Monthly Archives: March 2007

『軍縮問題資料』4月号 「劣化ウラン兵器禁止国際キャンペーン」

『軍縮問題資料』4月号の特集は、「改憲手続法案の違法性を問う」ですが、森瀧春子さんが、「劣化ウラン兵器禁止国際キャンペーンーー広島国際大会の成果を廃絶運動の力に」のタイトルで、昨年8月のICBUW広島大会、その後の劣化ウラン問題をめぐる状況などについて書かれています。ご参照いただけたら幸いです。   詳しくは、『軍縮問題資料』のホームページをご覧ください。 www.heiwa.net/ 草々   嘉指(かざし)信雄

ベルギー、劣化ウラン弾禁止へ――地雷、クラスター爆弾に続いて世界初

2007年3月18日 皆さま2007年3月7日、ベルギー議会の国防委員会で、「劣化ウラン弾禁止法案」が、全会一致で可決されました。これは、通常兵器システムの範疇に入れられている劣化ウラン弾、および劣化ウランを用いた装甲の、ベルギーの領土内における製造、使用、貯蔵、売買、入手、供給、移送を、「予防原則」に基づき禁止するものです。 間もなく、この委員会の決定は国会審議にかけられ、上院でも議論されますが、今回の決定が全会一致であったため、今後の審議は、単に形式的手続きにすぎな いとのこと。 Belgium bans DU ベルギーは、対人地雷、クラスター爆弾に続いて、劣化ウラン弾に関しても、世界に先駆けて禁止する国となることが確実と なったのです。言うまでもありませんが、ベルギーのこの決定は、文字通り画期的なものであり、劣化ウラン兵器の国際的禁止に向けた第一歩が大きく踏み出さ れたことを意味します。   *** 「ベルギー国防委員会」での駆け引きなお、「全会一致」とは言え、投票を避けて欠席した議員もおり、最終段階では、可決が危ぶまれる局面もあったようです。今回の法律は、「劣化ウランおよび工業生産された他のいかなるウランにせよ、それらが用いられた砲弾や装甲を全面的に禁止する」ものですが、核兵器は対象外であることを明確にするため、”weapons“(兵器)という言葉は削除され、”ammunitions”(砲弾)という言葉が用いられることになったとこと。{ベルギー北部のクライネ・ブローゲルにあるNATO軍の米空軍基地には核兵器が配備されています。ちなみに、ベルギー上院は2006年4月に、下院は2005年7月に、核軍縮と核不拡散を求める決議を採択し、ヨーロッパに配備されたアメリカの核兵器の撤去を要求しています。}   ベルギーの議員で反劣化ウラン運動推進者のDirk van der Maelen また、こうした禁止をベルギー政府が国外でも促進するには時間を要するし、他の国々もベルギーにならって後に続くかどうか知りたいと、オランダ語圏の自由民主党が主張したため、この法律が「ベルギー制定法令書」に記載されても実際の発効は2年後となることが付記されました。つまり、ベルギーが国際社会で孤立することが危惧されたのです。[ベルギーのICBUWメンバーによりますと、「2年後に発効」という条件も、投票直前の各党間での政治的駆け引きの結果のようです。投票前日の6日になって、オランダ語圏の自由民主党が、「閣僚委員会と王室裁決を経て法案を発効させるべき」との修正案―このプロセスを踏むと法案発効には実に10年!はかかるーを出してきて、実質的にこの法律を「無効化」してしまおうとしたため、妥協案として「2年後に発効」との一文が入れられることになった。自由民主党は、審議の中でも、他のNATO諸国との共同歩調を維持したいとの意向を強く示してきていたとのこと。]   * ** ICBUWベルギーの取り組み 今回の法案可決は、ベルギーの「ストップ・ウラン兵器!」連合が、国会議員とともに、昨年来取組んできた運動の大きな成果です。とりわけ「地球の友」(Friends of Earth)のメンバーであるリア・ヴェルヤオさん(ICBUW広島大会にも参加したICBUW評議員)とヴィレム・ファン・デン・パンフイセンの懸命の取り組みは、この成功に大きく貢献しました。 昨年11月に開かれた公聴会では、ヴェルヤオさんたちの推薦を受けたキース・ベイヴァーストック博士(ICBUW広島大会にも参加されたWHOの元放射線部門専門官)などが劣化ウランの危険性について訴えました。しかしその後、法案に反対する側が巻き返しを図り、証言者としてNATOやEUの安全保障委員会の代表が証人として招かれ、「ウラン兵器の危険性については実証されていない」「ベルギーがウラン兵器を禁止すれば、国際的軍事協力の観点から問題が生じる」などの反論を展開、委員たちの間に「判断しかねる」といった雰囲気が拡がり、最後の審議となった今年2月14日の委員会が終わった時点では、ヴェルヤオさんも、「法案の可決はかなり困難」との印象をもったようです。 「ヘルプ!委員会のメンバーにメールで訴えて!」――そんな内容のメールがヴェルヤオさんから流されました。それに応えて、キャンペーンを支えてくれている科学者や専門家(ICBUW広島大会にも参加したバーテル博士や、イタリアのガッティ博士とモンタナリー博士など)や他の国のICBUWメンバーからも、次々と外務大臣や国防委員会の主要メンバーへ要請メールが送られました。日本からも、振津が科学的観点からのアピール文を送るとともに、ICBUW広島大会で採択された「ヒロシマ・アピール」が送られました。 投票があった3月7日の朝、私たちは、前日のジュネーブ国連本部内での「劣化ウラン・セミナー」に続いてロビー活動をするため相談をしていました。リアさんの携帯電話が鳴り、「委員会が始まってすぐに投票がされ、全会一致で法案が可決された」との連絡がベルギーの仲間から入りました。かなり「悲観的」になっていたヴェルヤオさんは、嬉しさのあまり涙を流しながら、一緒にいた私たちに投票結果を伝えてくれました。このニュースは、ICBUWのメンバーだけでなく、ウラン兵器禁止を求めてきている全ての人々を勇気づけるものとなりました。 *** クラスター爆弾禁止条約を目指す「オスロ宣言」 クラスター爆弾に関しても、新条約作りが有志国によって進められることが、2月23日に採択された「オスロ宣言」によって確定しました。伝えられているところによりますと、最初は、かなりの国が、「動きがあまりに速すぎる」と躊躇していたものの、「一気に条約作りを開始しよう」という大勢がはっきりするや、それまで躊躇していた国々も、条約制定プロセスの外に置かれること、「歴史の間違ったサイドに取り残されること」(地雷禁止キャンペーンにも最初から関わったデイヴィッド・アトウッドさんの言葉)を恐れて、一挙に賛成する側に回ったとのこと。[オスロ会議の参加49カ国中、「オスロ宣言」を支持しなかったのは、日本、ポーランド、ルーマニアの三カ国のみ。米国、中国、ロシア、イスラエル、インドなどは会議そのものに不参加。オスロ会議については、毎日新聞のシリーズ記事がとても参考になります。 www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/stopcluster/] ICBUWとしては、地雷禁止に続いて、クラスター爆弾の禁止条約作りが始まった勢いも活かしつつ、引き続き各国政府への働きかけを強めると同時に、ベルギーでの成果をさらに欧州や他の地域にも拡げ、国際的禁止に向けた具体的な動きにつなげてゆきたいと考えています。一層のご支援を何卒宜しくお願いいたします。 なお、今回のベルギーの法令文は、ベルギーのメンバーがオランダ語から英語への翻訳作業を進めてくれていますので、英語版を入手次第、皆さんにもご紹介したいと思います。   嘉指信雄(ICBUW評議員、アジア・太平洋地域コーディネーター) 振津かつみ(ICBUW評議員、科学チーム) ICBUW=International Coalition to…

ベルギー、劣化ウラン弾禁止へ――地雷、クラスター爆弾に続いて世界初

2007年3月18日 皆さま 2007年3月7日、ベルギー議会の国防委員会で、「劣化ウラン弾禁止法案」が、全会一致で可決されました。 これは、通常兵器システムの範疇に入れられている劣化ウラン弾、および劣化ウランを用いた装甲の、ベルギーの領土内における製造、使用、貯蔵、売買、入手、供給、移送を、「予防原則」に基づき禁止するものです。 間もなく、この委員会の決定は国会審議にかけられ、上院でも議論されますが、今回の決定が全会一致であったため、今後の審議は、単に形式的手続きにすぎな いとのこと。 Belgium bans DU ベルギーは、対人地雷、クラスター爆弾に続いて、劣化ウラン弾に関しても、世界に先駆けて禁止する国となることが確実と なったのです。言うまでもありませんが、ベルギーのこの決定は、文字通り画期的なものであり、劣化ウラン兵器の国際的禁止に向けた第一歩が大きく踏み出さ れたことを意味します。 *** 「ベルギー国防委員会」での駆け引きなお、「全会一致」とは言え、投票を避けて欠席した議員もおり、最終段階では、可決が危ぶまれる局面もあったようです。今回の法律は、「劣化ウランおよび工業生産された他のいかなるウランにせよ、それらが用いられた砲弾や装甲を全面的に禁止する」ものですが、核兵器は対象外であることを明確にするため、”weapons“(兵器)という言葉は削除され、”ammunitions”(砲弾)という言葉が用いられることになったとこと。{ベルギー北部のクライネ・ブローゲルにあるNATO軍の米空軍基地には核兵器が配備されています。ちなみに、ベルギー上院は2006年4月に、下院は2005年7月に、核軍縮と核不拡散を求める決議を採択し、ヨーロッパに配備されたアメリカの核兵器の撤去を要求しています。} ベルギーの議員で反劣化ウラン運動推進者のDirk van der Maelen また、こうした禁止をベルギー政府が国外でも促進するには時間を要するし、他の国々もベルギーにならって後に続くかどうか知りたいと、オランダ語圏の自由民主党が主張したため、この法律が「ベルギー制定法令書」に記載されても実際の発効は2年後となることが付記されました。つまり、ベルギーが国際社会で孤立することが危惧されたのです。[ベルギーのICBUWメンバーによりますと、「2年後に発効」という条件も、投票直前の各党間での政治的駆け引きの結果のようです。投票前日の6日になって、オランダ語圏の自由民主党が、「閣僚委員会と王室裁決を経て法案を発効させるべき」との修正案―このプロセスを踏むと法案発効には実に10年!はかかるーを出してきて、実質的にこの法律を「無効化」してしまおうとしたため、妥協案として「2年後に発効」との一文が入れられることになった。自由民主党は、審議の中でも、他のNATO諸国との共同歩調を維持したいとの意向を強く示してきていたとのこと。] * ** ICBUWベルギーの取り組み 今回の法案可決は、ベルギーの「ストップ・ウラン兵器!」連合が、国会議員とともに、昨年来取組んできた運動の大きな成果です。とりわけ「地球の友」(Friends of Earth)のメンバーであるリア・ヴェルヤオさん(ICBUW広島大会にも参加したICBUW評議員)とヴィレム・ファン・デン・パンフイセンの懸命の取り組みは、この成功に大きく貢献しました。 昨年11月に開かれた公聴会では、ヴェルヤオさんたちの推薦を受けたキース・ベイヴァーストック博士(ICBUW広島大会にも参加されたWHOの元放射線部門専門官)などが劣化ウランの危険性について訴えました。しかしその後、法案に反対する側が巻き返しを図り、証言者としてNATOやEUの安全保障委員会の代表が証人として招かれ、「ウラン兵器の危険性については実証されていない」「ベルギーがウラン兵器を禁止すれば、国際的軍事協力の観点から問題が生じる」などの反論を展開、委員たちの間に「判断しかねる」といった雰囲気が拡がり、最後の審議となった今年2月14日の委員会が終わった時点では、ヴェルヤオさんも、「法案の可決はかなり困難」との印象をもったようです。 「ヘルプ!委員会のメンバーにメールで訴えて!」――そんな内容のメールがヴェルヤオさんから流されました。それに応えて、キャンペーンを支えてくれている科学者や専門家(ICBUW広島大会にも参加したバーテル博士や、イタリアのガッティ博士とモンタナリー博士など)や他の国のICBUWメンバーからも、次々と外務大臣や国防委員会の主要メンバーへ要請メールが送られました。日本からも、振津が科学的観点からのアピール文を送るとともに、ICBUW広島大会で採択された「ヒロシマ・アピール」が送られました。 投票があった3月7日の朝、私たちは、前日のジュネーブ国連本部内での「劣化ウラン・セミナー」に続いてロビー活動をするため相談をしていました。リアさんの携帯電話が鳴り、「委員会が始まってすぐに投票がされ、全会一致で法案が可決された」との連絡がベルギーの仲間から入りました。かなり「悲観的」になっていたヴェルヤオさんは、嬉しさのあまり涙を流しながら、一緒にいた私たちに投票結果を伝えてくれました。このニュースは、ICBUWのメンバーだけでなく、ウラン兵器禁止を求めてきている全ての人々を勇気づけるものとなりました。 *** クラスター爆弾禁止条約を目指す「オスロ宣言」 クラスター爆弾に関しても、新条約作りが有志国によって進められることが、2月23日に採択された「オスロ宣言」によって確定しました。伝えられているところによりますと、最初は、かなりの国が、「動きがあまりに速すぎる」と躊躇していたものの、「一気に条約作りを開始しよう」という大勢がはっきりするや、それまで躊躇していた国々も、条約制定プロセスの外に置かれること、「歴史の間違ったサイドに取り残されること」(地雷禁止キャンペーンにも最初から関わったデイヴィッド・アトウッドさんの言葉)を恐れて、一挙に賛成する側に回ったとのこと。[オスロ会議の参加49カ国中、「オスロ宣言」を支持しなかったのは、日本、ポーランド、ルーマニアの三カ国のみ。米国、中国、ロシア、イスラエル、インドなどは会議そのものに不参加。オスロ会議については、毎日新聞のシリーズ記事がとても参考になります。 http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/stopcluster/] ICBUWとしては、地雷禁止に続いて、クラスター爆弾の禁止条約作りが始まった勢いも活かしつつ、引き続き各国政府への働きかけを強めると同時に、ベルギーでの成果をさらに欧州や他の地域にも拡げ、国際的禁止に向けた具体的な動きにつなげてゆきたいと考えています。一層のご支援を何卒宜しくお願いいたします。 なお、今回のベルギーの法令文は、ベルギーのメンバーがオランダ語から英語への翻訳作業を進めてくれていますので、英語版を入手次第、皆さんにもご紹介したいと思います。 嘉指信雄(ICBUW評議員、アジア・太平洋地域コーディネーター) 振津かつみ(ICBUW評議員、科学チーム) ICBUW=International Coalition to Ban Uranium…

報告「ウラン兵器禁止に向けて」3月6日,ジュネーブ国連本部でのセミナー

  2007年3月13日 皆さまICBUW(ウラン兵器禁止を求める国際連合)は、3月5~9日、ジュネーヴで国連本部内セミナー「ウラン兵器禁止に向けて」、ロビー活動(各国代表部やWHOへの訪問)、軍縮関連国際NGOとの交流・意見交換などを行いました。ベルギー、ドイツ、イギリスのICBUWメンバーとともに、日本からは嘉指、振津が参加し、一昨日帰国いたしました。今回の活動は、国連軍縮会議(UN Conference on Disarmament)の会期に合わせて行われたもので、6日は朝から、軍縮会議の会議場入口で各国代表に同日午後開催のセミナーへの参加を呼びかけ、その後、会議の傍聴をしました。周知のように、軍縮会議は核軍縮問題で膠着状態に陥ってしまっていますが、国連の枠組みの外では、10年前の「対人地雷禁止条約」締結や先月下旬のオスロ会議で動き始めた「クラスター爆弾禁止」への取り組みなど、「無差別殺傷兵器」禁止に向けた成果が具体的にあがりつつあります。そのことが、軍縮会議に対し、良い意味で大きなプレッシャーとなっていることが各国代表の発言からはっきりと伝わってきました。ICBUW主催のセミナーには、ベルギーをはじめ10カ国ほどの軍縮会議代表、軍縮・人権関連の国際NGO、ジャーナリストなど約40名の参加者があり、地雷、クラスター爆弾に続いて、「ウラン兵器禁止」への関心も確実に高まって来ていると感じられました。セミナーでは、ウラン兵器の健康影響、禁止条約も含む国際法的なプロセスなどについてICBUWメンバーなどによる報告がされ、その後、参加者との間で熱のこもった質疑・応答がされました。(下掲プログラム参照)なお、ジュネーヴでのICBUWによる取り組みは、二年前のワークショップに続き二回目ですが、今回の取り組みも、長年、平和や人権問題に取組んでいる「女性国際平和自由連盟」(WILPF)や国際平和ビューロー(IPB)など、ジュネーヴに本部をおく国際NGOの協力を得て実現したものです。国際的ネットワーク作りの観点からも、大変意義の大きいものでした。翌日からは、ベルギー、アイルランド、ニュージーランド、コスタリカ、ペルー、アルゼンチン、チリなどの各国の国連代表部を訪問し、国連第一委員会での決議採択を初めとする、本格的取り組みを展開してくれるように要請しました。とりわけベルギーでは「ウラン兵器禁止」の国内法制定が国防委員会において「全員一致」で決まった当日だったこともあり、国際的禁止に向けた外交努力に前向きな姿勢が感じられました。コスタリカなど中南米の国々でも好意的な対応がみられました。(なお、コスタリカでは、昨年8月のICBUW広島大会にも参加したダマシオ・ロペス氏が、同じく広島大会に参加した米国のイラク戦争帰還兵ハーバート・リード氏とともに講演会やロビー活動を今月下旬に予定しています。)また、嘉指、振津は、スイス北東部の町ヴィル近郊での講演会にも招かれて出かけ、劣化ウラン兵器問題に強い関心を持つ医師グループなどと交流を行って来ました。(このグループは、昨年11月、イタリアを訪問中の写真家の豊田直巳さんや映像ジャーナリストの清水仁さんを急遽スイスにまで呼んで集会を開いたグループです。)さらに、滞在の最後の夜には、「対人地雷禁止キャンペーン」のコーディネーターの一人、スーザン・ウォーカーさんにも会い、運動の経験などを伺うことができました。今回の活動の詳細は、また別途ご報告させて頂きたいと思いますが、今回の行動は、劣化ウラン兵器禁止国際キャンペーンにとって大変大きなステップになったと感じています。それと同時に、目標実現のための課題も一層明確になったと思います。このような取り組みのさらなる前進のため、ICBUWでは、今年5月には、ヨーロッパ議会内部でワークショップに加えて豊田直巳さんの写真展を開催し、さらに、10月には、国連総会の開始時期にあわせて、ニューヨークで第4回ICBUW国際大会を開催する予定です。また、国際的な取り組みと連携しつつ、皆さんとともに日本国内での取り組みも拡げてゆきたいと思います。今後とも、皆さんのご協力・ご支援を何卒よろしくお願い致します。取り急ぎ、帰国早々のご報告のみで、失礼致します。嘉指信雄(ICBUW評議員、アジア・太平洋地域コーディネーター)振津かつみ(ICBUW評議員、科学チーム) ***プログラム「劣化ウラン兵器セミナー」主催: ICBUW(ウラン兵器禁止を求める国際連合)日時: 2007年3月6日(火)午後1―3時場所: ジュネーブ国連本部、Palais des Nations、会議室11・「イントロダクション:ICBUW創設の理由とその目標」 レイ・ストリート(CADU、ICBUW評議員)・「劣化ウラン兵器に対するEUROMILの立場」 エマニュエル・ヤコブ(代表、EUROMIL=European Organization of Military Associations)・ 「ウラン兵器禁止に向けて」 マンフレート・モーア(国際人権法律家、国際反核法律家協会、ICBUW評議員)・ 「ウラン兵器が禁止されるべき科学的・医学的理由」 振津かつみ(ヒバク反対キャンペーン、ICBUW評議員)・ 「閉会の言葉/劣化ウラン兵器禁止運動を加速化するために」 嘉指信雄(NO DU ヒロシマ・プロジェクト、ICBUW評議員) 司会:スージー・スナイダー(事務局長、WILPF=婦人国際平和自由連盟)より詳しい情報については、ICBUWホームページをご参照ください。 www.bandepleteduranium.org/日本国内連絡先:info@nodu-hiroshima.org/ICBUW事務局:info@bandepleteduranium.org/    

報告「ウラン兵器禁止に向けて」3月6日,ジュネーブ国連本部でのセミナー

2007年3月13日 皆さま ICBUW(ウラン兵器禁止を求める国際連合)は、3月5~9日、ジュネーヴで国連本部内セミナー「ウラン兵器禁止に向けて」、ロビー活動(各国代表部やWHOへの訪問)、軍縮関連国際NGOとの交流・意見交換などを行いました。ベルギー、ドイツ、イギリスのICBUWメンバーとともに、日本からは嘉指、振津が参加し、一昨日帰国いたしました。 今回の活動は、国連軍縮会議(UN Conference on Disarmament)の会期に合わせて行われたもので、6日は朝から、軍縮会議の会議場入口で各国代表に同日午後開催のセミナーへの参加を呼びかけ、その後、会議の傍聴をしました。 周知のように、軍縮会議は核軍縮問題で膠着状態に陥ってしまっていますが、国連の枠組みの外では、10年前の「対人地雷禁止条約」締結や先月下旬のオスロ会議で動き始めた「クラスター爆弾禁止」への取り組みなど、「無差別殺傷兵器」禁止に向けた成果が具体的にあがりつつあります。そのことが、軍縮会議に対し、良い意味で大きなプレッシャーとなっていることが各国代表の発言からはっきりと伝わってきました。 ICBUW主催のセミナーには、ベルギーをはじめ10カ国ほどの軍縮会議代表、軍縮・人権関連の国際NGO、ジャーナリストなど約40名の参加者があり、地雷、クラスター爆弾に続いて、「ウラン兵器禁止」への関心も確実に高まって来ていると感じられました。セミナーでは、ウラン兵器の健康影響、禁止条約も含む国際法的なプロセスなどについてICBUWメンバーなどによる報告がされ、その後、参加者との間で熱のこもった質疑・応答がされました。(下掲プログラム参照) なお、ジュネーヴでのICBUWによる取り組みは、二年前のワークショップに続き二回目ですが、今回の取り組みも、長年、平和や人権問題に取組んでいる「女性国際平和自由連盟」(WILPF)や国際平和ビューロー(IPB)など、ジュネーヴに本部をおく国際NGOの協力を得て実現したものです。国際的ネットワーク作りの観点からも、大変意義の大きいものでした。 翌日からは、ベルギー、アイルランド、ニュージーランド、コスタリカ、ペルー、アルゼンチン、チリなどの各国の国連代表部を訪問し、国連第一委員会での決議採択を初めとする、本格的取り組みを展開してくれるように要請しました。とりわけベルギーでは「ウラン兵器禁止」の国内法制定が国防委員会において「全員一致」で決まった当日だったこともあり、国際的禁止に向けた外交努力に前向きな姿勢が感じられました。コスタリカなど中南米の国々でも好意的な対応がみられました。(なお、コスタリカでは、昨年8月のICBUW広島大会にも参加したダマシオ・ロペス氏が、同じく広島大会に参加した米国のイラク戦争帰還兵ハーバート・リード氏とともに講演会やロビー活動を今月下旬に予定しています。) また、嘉指、振津は、スイス北東部の町ヴィル近郊での講演会にも招かれて出かけ、劣化ウラン兵器問題に強い関心を持つ医師グループなどと交流を行って来ました。(このグループは、昨年11月、イタリアを訪問中の写真家の豊田直巳さんや映像ジャーナリストの清水仁さんを急遽スイスにまで呼んで集会を開いたグループです。)さらに、滞在の最後の夜には、「対人地雷禁止キャンペーン」のコーディネーターの一人、スーザン・ウォーカーさんにも会い、運動の経験などを伺うことができました。 今回の活動の詳細は、また別途ご報告させて頂きたいと思いますが、今回の行動は、劣化ウラン兵器禁止国際キャンペーンにとって大変大きなステップになったと感じています。それと同時に、目標実現のための課題も一層明確になったと思います。 このような取り組みのさらなる前進のため、ICBUWでは、今年5月には、ヨーロッパ議会内部でワークショップに加えて豊田直巳さんの写真展を開催し、さらに、10月には、国連総会の開始時期にあわせて、ニューヨークで第4回ICBUW国際大会を開催する予定です。 また、国際的な取り組みと連携しつつ、皆さんとともに日本国内での取り組みも拡げてゆきたいと思います。 今後とも、皆さんのご協力・ご支援を何卒よろしくお願い致します。 取り急ぎ、帰国早々のご報告のみで、失礼致します。 嘉指信雄(ICBUW評議員、アジア・太平洋地域コーディネーター) 振津かつみ(ICBUW評議員、科学チーム) *** プログラム 「劣化ウラン兵器セミナー」 主催: ICBUW(ウラン兵器禁止を求める国際連合) 日時: 2007年3月6日(火)午後1―3時 場所: ジュネーブ国連本部、Palais des Nations、会議室11 ・「イントロダクション:ICBUW創設の理由とその目標」 レイ・ストリート(CADU、ICBUW評議員) ・「劣化ウラン兵器に対するEUROMILの立場」 エマニュエル・ヤコブ(代表、EUROMIL=European Organization of Military Associations) ・ 「ウラン兵器禁止に向けて」 マンフレート・モーア(国際人権法律家、国際反核法律家協会、ICBUW評議員) ・ 「ウラン兵器が禁止されるべき科学的・医学的理由」…