Italy: Justice for a veteran's family in DU related case
Posted on 07 July 2004 by ICBUW
<帰還兵士の遺族へ正義の判決>
フランチェスコ・イアンヌツェッリ/ピース・リンク
ローマの裁判所が命ずる?劣化ウラン汚染地域への度重なる派兵の後に悪性血管腫瘍で亡くなった兵士の遺族に対し、イタリアの国防省は賠償すべし。判決は、メローネ氏の死は、バルカン派遣中に「放射性・発ガン性物質に曝されたことによる」と認めた。
ステファノ・メローネは1997年に初めてイタリア軍の軍務に就いた。長年にわたって彼は国外駐留任務に配属されてきた。レバノン、アルバニア、ソマリア、旧ユーゴスラビア、コソボなどへ派遣された。彼はヘリコプターの操縦士であったが、核・生物・化学部隊にも配属された。2000年の2月、突然、彼は癌(骨・肺・胸膜の悪性上皮性血管内膜腫)の診断を受け、放射性物質と発ガン性物質への曝露がその原因とされた。2000年8月、軍事委員会は彼の病気と国外部隊での軍務との関連を認めたので、彼は年金の申請を行った。しかしながら、何度も手術を繰り返した後、彼は2001年11月8日にミラノで亡くなった。40歳であった。
その後、彼の妻は、同じような状況に置かれている兵士やその家族とともに、防衛庁から補償を勝ち取るため闘ってきた。ステファノは、亡くなる前に、繰り返し襲ってくる激痛に耐えながら、自分達の子供達や他の全ての家族の未来が保護されるようにと、妻に対し、補償を求める闘いを続けてくれるようにと頼んだのである。
今日まで、国外派兵の後に、25人のイタリア兵がリンパ腫、癌、白血病などで亡くなっている。そして現在260人が病気にかかり苦しんでいる。これらの多くは、ボスニア、コソボ、イラク、アフガニスタンなど、劣化ウランが使用された国々への派兵である。
これまでに間違いだらけの3つの報告が出されたが、国防省指名のに委員会は、バルカンへ派遣された兵士の間でリンパ腫が増えていることをついに認めた。
それにもかかわらず、イタリアの国防省は、劣化ウランがこれらの症例になんらかの影響を及ぼしたことを認めないことは言うまでもなく、その遺族に対する補償を拒否しているのである。国外派遣されている兵士達が、自分達が直面している危険性について知らされることは今もほとんどなく、情報不足に対して文句を言おうものなら反逆者と見なされ除け者にされてしまう。このような健康障害に対する検査や治療はとても高い費用がかかり、受けるのが難しい。病気になったり亡くなったりしても、補償を求めて立ち上がることのできる勇気ある兵士や遺族はほんのわずかである。
ステファノの妻、パオラ・メローネは、この数年間、非常に熱心に活動をしてきた。そして、とうとう勝利したのだ。6月26日、ローマの地方裁判所での判決は、国防省がステファノの家族に対して50万ユーロの補償を支払うように求めた。
この数年間、自らの権利を求めて闘い続けてきた家族にとり、これは大きな成果である。帰還兵士協会、平和諸団体、そして数人の国会議員が、この判決は軍部によってもたらされた劣化ウラン問題の暗部に正義の光をあてるものであるとして、評価するコメントを出した。
判決文の詳細は間もなく発表される。そうすれば、判決の理由や、イタリア国防省に対して帰還兵や遺族が訴えているいくつかの係争中の案件への影響などもより明らかになるだろう。