中国新聞 2003年8月7日(木)
報復の連鎖、ヒロシマに共感 中東から連帯訴え | '03/8/7 |
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▽イラク人医師「劣化ウラン弾悲惨」 被爆地が祈りに包まれた六日、イラク、イスラエルとパレスチナの人たち、そして米国に住む被爆者が、ヒロシマにいた。一昨年九月十一日の米中枢同時テロ以降、アフガニスタン空爆、イラク戦争と、「報復」の連鎖が続く。その舞台にいる人たちは、立場は違っても、同じ「ヒロシマ」を受け止め、平和への願いを語った。 母国もヒバク地だ―。湾岸戦争やイラク戦争で使われた劣化ウラン弾の被害を訴えるため、来日したイラクの医師二人。初参列した平和記念式典は「病に苦しむ子どもらの顔が浮かんで」つらかった。いまだ戦禍が続く地で「放射能兵器」と呼ばれる劣化ウラン弾に立ち向かう。救えなかった命を原爆犠牲者に重ね合わせ、平和を願う。 イラク南部の都市バスラの医師ジャワッド・アル・アリさん(59)とジョナン・カリブ・ハッサンさん(47)。バスラは一九九一年の湾岸戦争で主戦場となった。今回のイラク戦争も含め劣化ウラン弾が大量に使われた。 午前八時十五分、黙とう。「罪のない多くの女性や子ども、老人を殺し、自然を破壊し、何十億年もぬぐえぬ放射能汚染をもたらしました」。耳を傾けた平和宣言に、二人は「戦争で死んだ友人や、病に苦しむ患者らを思い出した」と声を落とした。 治安は今も、悪化の一途をたどる。途絶えがちな水や電気、不十分な設備や薬でしか対応できぬ中、患者は増え続ける。二人は、その原因を劣化ウラン弾とみる。バスラで十万人当たりのがん患者数は、湾岸前の八八年の十一人に対し、九八年は七十五人、二〇〇一年は百十五人。増え続けている、と言う。 「米国の罪で、なぜイラクの子どもたちが罰を受けるのか」と、ハッサンさんは訴えた。 原爆資料館。劣化ウラン弾禁止(NO DU)ヒロシマ・プロジェクトの森滝春子世話人から説明を受けた二人は、廃虚となった広島の復興過程を紹介するコーナーを食い入るように見つめた。「いつか広島のように再建できるはずだ」。厳しかった表情が一瞬、和らいだ。 戦争と放射能で傷ついたイラクとヒロシマ。アリさんは言う。「ヒロシマは、世界の人々の痛みを分かち合う存在。超大国による破壊を食い止めるための行動を呼び掛けてほしい」 |
中国新聞 2003年8月6日(水)
イラクの医師、広島入り | '03/8/6 |
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■「劣化ウラン弾被害」訴え 湾岸戦争やイラク戦争で使われた劣化ウラン弾の被害を訴えるため来日しているイラクの医師ジャワッド・アル・アリさん(59)とジョナン・カリブ・ハッサンさん(47)が五日、被爆地広島を訪れた。 アリさんは広島市中区の県民文化センターであった「8・6ヒロシマ平和へのつどい2003」で講演。会場の約百八十人を前に、一九九一年の湾岸戦争の前後で、劣化ウラン弾の影響とみられるがん患者が増えていると報告し、「劣化ウラン弾という大量破壊兵器に反対する声をあげていこう」と呼び掛けた。 二人の医師は七月二十九日に来日。六日は平和記念式典に参列する。広島では広島大原爆放射線医科学研究所や病院を訪問し、長崎、神戸、名古屋、大阪を回って十二日に帰国する。 |
報告 イラク医師が記者会見 提供 瀬戸内新聞主筆 左党週一さん 来広中のイラク人医師・ジャワッド・アル・アリさんと、ジョナン・カリブ・ハッサンさんが、旧日銀広島支店において、記者会見を行いました。 さとうも、森滝春子さん、通訳の澤田美和子さんらとともに臨みました。 パワーポイントを使って劣化ウラン弾によると見られる放射能被害について詳しく説明しました。 主な点は、アリさんによると、バスラでは、前回湾岸戦争前のがん発生率は10万人あたり11人(88年)だったのが、98年75人、2001年116人と激増していることを指摘。 死亡したこどもも、34人から603人に激増したことを報告しました。 ハッサンさんによると、奇形による出産率は、湾岸戦争前が0.304%だったのが、1.61%になっていることなどを実際のなくなったこども、治療中のこどもなどの写真を用いて説明しました。 パソコンを私が操作させていただいていたのですが、見るに絶えず、途中、なんども、手が止まってしまいました。 質疑応答では以下のような感じでした。 戦争後のバスラの病院ですが、非常に悪い状態で薬がなく、また、米英軍からも何も受け取っていないとのことです。クウェートから、兵士のために薬がきているだけだそうです。 平和式典に参加した動機については「ヒロシマとイラクは同じように放射能被害を蒙った。また、大量破壊兵器に抗議するメッカのような場所と考える」とのこと。 自衛隊のイラク「派兵」計画については、「イラク人はほとんどが、自衛隊がイラク人を守るのではなく、アメリカを守ると考えている。 日本には医療支援を期待しているのに、このままでは、米英と同じとみなされとても危険になる、」と警告しました。 また、核兵器保有国の首脳が広島を訪れて考えが変わるか?との問いには、彼らは自国の政策に忠実に動くので、気持ちはかわらないのではないか、としました。 その後、一行は、隣の頼山陽記念館で茶会。 そして、16時からは「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」主催の「8・6国際対話集会−−反核の夕べ2003−− 2005NPT再検討会議へ向けてヒロシマはどうする−−」 に参加し、アリさんが講演しました。 |
来日医師 Dr、ジャワード・アルーーアリ (バスラ教育子ども病院・がんセンター長59歳) Dr、ジャナン・カリブ・ハッサン (バスラ大学助教授・バスラ産科小児科病院医師47歳) 全国コーデイネート アラブイスラーム文化協会 代表 ジャミーラ高橋 TEL 03(3332)1265 広島國際開発協力NGO 代表 雨 宮 功 TEL 082(871)8615 各地の受入れ団体 名古屋7月28日〜8月1日 広島の予定に付いては下記あてに【問い合せ】ください 8月5日 広島着 のぞみ5号 11:45分 ○ 13:30分〜原水禁ひろば【被爆を許さない集い】 ワークピア広島 3F ○ 16:00分〜 【ヒロシマ國際平和フォーラム】 アステールプラザ ○16:30分〜 【ヒロシマ・ピース・フェスタ】 アステールプラザ ○17:20分〜 【村山クリニック・MRI画像診断】 ○ 18:10分〜 【8・6ヒロシマ平和の集い2003】 県民文化センター 8月6日 ○ 7:00〜【平和式典参加】 ○ 9:15〜 【平和公園・資料館】 ○ 14:30〜【頼山陽史跡資料館にてお茶席】 ○ 16:00〜18:30【8・6ヒロシマ国際対話集会反核の夕2003】 原爆資料館地下・メモリアルホール ○ 19:00〜 【2003人灯篭で描く】 中央公園 灯篭流し (途中退席) 8月7日 ○ 10:30〜広島大学原爆放射能医学研究所訪問】 ○ 13:30〜 広島赤十字・原爆病院訪問】 ○ 16:00〜【広島県訪問 福祉保険部長・被爆者・毒ガス障害対策室長面談】 ○ 17:30〜18:30 新広島TV スタジオ出演 8月8日 広島発 ひかり357号・9:24分長崎へ |