データ示さず「微量放射性物質」 米軍説明に大学不満
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米軍、沖国大、宜野湾市など5者が出席して、米軍ヘリ墜落現場の環境調査について話し合った=2日午後、沖国大 |
米軍ヘリ沖国大墜落事故で、米軍、沖国大、県などによる墜落現場の環境調査に関する協議会が2日午後、沖国大で開かれた。協議の中で、在沖海兵隊環境保全課は「(ヘリの器具の中に)ベータ波を出す、微量の低濃度の放射性物質があった」と話し、初めて放射性物質などについて言及したものの、具体的データは示さなかった。大学側は「データを示さないままの説明は納得できない。米軍側の情報がすべて開示されなければ安全性を判断できない」と情報公開の不足を批判した。宜野湾市も「ローターが落ちた場所で環境調査を実施するべきだ」と訴えた。
協議会では、米軍、沖国大、県、那覇防衛施設局、宜野湾市の五者による合同の環境調査を実施することを決めた。3日から各機関の代表が具体的な作業内容について話し合う。
同環境保全課のジョセフ・ボーゲル課長によると、放射性物質は、ヘリにつく氷の厚さを計る機具で「一般の旅客機にも使われている」という。放射性物質の種類は特定しなかった。「劣化ウランは使用していない」と話し、大学が懸念していたヘリのバランスを取るための器具は放射性物質でなく、武器も搭載していないことを説明した。一方で「専門家でない」として、それ以外の放射性物質については明言を避けた。
放射性物質による汚染については「過去の航空機事故から、少量の放射性物質が燃焼した場合、ほとんど自然界に散ってしまい、自然界に存在するものと変わりない」と述べるにとどまった。
同課長は「予想される汚染はジェット燃料と潤滑油だ」と説明。また、米軍が持ち帰った土壌について、同課長は「現在、土の中から破片などを除去する作業をしている」
と話した。作業が終了し次第、民間の調査所で土壌調査を実施すると同時に、大学側にも土壌を提供する考えを示した。
米軍側の対応について、伊波洋一宜野湾市長は「本当に放射性物質があるなら、それがどの程度でどういう影響を与えるか米軍は明確にするべきだ」と指摘した。
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