された自衛隊を即時撤退することを強く求めるものである。

  2004年4月9日
  
大阪弁護士会
 会 長  宮  ア   誠