WHOに一緒にアピールしよう:「劣化ウランは健康に有害!」

―2009ICBUW国際共同アクション―

2009年11月6日

皆様

ICBUW(ウラン兵器禁止を求める国際連合)は、全世界かららWHO、UNEP、IAEAに対して、「来年の国連総会にむけ、劣化ウラン兵器の健康と環境への危険性を正しく評価した見解を出すよう」求める手紙やカードを送るキャンペーンを、この11月の「国際共同行動デー/月間」から開始しようと準備中です。近日中に、「要請レター」文のモデルをご紹介できるかと思います。日本各地での「国際共同行動デー/月間」の取組みの中でもぜひ拡げて下さい。

2008年12月に採択された「劣化ウランを含む武器・砲弾の使用による影響」に関する国連決議に基づき、国連事務総長は加盟国に対し、同兵器使用がもたらす影響に関する見解を求めると同時に、WHOなど関連国際機関に対し、その見解を「適切な形で更新し」来年2010年の国連総会まで(「締め切り」は5月末頃)に、新たな見解を報告することを求めています。

とりわけ健康影響評価については、WHOの見解が国際的に大きな影響力を持っています。これまでWHOは、劣化ウランの健康への悪影響を示す「一貫した証拠がない」「人間への影響を示すデータが少ない」等々を理由に挙げ、劣化ウラン兵器使用の危険性を正しく評価せず、結果的に同兵器が継続して使用されることを容認してきました。このようなWHOの見解は、同兵器の規制・禁止に対し消極的な国々の政策のひとつの論拠ともされてきました。

ICBUWは、来年の国連総会に向け、WHOなど関連国際機関が、これまでの見解を改め、ウラン兵器の環境や健康への危険性を正しく評価した報告を提出するようプッシュするための取組みを進めています。

9月中旬には、「ICBUW運営委員/科学チーム」のメンバーとして振津が、英国のICBUW国際事務局のDavid Cullenとともに、ジュネーヴで、WHOの評議国を中心に10カ国の国連代表部を訪問しました。そして、従来のWHO報告の問題点を指摘し、来年5月の第63回WHO総会で、全てのWHO加盟国ーーとりわけ同兵器の影響を受けた国々ーーの保健省、WHO内外の専門家、関連NGO等が参加する、公開の議論を行うことが重要であると訴え、来年のWHO総会の議題に、「劣化ウランを含む武器・砲弾の使用が人体や環境に及ぼす影響に関する評価」を提案することを要請しました。

新たな議題提案の期限(WHOの規則によれば、今回は11月5日頃の予定)が迫っており、実際のところ、いずれかの加盟国がこのような提案を行うかどうか、非常に難しい状況ではありました。しかし、WHOのこれまでの報告の問題点をWHO評議国に知らせ、科学的な公開討論の必要性を訴えたことは、今後、WHOが見解を出す過程での議論にとっても重要な意義があるものです。私たちが訪問したWHO評議国のほとんどが、この問題の重要性を認め、ICBUWの要請に対し前向きの姿勢を示していました。

「ICBUWジャパン」としては、先月、日本政府に対して、「劣化ウランを含む武器・砲弾の使用が人体や環境に及ぼす影響に関する評価」を第63回WHO総会の議題として提案することを求める「要請文」(次のメイルで送ります)を提出しました。(提出に際しては、これまでに引続き、社民党の福島みずほ議員・大臣、民主党の近藤昭一議員にお世話になりました。)

なお、日本政府に対しては、新政権の下で、ウラン兵器禁止に向けた積極的な政策を打ち出すよう求め、皆さんとともに対政府交渉(新政権の動きも見ながら、できれば年内に)にも取り組みたいと考えています。

今後ともどうぞよろしくご協力のほど、お願い申し上げます。

ICBUW運営委員:嘉指信雄、森瀧春子、振津かつみ