皆さん
「NO DU ヒロシマ・プロジェクト」代表の嘉指(かざし)です。
ご報告が遅くなってしまいましたが、5月14〜16日、ブリュッセルで開かれた「[劣化]ウラン兵器禁止を求める国際キャンペーン」第二回準備会議、および、その前の週末、ベルリンで開かれた「IPPNW(反核国際医師会議)ヨーロッパ会議」に出席して参りました。
国際キャンペーンを具体的に進めるにあたって、皆さんにご相談させていただかなくてはなりませんが、まずは簡単なご報告で失礼いたします。
[1]「[劣化]ウラン兵器禁止を求める国際キャンペーン」第二回準備会議
主催 ICBUW(ウラン兵器禁止国際連合)
期日 5月14日〜16日
場所 ベルギー・ブリュッセル:キリスト教系労働組合本部
* 参加国:9カ国(オランダ・ベルギー・ドイツ・イギリス・イタリア・アメリカ・カナダ・日本・イラク)参加者数:約30名 日本からの参加者4名[「ヒロシマ・プロジェクト」森瀧春子、佐藤周一、嘉指信雄:「ヒバク反対キャンペーン」振津かつみ]
(今回の会議は、出発前のメールにも書きましたように、本来は、「本格的な国際的キャンペーンの開始を画するため」に開かれる予定でしたが、準備が間に合わなかったため、キャンペーンの体制を整えるための実務的議論をする準備会議となりました。
そのため、今回集まったメンバーは、前回とほぼ変わらず、日本からは、前回も参加した経緯から、「ヒロシマ・プロジェクト」のメンバーと「ヒバク反対キャンペーン」の振津かつみさんが参加することになりました。)
三日間の会議では、主に、組織作りについて議論が行われ、[劣化]ウラン禁止を求める国際世論を一層喚起して行くための、下記のような点が決まりました。
(1) 国際的署名キャンペーンの開始(第一次目標:本年度11月6日)
(原案は、振津かつみさんが提出)
(2) [劣化]ウラン被害者支援カンパ・キャンペーンを「国際キャンペーン」の一環として開始する――まずは日本から取り組み始める。(禁止条約案にも、「被害者支援のための国際基金」の設立を求める条項を加えることが合わせて決まった。)
(3) 11月6日を、「ウラン兵器禁止を求める国際行動デー」として、各国でそれぞれ取り組みを計画する。
(2001年11月5日、国連総会により、毎年11月6日を”International Day for Preventing the Exploitation of the Environment in War and Armed Conflict”
とすることが決められたことによる。)
(4) 各国で、平和活動グループに参加・支援を呼びかけるだけでなく、地方自治体への「劣化ウラン禁止を求める決議」採択などを呼びかけていく。(ご存じにように、日本では、すでに、旭川市、小金井市、尾道市が決議を採択しています。)
以上の点に関しては、日本国内で力を合わせてキャンペーンを開始するにあたり、すでに活発な取り組みを展開されている皆さんに、近い内に改めてご相談させていただきたく存じますので、何卒宜しくお願いいたします。
また、この機会を借りて、ICBUWへのご賛同・御参加を改めてお願いいたします。
(昨年10月に8カ国14団体の呼びかけにより発足したICBUWには、すでに30を越える団体から賛同が寄せられています。(賛同団体リストなどについては、ICBUWのホームページをご参照ください。)
ただ残念ながら、今回の会議では、ICBUWの会員規定を具体的に決めるところまで至ることができませんでした。(単純に時間切れ!でした。)この点につきましても、決まり次第お知らせしますので宜しくお願いいたします。
(2)「IPPNW(核戦争防止国際医師会議)ヨーロッパ会議
――不安定な世界における核兵器及び核エネルギー――」
主催 核戦争防止国際医師会議・ドイツ支部
期日 5月7日〜9日
場所 ドイツ・ベルリン
* 登録参加総数:約500名
*「低レベル被曝と(劣化)ウラン兵器」のテーマの下に、全体フォーラムとワークショップがそれぞれ一つ持たれました。全体会議のオープングでは、ワシントンの「各政策研究所」(NPRI)所長のヘレン・カルディコット博士が講演。 「低レベル被曝と(劣化)ウラン兵器」フォーラムでは、イラクのジャワード・アルーアリ医師やイギリスの放射線専門家クリス・バズビー博士などが講演。
ICBUW(ウラン兵器禁止国際連合)のメンバーで行ったワークショップでは、広島や日本での取り組みについて、「ヒロシマ・プロジェクト」の森瀧と嘉指、「ヒバク反対キャンペーン」の振津かつみさんが報告しました。ワークショップへの参加者数は約40名。
全体会議、ワークショップともに、熱気に満ちた、とても意義のある会議でした。
こちらの会議につきましても、改めてご報告させていただきたいと思いますが、特に、「低レベル被曝と(劣化)ウラン兵器」のフォーラムで、アルーアリ先生が講演の冒頭で語った言葉――「今、イラク兵への虐待が問題になっていますが、湾岸戦争で劣化ウラン弾が使われてから、私たちはずっと虐待されてきているのです」という言葉が最も印象的でした。いつもながらの物静かな語り口でしたが、今だに劣化ウラン弾問題が隠され続けている世界の状況の核心を表した言葉だと思います。 以上。
(NODUヒロシマ・プロジェクトMLより)