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沖縄タイムズより
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http://www.okinawatimes.co.jp/spe/heri20040817_1.html#bottom
沖縄タイムズ<2004年8月17日 朝刊 1面>

http://www.okinawatimes.co.jp/spe/heri20040817_2.html
沖縄タイムズ<2004年8月17日 夕刊 7面> より

http://www.okinawatimes.co.jp/spe/heri20040825_1.html#1
沖縄タイムズ<2004年8月25日 朝刊 27面>

沖縄タイムズより
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8月17日朝刊、防護服を着て作業する米軍の姿が写っています。

8月17日夕刊の記述、
沖国大でヘリの機体撤去作業を再開した米軍は、ヘリの回転翼とみられる大型の部品をクレーンでつり上げ、大型トレーラーに積み込んだ。黒焦げの機体に薬剤をまいた後、マスクと黄色い防護服を来た作業員二人が残骸のなかで何かを探していた。マスク姿の米軍兵士数人が見守った。

8月25日朝刊の記述
沖縄国際大学の米軍ヘリ墜落現場で、独自に放射能を測定した沖縄平和市民連絡会の平良夏芽代表は二十四日午後、同大の事故対策本部に調査結果を報告した。
 調査結果によると、現場や周辺の放射能数値は自然界にある正常値の範囲内。しかし、現場から二、三メートル離れたフェンス沿いが〇・〇〇六―〇・〇一マイクロシーベルトの数値を示したのに対し、事故現場は〇・〇二五―〇・〇二九マイクロシーベルトと最大で約五倍の数値に達した。平良代表は「自然界ではこれだけの数値の違いは出ない。何らかの放射性物質がヘリに搭載されていた可能性が高く、その影響ではないか」と指摘した。
 劣化ウラン弾に詳しい琉球大学の矢ヶ崎克馬教授(物理学)は「報道などから、米軍側が放射能を調査したのは間違いない。彼らが懸念した放射性物質の実態―事故機の積み荷や兵器、機体のカウンターバランス―などを速やかに明らかにすべきだ」と、現場での調査結果をすぐに県民に公表すべきだとの認識を示した。また、仮に放射性物質が燃えた場合、住民の健康が危ぐされるとし、米軍の責任で健康診断する必要性を訴えた。
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沖縄タイムズ<2004年8月17日 朝刊 1面>

SACO見直し要求

きょう臨時会
「辺野古」再考も盛り込む
宜野湾市議会決議へ

墜落したヘリコプターの一部をクレーンでつり上げ、回収する米軍関係者。後ろはヘリが衝突した本館=16日午後4時45分ごろ、宜野湾市宜野湾・沖縄国際大学 墜落したヘリコプターの一部をクレーンでつり上げ、回収する米軍関係者。後ろはヘリが衝突した本館=16日午後4時45分ごろ、宜野湾市宜野湾・沖縄国際大学

 米海兵隊のCH53D大型輸送ヘリコプターが沖縄国際大学に墜落した事故で、宜野湾市議会の基地関係特別委員会(桃原功委員長、十人)は十六日夕、日米特別行動委員会(SACO)合意の見直しと、普天間飛行場の名護市辺野古沖移設計画の再考を求める抗議決議と意見書の提案を決めた。十七日午前十時開会の臨時議会で全会一致で可決、承認する見通しで、県内初となる。一方、県議会は同日、米軍基地関係特別委員会(伊波常洋委員長)で、日米両政府への抗議・意見書を協議したが、SACO合意の推進を前提とする与党側と、見直しを求める野党が対立、決裂した。十七日、再度委員会を開き、多数決で採択する。

 普天間飛行場を抱える宜野湾市議会が、名護市辺野古への移設に再考を求めることで、国、県が進める移設計画にも影響を及ぼしそうだ。

 同市議会の決議、意見書案では当初「辺野古移設の再考」の文言は同議会事務局が作成した文案の中になかった。同午前十時から始まった文言調整で、野党会派の21世紀クラブと清新会が「辺野古移設では、今後十六年間も墜落事故の危険にさらされる。地元の議会として辺野古移設の中止を盛り込むべきだ」と主張。これに、野党ねたての会や、与党の日本共産党、市民クラブが賛同した。

 野党の民政クラブと公明党は「慎重な検討が必要」として、同文言の削除を要求。協議は平行線をたどったが、最終的に「辺野古移設の中止」から「辺野古移設の再考」にすることで一致した。

 桃原委員長は「十六年かかる辺野古移設をそのまま認めれば、今後起こりうる事故も議会が承認することにつながる。事故の起きた地元として強くアピールできる内容の決議案になったと思う」と話した。


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沖縄タイムズ<2004年8月17日 夕刊 7面> より

書簡一枚 揺らぐ主権/米軍検証拒否
離任本部長悔しさ
市民、飛行再開にも憤り
ローター部分とみられる残骸を撤収する米兵ら=17日午前10時25分ごろ、宜野湾市・沖縄国際大学 ローター部分とみられる残骸を撤収する米兵ら=17日午前10時25分ごろ、宜野湾市・沖縄国際大学

 米軍ヘリが沖縄国際大学に墜落した事故から四日たった十七日午前、米軍は県警の検証要請に対して正式に「拒否」を回答した。悔しさをにじませる県警幹部。併せて、墜落機の同型機以外の飛行訓練を再開することも発表された。市民からは「米軍のやりたい放題は許せない」「ごう慢な米軍を追い出すことができないのが悔しい」など米軍に怒りの声が上がった。沖国大で同日午前八時ごろからヘリの残骸撤去作業が再開された。県警捜査員らはやはり、周辺で見守るだけだった。

 宜野湾署には同日午前七時五十五分、海兵隊法務部の法務補佐官が一人で来署。A4判の書簡を一枚、渡具知辰彦副署長に手渡した。補佐官は、上司から同日の朝一番に書簡を持っていくよう指示を受けたという。

 渡具知副署長は「法律に基づいて精いっぱい努力した結果だ。米軍も法律に基づいた権利を行使している。それについてどうこういう立場にない」と明言を避けた。

 もうすぐ離任する高橋清孝県警本部長は同日、検証同意してほしかったのでは、との記者の質問に「同意請求しているわけですから…。その辺は判断してほしい」。捜査に影響はないのか、との問いには「ないようにしたい」と述べた。

 しかし、県警幹部は「いくら協定で定められているとはいえ、米軍の感覚を疑う」と吐き捨てるように言った。文書で、米軍の捜査結果は日米合同委を通じて要請できるとしていることに「何をばかなことを。県警として捜査照会はできる」と不快感をあらわにした。

 宜野湾市議会の伊佐敏男議長は「民間地で起きた事故で、県警が捜査できないのはおかしい。抗議決議と意見書の要求事項に『日米地位協定の抜本的改定』がある。日米両政府に強く求めたい」とぶぜんとしていた。

 宜野湾市には同日午前十時すぎ、飛行再開を伝える正式文書が届いた。伊波洋一市長は「市民の不安が解消されないまま、飛行を再開するのは許されない」と怒り心頭。

 新垣哲司県議会副議長は「原因究明もなされない中での訓練再開は、法治国家であるわが国に対し言語道断の対応。日本の司法権が行使されることを求める」と述べた。

 全機種の飛行停止を求めてきた県の府本禮司知事公室長も「極めて受け入れがたい」と批判。「住民感情を考えるべきであり、知事が上京する際にも政府などに強く飛行停止を求めていきたい」との姿勢を示した。

 沖国大二年の前代千穂さん(20)は「県民が危険な目にあっているのだから、日本側が捜査して当然。大学を勝手に占拠して、県警が手を出せないまま機体を撤去するなんて、米軍のやりたい放題で許せない」。事故当日、構内で講義を受けていた同大三年の仲宗根雅美さんは(20)「大学の横に基地があるかぎり、いつ再び墜落するか分からない。訓練はやめてほしいが、米軍のやることは何も変わらない気がする」とやるせない様子。

 浦添市から現場を見に来た金城仁清さん(67)は「こんなにごう慢な米軍を日本から追い出すことができないのが悔しい。どうにか基地を撤去させたい」。作業を見つめていた近くに住む主婦の照屋文子さんも「米国に頭が上がらない日本が歯がゆい」と怒りをにじませた。

 沖国大正門前のレストラン店主田中健二さん(53)は「周辺住民に謝罪もなければ、説明もない。ばかにしている。次は民家に落ちて犠牲者が出るかもしれない。米軍の訓練を止めることができない日本政府にも腹が立つ」と憤った。

 沖国大でヘリの機体撤去作業を再開した米軍は、ヘリの回転翼とみられる大型の部品をクレーンでつり上げ、大型トレーラーに積み込んだ。黒焦げの機体に薬剤をまいた後、マスクと黄色い防護服を来た作業員二人が残骸のなかで何かを探していた。マスク姿の米軍兵士数人が見守った。

 十六日に伐採された木もほとんどがトラックに積み込まれ現場には十数本の切り株だけが残った。

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沖縄タイムズ<2004年8月25日 朝刊 27面>

8大学長、共同声明発表へ

「自治を侵害」
怒りの連携

 米軍ヘリが沖縄国際大学に墜落したことを受け、県内八つの大学学長が共同で抗議声明を出す準備を進めるなど、大学人らが連帯して抗議に立ち上がる動きを見せている。県内大学学長が共同声明を出すのは異例。教職員レベルでも連携を求める声が出ており、高良鉄美琉球大学法科大学院教授(憲法)は「『大学自治』の侵害は明らかで、沖国大だけの問題ではない。各大学の教職員、学生が共通認識を持って行動すべきだ」と呼び掛けている。

 抗議声明は沖国大と琉大が中心となり、各大に賛同を求めている。普天間基地の即時飛行停止、即時撤去を要求し、国家主権と大学自治の侵害に抗議する内容で調整。あて先は小泉純一郎総理とする。

 沖国大の大城健太郎広報課長は「基地被害は沖縄の大学の共通課題。大学の教育環境を守るため、協力して当たりたい」とその意義を強調する。

 沖大の桜井国俊学長は「抗議の声を上げなければ追認したことになる。人が死ななかったから今回は我慢します、というサインを沖縄から発信するのは許されない」と訴える。

 琉大教授職員会は事故のあった十三日付で、抗議声明を公表。同大の高良教授は「米軍が現場周辺の立ち入りを規制し、現場検証もされないまま事故機を撤収したことは、憲法に保障されている『大学の自治』の侵害に当たり、教職員や学生にとって由々しき問題」と怒り心頭。「米軍基地が存在する限り、再発する。学問の府の安全と秩序維持のため、県内大学の教職員と学生が共通認識を持ち、具体的な行動を起こす必要がある」と提言する。

 沖大と琉大で非常勤講師を務める秋山勝さんも「各大学と幅広い協力体制をつくりあげる必要がある。九月五日に沖国大で開かれる市民大会までには何らかのアクションを起こしたい」と話していた。

環境汚染で合同調査方針/沖国大・県米軍など

 米軍ヘリ墜落事故で、放射能や化学薬品による環境汚染が懸念されることから、沖国大と米海兵隊環境保全課、県文化環境部、民間会社の四者で合同調査を行うことが二十四日、明らかになった。沖国大によると、同日午後、海兵隊から合同調査の申し入れがあったという。二十六日午前十時から、同大で調査に向けた事前打ち合わせ会議を開く。

現場放射能周辺の5倍/平和連絡会調査
正常値内

 沖縄国際大学の米軍ヘリ墜落現場で、独自に放射能を測定した沖縄平和市民連絡会の平良夏芽代表は二十四日午後、同大の事故対策本部に調査結果を報告した。

 調査結果によると、現場や周辺の放射能数値は自然界にある正常値の範囲内。しかし、現場から二、三メートル離れたフェンス沿いが〇・〇〇六―〇・〇一マイクロシーベルトの数値を示したのに対し、事故現場は〇・〇二五―〇・〇二九マイクロシーベルトと最大で約五倍の数値に達した。平良代表は「自然界ではこれだけの数値の違いは出ない。何らかの放射性物質がヘリに搭載されていた可能性が高く、その影響ではないか」と指摘した。

 劣化ウラン弾に詳しい琉球大学の矢ヶ崎克馬教授(物理学)は「報道などから、米軍側が放射能を調査したのは間違いない。彼らが懸念した放射性物質の実態―事故機の積み荷や兵器、機体のカウンターバランス―などを速やかに明らかにすべきだ」と、現場での調査結果をすぐに県民に公表すべきだとの認識を示した。また、仮に放射性物質が燃えた場合、住民の健康が危ぐされるとし、米軍の責任で健康診断する必要性を訴えた。

矛盾の連鎖


市民広場の閉鎖解
除米軍、宜野湾市に伝達

 普天間飛行場の提供施設内で、宜野湾市が駐車場として使うことが認められている空き地(市民広場)が閉鎖されている問題で、在沖米海兵隊外交政策部(G5)は二十四日夕、市基地政策部に「ゲートの開閉を通常通りに戻す」と伝えた。二十一日から三日間の閉鎖の理由については明らかにしていない。

 米軍は、二十四日午前の段階で、「本日、午前九時から午後四時まで開門し、あすからは閉門する」と市に伝えていた。職員は門前に立ち、利用者に「四時に閉まるので、それまでに車を出すように」と呼び掛けていた。

 午後四時、米軍憲兵隊(MP)が鍵を掛けるためにゲートに到着。しかし、マスコミのカメラが待ち構えていたためか、そのまま引き返した。一時間半後、G5から市に「通常に戻す」ことが伝えられた。伊波洋一市長も同日、在日米軍沖縄地域調整事務所のジェリー・ターンボゥ所長や在沖米国領事館のトーマス・ライク総領事に「閉鎖の理由を説明してほしい」と要望。両氏とも「G5から市に連絡させる」とだけ答えたという。

コープおきなわきょうパネル展/牧港店2階

 コープおきなわの平和活動グループらで構成する「ピースバルーン」は、基地を抱える沖縄の現状をあらためて知ってもらおうと、「沖国大米軍ヘリ墜落事故と宮森小ジェット機墜落事故パネル展」を二十五日、浦添市のコープ牧港二階で開催する。ヘリ墜落事故直後に現場に駆けつけた職員の新保拓さん(46)が撮影した写真十六枚を中心に、事故を報道する新聞などと組み合わせたパネルを作製。四十五年前の石川市立宮森小での米軍ジェット機墜落事故を紹介するパネルと併せて展示する。

 また、コープおきなわ(新里恵二理事長)は二十四日、米軍ヘリ墜落事故に対する抗議・要請文を決議した。