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声  明

イラク拉致・拘束事件の本質をねじ曲げるな!
事件の背景はファルージャなどへの米軍の無差別攻撃と自衛隊の派兵に有る

ピースリンク広島・呉・岩国


-----Original Message-----
From: yuasa3@do6.enjoy.ne.jp [mailto:yuasa3@do6.enjoy.ne.jp]
Sent: Monday, April 19, 2004 11:30 PM
To: againstwar@yahoogroups.jp; k-peace@yahoogroups.jp
Subject: [k-peace][03579] 声明を出しました

ピースリンクの湯浅です。
5人全員が解放されたことで、ピースリンクとして19日、改めて下記の声明を出しま
した。

 内閣総理大臣                  2004年4月19日
 小泉純一郎様
外務大臣
 川口順子様
防衛庁長官
石破 茂様

        声  明

    イラク拉致・拘束事件の本質をねじ曲げるな!
     事件の背景はファルージャなどへの米軍の無差別攻撃と自衛隊の派兵に有る
        
 17日、イラクのアルジャジーラ放送は、行方不明になっていた2人が解放されたと報じました。5人の日本人全員が無事に解放されたことを心から歓迎し、喜びたいと思います。しかし、同時に、ファルージャでの戦闘は激しくなり、多くのイラク市民が殺されている現実を忘れるわけにはいきません。バグダッドの治安も更に悪化しています。これらの総体を捉え、今、イラクで何が起きているのか、その原因は何か、それと多発する拘束事件との関連性を正確に見つめる必要があります。
17日、解放された渡辺さんは、武装グループからのメッセージとして次のように語っています。「イラクは米英軍により占領されており、徹底的に闘う。日本人は友人であり、傷つけたくないので、イラクに来ないで欲しい。自衛隊は、イラクから出て行って欲しい。」
5人は、イラクの市民の立場に立って活動し、生きていることが評価されたからこそ、「友人」と呼ばれ、無傷で解放されたのです。外務省の担当者など具体的に動いた人々の努力には感謝せねばなりませんが、日本政府は、「自衛隊は撤退させない」の一点張りで、人質の解放にとっては大きなマイナス要因であり続けたとしか言いようがありません。
 連合国の一般人が相次いで拉致・拘束される事態は、紛れもなく米英占領軍のあまりの無差別的な殺戮行為の中で発生しているのです。4月になってからだけで、ファルージャ周辺の戦闘でイラク側1000人、米軍など100人が死亡したといわれます。米軍はモスクを空爆し、文字どうり無差別の殺戮をくり返したのです。米英占領は、イラク民衆から憎悪と抵抗の対象になっています。アメリカが、「民主主義を作る」といくらくり返しても、主権者であるイラク市民が、米軍を敵視している中で、民主主義が成り立つはずがありません。日本は、自衛隊を派兵することで、アメリカ連合軍の一員として働いている以上、イラク市民からは敵です。人道支援をいくら言おうと、それが口先だけであることは自明です。航空自衛隊は、米軍兵士や弾薬を輸送しており、連合軍の一員としての本質が示されています。また人道をいう日本政府は、米軍によるファルージャへの無差別攻撃を支持しているのですから。アメリカ一辺倒の政府の政策に反対する市民の声がイラクの人々に伝わったからこその解放であることは貴職も重々承知のことでしょう。今回の事態は、自衛隊のイラク派兵の結果起こっているのです。とすれば、誤るべきは日本政府です。このような事件を起こす要因を作ってしまったことを、拘束された市民、更に日本人全体に対して謝罪すべきです。
ところが、政府や与党は、問題の本質があからさまになることを恐れ、先手を打って、拘束された市民の後先を考えない軽率な行為に問題があり、「自己責任」をとるべきだとの脅しをかけています。一部のマスメデイアは今回の人質事件の原因を危険なイラクに入った被害者たちにあると批判し、個人のプライバシイに関わるような報道をして誹謗中傷していることは断じて許せません。生命の危険にさらされた被害者が、二次的な人権侵害を受けているとしか言いようがなく、それ自体も許されざることです。事態の責任を「自己責任」の名のもとに、現地で活動しているNGOや個人に転嫁しようとすることは、ことの本質を歪曲し、政府の責任を回避せんがための姑息な対応です。
 個別的には、見通しの甘さなど問題がなかったとはいえないとしても、それをもって、彼らの全てを批判するような風潮を社会が作り出そうとすることは許されません。むしろ、既に述べたように、政府が犯している誤りをこそ明らかにすべきです。
  私たちは、政府や一部マスメディアによる「自己責任」論に基づく拘束被害者とその家族への批判はいわれのないものであって、これを撤回することを強く望みます。そして、人道支援の最大の障害はアメリカなどの占領軍であり、日本政府が、米国や連合国にも軍隊の撤退を働きかけ、あわせて自衛隊をいち早く撤退させることこそが、イラクの人々の生活と生命の安全を保障し、人道支援に寄与する道です。日本政府は、そうした努力を初めから放棄しています。米軍の無差別攻撃を止めさせることこそが、最も重要な人道支援です。そこで、以下、要請します。

1)日本人が標的にされる状況を生み出している、自衛隊のイラク派兵部隊を一刻も早く撤退させること。
2)「自己責任論」で拉致された被害者や家族をせめるのでなく、むしろ、政府がこのような状況を生み出したことについて謝罪すること。
3)ファルージャなどでの無差別攻撃の中止をアメリカ政府に強く申し入れること。
4)イラクからの米英占領軍の即時撤退を求めること。

      入れるな核艦船!飛ばすな核攻撃機!
          ピースリンク広島・呉・岩国(29団体)
世話人: 湯浅一郎、 藤井純子、 田村順玄
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