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三次ブロック平和学習会

劣化ウラン(DU)弾とイラク派兵・憲法問題
佐藤周一


1 (劣化)ウラン(DU)弾とは?
 ■核のゴミのリサイクル先
 原発や核兵器用にウランを濃縮する過程で発生。

■「優秀」な兵器

 湾岸戦争で「実証」。(戦車の墓場)
 硬い合金→戦車の装甲を破壊(防具としても優秀)。
 高温になり炸裂し,人間を焼き尽くしてしまう。
 コソボ(1999)やアフガン(2001−)、第二次湾岸戦争(イラク戦争)で使用
 (イラク戦争ではバグダッドなど都市部でも大量使用)

■   多くの企業や国が製造や販売に関与http://www.h2.dion.ne.jp/~hiroseto/ECO/KEIZAI/20040609.html#c

■DUの危険性
 エアロゾル状になり拡散,吸引
 α線による内部被曝の危険性―――外部被曝とは質が異なる危険性
 透過力が弱いがゆえの危険性(⇔WHOなどの危険性過小評価)
 体内に取りこまれた粒子が永久に放射線を出しつづける。
 世代を超えた汚染の危険性。「静かな民族虐殺」。
 45億年の半減期―――半永久的な環境汚染
 →ジュネーブ条約第一追加議定書にも違反
 イラクにおけるガンやこどもの白血病の急増
 年月が経ってからも発症者が急増傾向(ヒロシマとの違い)
 湾岸戦争での多国籍軍参加者やバルカンでのNATO軍に謎の病気
 (湾岸戦争症候群、バルカン症候群)
 イラク戦争でも米兵が被曝
 http://www.jca.apc.org/stopUSwar/DU/no_du_report18.htm

 米英当局は関連を否定している⇔一方で英軍当局は兵士に危険性を知らせるカードを配布。

 英・伊で、DU被害の兵士や遺族が年金や賠償を求めて提訴し、勝訴
http://www.bandepleteduranium.org/modules.php?name=News&file=article&sid=130
 DU汚染の屑鉄が外国へ流出(旧占領軍が認めている)
http://www.nodu-hiroshima.org/news14.htm
米軍が屑鉄で即席の鎧で防備を固める
http://www.nodu-hiroshima.org/news19.htm
DUは核戦争への「トロイの木馬」
 

■DU禁止運動


2003年 3・2「NO WAR NO DU」の人文字(広島)
   3月 イラク戦争開始
   6月―7月 ヒロシマから調査団
  10月 「ウラン兵器禁止のための国際連合」(ICBUW)発足
2004年  5月 ブリュッセルで会合、ウラン兵器禁止と被害者救援を求める国際キャンペーン開始へ


2.イラク派兵とその問題点

■    イラク攻撃の背景

 アメリカの戦略の変化――――冷戦対応から「どこでも、すぐに」
 ブッシュ政権(2001−)下では「予防的先制攻撃」戦略(核使用も含む)。
 国家安全保障戦略(2002年9月)
 ○「市場経済」と「民主主義」の押し付け(アメリカ大手企業の利益)。
 ○ドル体制の維持。
 ○石油利権の確保(9.11事件→アフガンからイラクへ)
 ○「ブッシュ政権と軍産複合体」
http://www.jca.apc.org/stopUSwar/Bushwar/pamphlet_bush_and_mic.htm
 ○「戦争の民営化」 戦争→占領→復興が全て「ビジネス」。
 「ブッシュのための公共事業」
■   イラク戦争の経過
 「大量破壊兵器廃棄」「イラクの解放」呼号
 国際世論の反対多数の中で強行
 一方的破壊(イラクは弱体化。「開戦」前から空爆続く)。
 2003年の5月1日の「戦闘終結宣言」以降,むしろ激化。
 米軍による空爆・虐殺(ファルージャなど)
 相次ぐ自爆攻撃
 6月28日 緊急の「主権移譲」
■日本の「海外派兵」拡大の経過
 1991年 湾岸戦争「国際貢献」論高まる→1992年PKO法成立。
 日米安保の変質と派兵の拡大
 日米安保共同宣言(1996)
 新ガイドライン(1997)
 周辺事態法(1999)
 9.11事件→アメリカのアフガン攻撃
 テロ対策特別措置法・自衛隊法「改正」・海上保安庁法「改正」(2001)
 イラク攻撃支持,有事関連3法案,イラク「復興」支援特別措置法(2003)
 有事関連7法案(2004)。
 #2004年2月14日、ついに、呉から「おおすみ」出港。
 被爆県が「事実上の核戦争」の加害者の側に
 http://www.d6.dion.ne.jp/~knaruaki/oosumi.html#satoh
  
□   イラク占領と派兵の問題点・論点
■    アメリカの占領統治の破綻
 急遽前倒しの「主権」移譲。一方で、2万5千人5旅団の「増派」。
 復興の民間への丸投げ。遅滞。不明朗会計。
http://www.h2.dion.ne.jp/~hiroseto/HIROSHIMA/PEACE/NOWAR/NODU/20billion.html

虐待などの人権侵害。事実上の略奪。「復興」も一部大手企業の独占。
7割とも6割とも言われる失業率(パレスチナ化)
「民主主義」呼号しながら,相手を「人間」とみなしていない。

■   アメリカの孤立化の中での派兵強行
大量破壊兵器は見つからず…ブッシュ支持率の急落。
相次ぐ撤退…スペイン,ホンジュラス,ニカラグア,フィリピン
過去最悪の財政赤字・貿易赤字のアメリカ
突出してアメリカの戦争戦略を支える日本⇔巨額の為替介入(ドル買支え)

■   撤退求めるイラクの世論

■   アメリカのご都合主義(誰が「テロリスト」か?)
http://www.nodu-hiroshima.org/news17.htm

アメリカはパキスタンをNATO以外の主要な同盟国に指名
「方便」の大量破壊兵器 ツワイサでの核物質流出
「テロ」を増やす「テロとの戦い」

■    違法な先制攻撃の戦争への参加(現状でも、武装米兵の輸送)。
 多国籍軍=「中立」ではない(米英軍は紛争当事者)
 政府の従来見解(1992年)でも、多国籍軍への参加は不可。
 イラク全土が「戦闘地域」(サマワ以外では反発が強い。)

■    人道支援はNGOが効率的。(自衛隊派遣には300億円予備費)
 サマワ周辺の給水はフランスのNGOが最大手(日本が資金提供)
 NGO 六万人    600―700トン  3900万円+イラク人雇用
 自衛隊 1万6千人 80トン       403億円

■日本人を危険にさらす(4月の日本人拘束事件)。「国益」損なう。

■    自衛隊員への危険

 DUで被曝の恐れ(サマワにいた米憲兵隊員が不調を訴え、DUが検出され,蘭軍もDU発見。)。線量計を携行させているが。
 蘭軍が来年3月で撤退方針=「警備」不在

■憲法・イラク「復興支援」特別措置法にも違反
 ただし,9条の存在が一定のタガ

3.わたしたちはどうすればよいか?

■  いまこそヒロシマの心・平和憲法・・被爆60周年を前に
 「ノーモア・ヒロシマ・ナガサキ」⇔”Remember Pearl Harbor”
 イラク占領泥沼化が示すもの
 加害者にならないことと被害者にならないこと・・9条の価値
 (低空飛行訓練,厚木基地移転,沖縄,NLP問題。)

 核戦争も辞さないブッシュ⇔軍縮・核廃絶を求める世論
 例:全米市長会議「核兵器廃絶のための緊急行動」緊急行動支持
  …アメリカ世論喚起の重要性
http://www.pcf.city.hiroshima.jp/mayors/jp/index.html(平和都市市長会議)

 「国益」も守るNGOによる国際貢献。「民衆の安全保障」。
 想像力:一方でイラクの人も「同じ人間」。日常生活がある。

■核絶対否定と世界中のヒバクシャの救援(DU,核実験,原発…・)
 核被害の過小評価を許さない→核廃絶への道
■   「法による支配」を取り戻そう・・日米政府の暴走に歯止め
 日本自身の戦後責任問題/イラク派兵差止訴訟/「民衆法廷」運動
■    幅広い運動―――誰でもできる反戦・反核運動

参考URL
http://www3.ocn.ne.jp/~gensui/ 広島県原水禁
http://www.nodu-hiroshima.org/ NODUヒロシマプロジェクト
http://www.d6.dion.ne.jp/~knaruaki/plindex.htm ピースリンク広島・呉・岩国
http://www.cadu-jp.org/ 劣化ウラン廃絶キャンペーン
http://www.bandepleteduranium.org ICBUW=「ウラン兵器禁止国際連合」
http://www.morizumi-pj.com/ 森住卓さんホームページ
http://www.ne.jp/asahi/n/toyoda/ 豊田直巳さんホームページ


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中国新聞 2003年8月7日(木)

報復の連鎖、ヒロシマに共感 中東から連帯訴え'03/8/7

 ▽イラク人医師「劣化ウラン弾悲惨」

 被爆地が祈りに包まれた六日、イラク、イスラエルとパレスチナの人たち、そして米国に住む被爆者が、ヒロシマにいた。一昨年九月十一日の米中枢同時テロ以降、アフガニスタン空爆、イラク戦争と、「報復」の連鎖が続く。その舞台にいる人たちは、立場は違っても、同じ「ヒロシマ」を受け止め、平和への願いを語った。

 母国もヒバク地だ―。湾岸戦争やイラク戦争で使われた劣化ウラン弾の被害を訴えるため、来日したイラクの医師二人。初参列した平和記念式典は「病に苦しむ子どもらの顔が浮かんで」つらかった。いまだ戦禍が続く地で「放射能兵器」と呼ばれる劣化ウラン弾に立ち向かう。救えなかった命を原爆犠牲者に重ね合わせ、平和を願う。

 イラク南部の都市バスラの医師ジャワッド・アル・アリさん(59)とジョナン・カリブ・ハッサンさん(47)。バスラは一九九一年の湾岸戦争で主戦場となった。今回のイラク戦争も含め劣化ウラン弾が大量に使われた。

 午前八時十五分、黙とう。「罪のない多くの女性や子ども、老人を殺し、自然を破壊し、何十億年もぬぐえぬ放射能汚染をもたらしました」。耳を傾けた平和宣言に、二人は「戦争で死んだ友人や、病に苦しむ患者らを思い出した」と声を落とした。

 治安は今も、悪化の一途をたどる。途絶えがちな水や電気、不十分な設備や薬でしか対応できぬ中、患者は増え続ける。二人は、その原因を劣化ウラン弾とみる。バスラで十万人当たりのがん患者数は、湾岸前の八八年の十一人に対し、九八年は七十五人、二〇〇一年は百十五人。増え続けている、と言う。

 「米国の罪で、なぜイラクの子どもたちが罰を受けるのか」と、ハッサンさんは訴えた。

 原爆資料館。劣化ウラン弾禁止(NO DU)ヒロシマ・プロジェクトの森滝春子世話人から説明を受けた二人は、廃虚となった広島の復興過程を紹介するコーナーを食い入るように見つめた。「いつか広島のように再建できるはずだ」。厳しかった表情が一瞬、和らいだ。

 戦争と放射能で傷ついたイラクとヒロシマ。アリさんは言う。「ヒロシマは、世界の人々の痛みを分かち合う存在。超大国による破壊を食い止めるための行動を呼び掛けてほしい」

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92%が「占領軍」、「連合軍」が撤退すれば安全が55%

 【ワシントン=AFP・時事】イラクの連合国暫定当局(CPA)が五月に行った世論調査で、イラク人の92%が米主導の連合軍を「占領軍」と見なし、連合軍が撤退した方が安全になると考えている人も過半数に上ることが分かった。

 調査は米兵による刑務所収容者の虐待問題が表面化した後の五月十四日から二十三日にかけて、イラク人千九十七人を対象に実施された。

 それによると、連合軍を「平和維持軍」とみているとの回答はわずか3%で、「解放軍」と考えているのも2%にすぎなかった。

 連合軍が即時撤退すれば安全になると感じている人は55%で、そうならないとの回答の32%を大きく上回った。

 

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「専守防衛」様変わり 自衛隊あす発足50年

'04/6/30

 自衛隊は七月一日、発足から五十年となる。二〇〇一年九月の米中枢同時テロを機に日米同盟強化の動きが強まり、アラビア海での給油活動など対米支援を軸とした海外展開が日常化。中国地方の各基地でも海外へと向かう隊員たちが目立つ。「専守防衛」で出発した自衛隊は、半世紀で大きく様変わりしている。

 イラク復興支援特別措置法で派遣された陸上、航空自衛隊は二十八日のイラク暫定政府への主権移譲に伴い「多国籍軍」の一員となった。小泉純一郎首相は、歴代政権が憲法で禁じられているとしてきた集団的自衛権の行使を認めるための憲法改正に言及している。

 中国地方では二十九日、海上自衛隊呉基地(呉市)にアラビア海から帰港した護衛艦「さみだれ」の乗組員を、幹部が「海上武人としての真価がわが国だけでなく、国際社会にも広く認識された」とねぎらった。七月一日、同基地では呉地方隊創設五十周年記念式典がある。

 昨年、国連平和維持活動(PKO)で東ティモールに派遣された陸上自衛隊第一三旅団。広島県海田町に司令部があり、中国地方各地に駐屯地を抱える同旅団は、陸自のイラク駐留が長期化すれば来年にも「多国籍軍」に加わる可能性がある。

 奈良暁旅団長は「先輩たちは災害派遣など地道な活動を通じて国民の理解を進めてきた。広大な海岸線を有する中国地方の防衛体制をさらに強化しなければならない」と半世紀を振り返る。同時に、多国籍軍への参加については「国際社会の平和の安定に寄与することが大事だ」と強調する。

 岩国市の岩国基地では、アフガニスタン空爆にも参加した米海兵隊に、海上自衛隊が同居する。第三一航空群司令の松岡貞義海将補は自衛隊五十年に当たり、「多様化する任務に即応できるよう、訓練に励み、国民の負託に応えられるよう精進してまいりたい」とのコメントを出した。

 ■「さみだれ」海自呉帰港

 テロ対策特別措置法に基づき、アラビア海で米英軍などを支援した海上自衛隊の護衛艦「さみだれ」(四、五五〇トン)が二十九日、母港の呉基地(呉市)に帰港した。二月十五日の出港以来、百三十五日ぶり。

 Eバースでは、家族や関係者約三百人が出迎えた。式典で乗組員百六十四人を代表して、艦長の川波辰男二佐(46)が「八カ国三十九隻の艦船に補給活動をした。皆さんの支援のおかげで、全員元気に帰国できた」とあいさつした。

 「さみだれ」は、二〇〇二年九月からの百九日間に次ぐ二回目の派遣だった。一緒に活動した舞鶴基地(京都府)のイージス護衛艦「みょうこう」(七、二五〇トン)も同日に帰港した。

 アラビア海に派遣しているのは、呉基地の補給艦「とわだ」(八、一〇〇トン)など三隻となった。

【写真説明】海自隊呉基地に帰港した護衛艦「さみだれ」(撮影・小笠喜徳)

 

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フィリピン部隊の撤退完了 メディア、米豪の批判に反論 (朝日新聞)

 

 イラクのフィリピン人労働者の人質事件をめぐり、フィリピン部隊のイラクからの全面撤退が19日に完了した。武装集団の要求に応じる形で早期撤退を決めた比政府の対応に、米国やオーストラリアから批判が出た。これに対しフィリピン国内では政府の決定に賛同する声が強く、フィリピンを代表するコラムニスト2人がこの日、米国などの批判に反論するコラムを執筆した。

 

 アマンド・ドロニラ氏は19日、有力英字紙「インクワイアラー」の1面に「誤った論理に基づく米国、オーストラリアの非難」と題した分析記事を載せ、アロヨ大統領の決断を擁護した。

 

 同氏は「51人という規模は微々たるもので、撤退の影響は象徴的なものにすぎない」と分析。要求に応じればテロの続発を呼ぶという懸念については、「フィリピン人海外労働者へのテロは、部隊のイラク駐留に関係なく起こり得る」と応酬。逆に「サダム・フセインが大量破壊兵器を持つという間違った米国の主張から始まった戦争に我々は引き込まれた」と戦争の大義について疑問をつきつけた。

 

 さらに「人質が犠牲になれば海外出稼ぎ者800万人を保護すべき政府への信頼が崩壊する」としたうえで「イラク占領に関する我が国の国益は、米国などとは異なる。我が国の事情が他国の国益より大事だということだ」と論じた。

 

 テオドロ・ベニグノ氏も有力英字紙「スター」で「今回のドラマはフィリピンに大失敗をただす機会を与えてくれた。米国のイラク侵略はとんでもない過ちであることが証明された。私たちは参加すべきでなかった」と書いた。さらに、中東の出稼ぎ労働者を守ることが国益で「アロヨ大統領は、最も厳しい試練を乗り越えた」と締めくくった。

 

 19日朝には、クウェートを16日に出国した部隊11人のうち、パルパラン司令官が民間機でマニラに到着した。司令官は「(任務を)うまく遂行した」と語った。残りの10人も近く帰国する予定だ。 (07/19 23:05)

 

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米大統領の支持率低下、イラク戦争反対が過半数に=ABC/Wポスト(6月21日)

 [ニューヨーク 21日 ロイター] 米ABCニュースとワシントン・ポスト紙が21日発表した世論調査によると、ブッシュ大統領のテロとの戦いに対する支持率が50%と、前回調査時よりも8ポイント低下した。イラク戦争後に付けた同支持率のピークと比べると29ポイントの大幅低下となる。

ABCは、インターネットのウェブサイトで「ブッシュ大統領がかつて最も強いとされていた分野で弱ってきている」と指摘した。

調査は6月17─20日、成人1201人を対象に実施された。同時多発テロについての特別調査委員会が、米政府の対応の不備があった点を追求し、イラクとアルカイダ過激派組織に密接な結びつきがあったとする政府の主張に疑問を投げかけた後のタイミングだった。

 

今回の調査では、イラク戦争に戦う価値はなかったとする回答が52%に上った。この回答が半数を超えるのは初めて。10人中7人は、イラクでの米国人の犠牲を「容認できない」と答えた。

ブッシュ大統領の職務全般についての支持率は47%で、不支持は51%に上った。支持率が50%を割り込んだのは、2001年12月以来で初めて。支持率が50%を下回ると、大統領選での再選が危険領域に入った兆候と考えられている。(ロイター)

[6月22日11時56分更新]

 

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戦争決定前から出来上がっていた「復興プラン」(平和フォーラムHP)

http://www.peace-forum.com/news2004/jun.html

日本がイラク派兵した理由は大きく分けると@日米同盟──北朝鮮問題。Aイラクへの経済的進出──石油の確保。の2点でしょう。@についてはどこの国でも自国の利益に反して動くことはありません。そもそも米軍基地が日本にあり、良くも悪くも軍事的にも、経済的にも深く結びついています。Aについては経済界にとっては結構深刻かもしれません。湾岸戦争の悪夢は大きいでしょう。湾岸戦争に参戦しなかったことで、クウェート、サウジアラビアでの企業基盤をなくした上に、復興ビジネスでも下請けしか獲得できなかったからです。(但し、今回のイラクのやり口をみると、パパブッシュですし大差が無かったと予測できます。)では、今回の派兵で日本企業への見返りはあるのでしょうか。答えは今のところNOです。「復興プラン」は戦争突入以前から出来上がっていました。

 

イラクは民主主義ではなくアメリカ企業が支配

イラク攻撃は2003年3月20日に始まりました。その半年以上前の2002年7月、ホワイトハウス内で「イラク復興連絡調整会議」が立ち上がりました。ペンタゴンの指揮のもと、国務省や国際援助庁、商務省などの担当省庁が集まって、どういう攻撃目標を破壊し、それをどういう方法で復興するのか、つまり、攻撃目標の政府施設、通信拠点、電力や水道等の社会インフラ、港、飛行場、道路等々が細かく分類され、戦争終了後の復興計画までが7月段階で描かれていたのです。

石油関連やインフラだけではなく、新たに発表された国旗は勿論のこと、国歌や法律の整備から、公務員教育、スパイの養成までアメリカ企業が請け負っています。しかもブッシュ政権への献金額に応じて受注しているのには、呆れてしまいます(つづく)。

 

 

受注企業と献金企業のランキング(単位:ドル)

 

企業名

受注ランキング

献金ランキング

@GE

437億3648万7000

1位

884万3884

 

Aヴィネル

424億1419万8000

2位

851万7247

 

Bサイエンスアプリケーションズ・インターナショナル

161億9443万1000

4位

470万4909

 

Cダインコー

158億 964万9000

11位

121万8944

 

Dべクテル

117億4253万7000

6位

331万 102

 

Eユニシス

107億7200万3000

15位

62万6239

 

Fフラワー

85億4491万7000

5位

362万4173

 

Gユナイテッド・ディフェンス

72億9969万1000

14位

107万6006

 

Hハリバートン(※)

56億8600万6000

7位

237万9792

 

※                      「ハリバートン」はチェィニー副大統領の古巣。油田の消火と設備関連の契約はオープンエア方式(目的達成のためにいくらかかっても支払う)。「ぺクテル」は米国最大のゼネコン。前社長はシュルッ元国務長官でイラク復興支援計画のアドバイザー。現社長はホワイトハウスの輸出諮問委員会メンバー。ワインバーガー元国務長官は役員。他に元CIA長官などもコンサルタントに名前を連ねる

 

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イラク戦争:死亡米兵の45%は貧しい小さな町の若者(毎日 7/20)

 【ロサンゼルス國枝すみれ】イラク戦争の開始(昨年3月)から今月15日までに死亡した米兵の約45%が、人口4万人以下の小さな町の出身者であることが、米メディアや毎日新聞の調査で分かった。これらの町の総人口が米国全体に占める割合は27%に過ぎず、大都市から離れて経済的に恵まれない小さな町ほど戦争のしわ寄せを受ける実態が明らかになった。

 

 国防総省によると、この期間にイラクで死亡した米兵は893人。このうち、(1)人口4万人以下(2)人口10万人以上の都市から少なくとも40キロ離れている−−という条件に当てはまる「小さな町」の出身者を抽出したところ、398人(45%)を占めた。

 

 調査はミズーリ州セントルイスのポスト・ディスパッチ紙の今年5月の報道をベースに、毎日新聞がその後の死者数を加え国防総省統計や人口統計を参考に最新のデータを計算した。

 

 例えば、人口370万のロサンゼルス市の死者が5人なのに対し、人口2万2000人のアリゾナ州キングマンで2人、人口518人のイリノイ州ハモンドでも1人が死んでいる。犠牲者数が多いのは、カリフォルニア(107人)、テキサス(78人)、ペンシルベニア(47人)、フロリダ(40人)などの大規模州だが、人口比で計算した場合、バーモント、ノースダコタ、ワイオミング、サウスダコタと、小規模で平均給与水準が全米平均を下回る各州がトップ4となる。

 

 米経済をリードするIT(情報技術)産業や金融業と無縁の農村部や小さな町では、若者の就職口は限られており、大学進学の学費援助や海外勤務のチャンスを求めて軍に入隊するケースも多い。米国では高校3年に在籍中から入隊が可能だが、結果的に経済的に恵まれない小さな町が多くの兵士の供給元になり、戦死という最悪の形でしわ寄せを被ることになる。

 

 

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CIA分析に「誤り」 イラク大量破壊兵器で米議会報告 (朝日新聞)

 

 米議会上院の情報特別委員会は9日、イラク攻撃の大義とされた旧フセイン政権の大量破壊兵器(WMD)開発計画をめぐる情報を、米中央情報局(CIA)が誇張したと厳しく批判する報告書を発表した。情報の収集や分析作業に数多くの「誤り」があったと指摘。イラクに大規模なWMD開発計画が存在するという「憶測」が分析官らによる「失敗の連続」を招いたとしたうえで、イラク戦争は「欠陥情報」に基づいて始められたと断定した。

 

 記者会見したロバーツ委員長(共和党)は、イラクのWMDに関する情報機関の評価は「間違っていた」と明言。「98年に国連の査察官がイラクから追放されて以来、CIAはWMDに関する情報を提供する協力者をイラクで確保できていなかった」と指摘した。そのうえで「結局のところ、大統領や議会が開戦にあたって判断材料とした情報には欠陥があった」と振り返った。

 

 報告書は「イラク開戦前の情報活動に対する報告の結論」と題され、約500ページにのぼる。CIAをはじめとする米国の情報機関が開戦前に集めたイラクのWMD保有に関する情報は「誇張されたものだった」と指摘。「02年11月の国連査察で証拠が見つからず、査察官たちが核兵器や生物兵器は存在するという米国の見方に異議を唱えたのにもかかわらず、米国の分析官はこの指摘を軽視した」と批判した。

 

 また、01年9月の同時多発テロに絡み、オサマ・ビンラディン氏の率いる国際テロ組織アルカイダによるテロ攻撃を、旧フセイン政権が「支援」や「共謀」していたとする見方についても「証拠がない」と否定した。

 

 さらに、ウラン購入疑惑をめぐる偽情報がブッシュ大統領の一般教書演説に盛り込まれたことについても、「テネットCIA長官は入念に事実確認をすべきだった」と指摘した。CIAと国防情報局(DIA)など他の情報機関との連携も十分ではなかったとして、組織の統合や指揮系統の一元化などの情報収集体制の改善を求めた。

 

 一方、ロックフェラー副委員長をはじめとする民主党の委員たちは、ブッシュ政権の高官たちがイラクとWMDの関連を公言していた中で、それに沿った結論を導かなければならないという「強い圧力」をCIAが受けていたと指摘する追加文書を発表した。

 

 報告書は情報提供者の保護などを理由に数多くの部分が機密情報として伏せられている。 (07/10 01:19)