イタリア上院調査委員会報告書と米国の裁判の状況
イタリア上院調査委員会に抗議
皆様
イタリア在住の斎藤ゆかりさんからのメールによりますと、イタリアでは、2月28日、
「バルカンなどでPKOに参加したイタリア兵の病死とDUの因果関係にかんする上院調査
委員会報告書」が発表されたが、あまりにいい加減なものであったため、「この日、国会前
に被害者や家族・遺族たちが集まり、抗議行動が行われた」とのことです。
また、こうした状況の中、「知られざるDUの恐怖」(レポート:豊田直巳さん/撮影・
ディレクター:清水仁さん)の一部映像を使った劣化ウラン問題ドキュメンタリーが、
3月2日の朝7時40分頃から20分程、テレビ放送されたとのことです。
斎藤さんによりますと、今回の放送は、衛星放送RAINEWS24とそれを転送
放映するRai3チャンネルでしたが、国営放送RAI局でも近い内、「知られざるDU
の恐怖」の映像を使った劣化ウラン問題番組が放送予定とのことです。
言うまでもなく、こうした動きは、日本の今、そして未来にとっても決定的な意味を
もっています。日本でも広く知られ、問題にされてほしいものです。
草々 嘉指信雄(NO DU ヒロシマ・プロジェクト)
アメリカ陸軍省を被告としたDU裁判の現状
皆様
先日、ジェラルド・マシューさんから送られてきたメールによりますと、マシュー
さんたちイラク戦争帰還兵8名とその家族がアメリカ陸軍省に対し起こしている裁判
に関し、アメリカ政府は、予想されたことではありますが、「棄却申し立て」をして
きたということです。これに対し原告側は強く反対していますが、資料を3月10日
に提出し、裁判所の判断を待つことになるとのことです。
なお、昨年1月、ベトナム戦争終結30年にして初めて、ベトナムの枯葉剤被害者
たちが補償を求めてニューヨークの連邦裁判所に訴えた際も、「かつての敵から提訴
されて開廷することは、大統領の戦争遂行権限に対する危険な脅威となる」という米
国司法省の申し立てを受け、棄却されてしまっています。
昨日お知らせしたイタリアの状況と合わせて、アメリカでの裁判の行方を注視して
いきましょう。
草々 嘉指信雄