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JIM−NETが「冬のかき氷」作戦開始

 NODUヒロシマ・プロジェクトMLより転載

JIM-NETの佐藤真紀さん(ヨルダンで活動中)からの連絡です。イラク・ヨルダンの現状が伝わってきます。

-----Original Message-----
From: maki [mailto:makisato@jca.apc.org]
Sent: Saturday, November 19, 2005 8:02 AM
Subject: [noduproject] JIM−NETが「冬のかき氷」作戦を開始

JIM−NETが「冬のかき氷」作戦開始

11月9日、ヨルダンでテロが起きてから、国境の管理が厳しくなっています。
テロ直後はイラク−ヨルダン間の国境が閉鎖されていましたが、数日前から開きました。
一方イラク国内でもテロは毎日のように続いています。
12月15日に控えたイラクの総選挙の前後でさらに治安が悪化したり、行政が混乱するために、白血病などガンの子どもたちの薬が底をつく可能性が心配されます。

そこでJIM−NETでは必要な薬を少し多めにイラクの病院へ送ろうということになり、バグダッドとモスルの合計3病院へ問い合わせたところ、「今でも薬が足らない。早く欲しい」と合計600万円相当のリクエストが来ました。11月18日は、朝から緊張していました。ヨルダンでも金曜礼拝の後は、数万人規模のデモがありましたし、バグダッドのホテルや北部のハナキンでモスクを狙ったテロが発生。そんな状況下でできる限りのことをやろうというのがこの作戦です。

第一弾として、夜、約100万円相当の薬を送りだしました。
現場では日本から事務局長の佐藤真紀と、中東での経験が豊富な西村陽子がヨルダンで業務を進めています。
現地からの情報は逐次HPで紹介していきます。
引き続き皆様のご支援をよろしくお願いします。

HP http://www.jim-net.net/

郵便振替口座:00540-2-94945   口座名:日本イラク医療ネット

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冬のかき氷作戦

アンマンでアイスボックスに詰めた抗がん剤を氷がすべてとけてしまう前にバグダッドの病院に運び込む・・・・制限時間は48時間。砂漠の国にも冬が近づいて、朝夕、冷え込むようになり、氷はとけにくくなったが、アンマンのホテル爆破事件以来、ヨルダン−イラク国境通過が困難になった・・・・どれだけ時間がかかるかわからないうえに、季節がら、道中にもう氷売りはいない。しかし、バグダッドの病院からは2,3日中に要冷蔵の抗がん剤が切れるので荷が着くのを待っているというメールが来ている。難易度かつ重要性の高い作戦である。

アイスボックスに薬とアイスパックを入れ厳重に目張りをして、輸送会社のアブ・マージンが受け取りに来るのを待つ。アラブ系のTVチャンネルはどこも、今日もイラクで爆発によって今日もイラクで多くの犠牲者が出たことを報じている。今朝、アンマンにたどり着いたイラク人の話では、バグダッド街道の治安状況はそれほど心配ないというが、いつ何が起こるかわからない。

荷物を渡して、10分もたたないうちに、「バグダッドに向かうはずだった車のドライバーが警察に連行されてしまった」と言う連絡が入った。ヨルダンを離れる前にいきなり作戦失敗・・・・か?さらに10分後、バグダッド行きの別のドライバーが見つかったので、薬を積みかえてイラクに送るという朗報が入った。ありがとう、アブ・マージン。名前を聞いたら鳥肌が立ちそうなこの作戦、実は現地の人たちの氷もとかすような熱意に支えられているのです。もう、私たちは、無事に着くまで、お祈りでもするしかありません。ヤー・アッラ−!

西村陽子([アラブの子どもと仲良くする会]より派遣)