四月のイラク日本人人質事件で武装グループに拘束された千歳市の高遠菜穂子さん（３４）は七日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で記者会見し、「イラクにはまた行くと思う。台所でやかんに火をかけたまま出てきたような状態だし、やり残したことがいっぱいある」と述べ、現地での支援活動再開にあらためて意欲を示した。

　会見で、高遠さんは、事件当時、日本各地から寄せられたカンパについて「イラクの復興に使いたい」と語り、戦闘で破壊された現地の学校再建に充てる考えを表明。

　当時、高遠さんらに対する批判としてわき起こった自己責任論については「自己責任は、私の中にも当たり前のようにあった言葉。何があっても文句を言わない、と。ただ、（批判は）自分の考えとは違う意味のような気がする」と述べた。

　高遠さんは八月末まで約一カ月間、イラクの隣国ヨルダンに滞在した。イラクの支援に取り組む友人らと再会し、現地のストリート・チルドレンに職業訓練などの支援を行うことも確認したという。

＜写真：日本外国特派員協会で記者会見する高遠菜穂子さん＝７日午後、東京・有楽町＞