Monthly Archives: June 2011

振津かつみさん報告会:「福島原発事故が引き起こしたもの—被災の現場から考える—」(6月27日、広島平和資料館)

下記のように、振津かつみさんを迎えて、緊急報告会を開催いたします。内科医で医学博士(放射線基礎医学)でもある振津かつみさんは、長年にわたりチェルノブイリ支援や劣化ウラン兵器禁止キャンペーンなどに携わってきていますが、3.11大震災後は、福島の被災地を何度か訪れ、支援活動や政府への働きかけなどに取り組んでいます。今回は、特に福島原発事故以降の取り組みについてご報告いただきます。奮ってご参加ください。 日時:6月27日(月)18:00−20:00/場所:広島平和記念資料館・地下会議室II 報告:「福島原発事故が引き起こしたもの—被災の現場から考える—」」 :振津かつみさん(医師、ICBUW運営委員) 司会:嘉指信雄(NO DU ヒロシマ・プロジェクト代表、ICBUW運営委員) <振津かつみさんプロフィル>内科医師。兵庫医科大学非常勤講師(遺伝学・放射線基礎医学)。医学博士(大阪大学)原爆被爆者の健康管理、チェルノブイリ原発事故被災者への支援活動、また世界の核被害者=ヒバクシャとの連帯した活動など通じて、放射線の健康影響について学ぶ。1991年に「チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西」を設立し、事務局メンバーとして毎年、ベラルーシの汚染地域を訪問。1996年、ロザリー・バーテル博士らとともに「チェルノブイリ国際医学委員会」に参加し、事故被害を過小評価する国際原子力機関(IAEA)に対抗して開催した「永久人民法廷—チェルノブイリ、環境・健康・人権への被害」で証言。2004年から、「ウラン兵器禁止を求める国際連合」ICBUW評議員。(共編著)『ウラン兵器なき世界をめざして—ICBUWの挑戦—』(合同出版、2008)、(共訳)ロザリー・バーテル著『戦争はいかに地球を破壊するか—最新兵器と生命の惑星』(緑風出版、2005)。 共催:NO DU(劣化ウラン兵器禁止)ヒロシマ・プロジェクト :HANWA(核兵器禁止をめざすヒロシマの会) 連絡先:嘉指信雄 090-7897-2095  

3月12日、「劣化ウラン保管施設も延焼 コスモ石油のガスタンク火災で」(7/1、千葉日報)

6月千葉県議会は30日、総務防災と総合企画水道の2常任委員会が開かれた。総務防災では、東日本大震災で発生したコスモ石油千葉製油所(市原市)の液化石油ガス(LPG)タンク火災・爆発に伴い、隣接する劣化ウラン保管施設も延焼していたことが明らかになった。放射性物質の漏えいはなかったとしている。

「ECRR(欧州放射線リスク委員会)2010年勧告」日本語訳アップ:チェルノブイリ被害と劣化ウラン兵器問題も分析

[以下、目次の下にリンクしています翻訳のPDFファイルは、自由にダウンロードして、公開・活用してください、とのことです] 翻訳:ECRR2010翻訳委員会発行:美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 「ECRR2010勧告の翻訳を進めております。一部作業の完了していない部分がありますが、記述内容の重要性に鑑みこの段階で公開することにしました。ECRR2003からの大きな変化はチェルノブイリ原発事故の被害が明らかになり、ECRR2003モデルの有効性が示されたこと。劣化ウランについての新しい章が追加され、ウラン兵器の使用によって生まれるナノ粒子がICRPモデルでは全く記述できない遺伝子毒性を有していることが明らかになっています。より詳しくは下の緒言をお読みください。」(山内知也、神戸大学海事科学研究科教授) 「緒 言 欧州放射線リスク委員会が2003年に発表した新しい被ばくモデルは、生命体の放射線影響に関する従来の科学的理論の妥当性について科学者や政治家の注目を集めたということで、ある意味での革命をもたらした。もちろん、これは遅すぎたことであった。というのは、系列崩壊する新しい放射性核種による慢性的な内部被ばくがもたらすリスクの評価に、急性の外部放射線による研究を使用するのは危険であるという証拠は、40年以上も前から知られていたことだったからである。そのような科学的パラダイムシフトは簡単には進まない:原子力や軍事、経済、そして政治の中枢機構が原子力エネルギーの利用と開発に躍起になって取り組んでいるからであり、また核の軍事利用は一枚岩であり巨大な慣性を有しているからである。したがってECRR2003年勧告がそのような注目を集め、吸収線量という物理学ベースの概念に基づいている、その当時から現在まで続いている放射線リスクの哲学が抱えている欠陥について、新しく力強い関心を効果的に集めることができたのは驚きであり希望を与えるものであった。新しいモデルに対する支持と支援、そして(例外なくICRPモデルと対決することになる)多くの法廷におけるその成功には、ECRR2003の公表当時に現れていたチェルノブイリ原発事故の放射性降下物による被ばくや劣化ウラン弾の影響調査から明らかになってきた、日々増加している証拠が役立ったのかも知れない。ECRRモデルの成功とは、それが核分裂生成物によるある内部被ばくによってもたらされる発ガンやその他の疾患の数に関する問いかけに対して正しく回答するということに他ならない。これは公衆の普通の構成員とともに陪審員にも裁判官にも、あらゆる人々に対して直ちに明らかになる。それはチェルノブイリ原発事故後のベラルーシにおけるガンの増加を伝える報告によって、そしてまた2004年に公表されたスウェーデン北部における発ガンに関するマーチン・トンデル(Martin Tondel)による疫学研究によって強力な支持を得た:トンデルによる研究はチェルノブイリ原発事故によるCs-137による100 kBq/m2の汚染によってガンが統計的に有意に11%増加することを明らかにしており、これはECRR2003モデルの予測とほぼ完全に一致している。 新しいECRRモデルにおいては説明可能であるが、古いICRPモデルによってそれらを説明することは全く不可能であるような、実験室において行われた幾つかの進歩もある。そのようなもののひとつは、ウランのような(そして白金や金のような非放射性の元素でも同じであるが)高い原子番号を持つ元素に、それが取り込まれてしまった臓器・組織の放射線の吸収特性を変えてしまう能力があるということであった。ウランは原子燃料サイクルの循環において中心的役割を担う元素であり、前世紀の初期から膨大な量のそれを含む物質によって生物圏は汚染され続けてきている。したがってECRRリスクモデルを改訂しそのような「ファントム照射効果*」を考慮に入れる必要がある。兵器利用を通じてウランは広く散布されてしまったため、ウラン兵器に関する章を追加する必要があった。ブリュッセルにおける1988年の設立以来、ECRRには多くの国々からの数多くの傑出した放射線科学者が結集してきている。この新しい改訂版によって、政治家や科学者が彼らの電離放射線の健康影響についての理解を変えようとする圧力は今では無視することが不可能なほど大きくなってきているのは明らかである。」 目 次 緒言 1. 欧州放射線リスク委員会ECRR 2. 本報告の基礎と扱う範囲 3. 科学的原理について 4. 放射線リスクと倫理原理 5. リスク評価のブラックボックス:国際放射線防護委員会ICRP ecrr2010_chap1_5 6. 単位と定義:ICRP線量体系の拡充 7. 低線量における健康影響の確立:リスク 8. 低線量における健康影響の確立:疫学 9. 低線量における健康影響の確立:メカニズム ecrr2010_chap6_9 10. 被ばくにともなうガンのリスク、第1部:初期の証拠 ecrr2010_chap10 11. 被ばくにともなうガンのリスク、第2部:最近の証拠 ecrr2010_chap11 12. ウラン ecrr2010_chap12 13. ガン以外のリスク…