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写真展:劣化ウラン被ばく、今も 禁止求め市民団体が写真展

写真展:劣化ウラン被ばく、今も 禁止求め市民団体が写真展--あすから中区 /広島 ◇イラクの子どもたち、兵器で健康障害 市民団体「NO DU(劣化ウラン兵器禁止)ヒロシマ・プロジェクト」(嘉指信雄代表)は11月1~7日、中区袋町の広島市まちづくり市民交流プ ラザで、イラクの劣化ウラン被害などを訴える写真展「劣化ウラン兵器被害とNO DU国際禁止キャンペーンの現状」を開く。国連の「戦争と武力紛争による 環境収奪を防止する国際デー」(11月6日)に合わせたもの。入場無料。 同団体の森滝春子事務局長によると、写真は湾岸戦争後の03年6月ごろにイラクを訪れ、劣化ウラン兵器の被害を調査した際の写真など約60点。写真では、放射線に苦しむ子どもたちの生きたいと必死に訴えている姿が写し出されている。 劣化ウランを使った兵器は、染色体などに重大な影響を与えるとされる。放射線の半減期は44億年とされるため、9月にはチベット仏教の最高指導者 ダライ・ラマ14世が、使用禁止運動に支持を表明するなど、廃棄を求める声が世界中から上がっている。米国など一部の国は、同兵器と健康障害の因果関係な どを認めていない。 一方で、国連総会では12月にも「DU兵器使用停止決議案」が提出・可決される見通しだ。可決されても即時全面停止にはつながらないが、劣化ウラン兵器の人体への影響が国連により初めて公式調査される。 森滝事務局長は「イラクなどでは、劣化ウラン兵器で破壊された戦車の周辺で遊ぶ子どもたちが放射線被ばくするなど、今も新たな核被害が広がっている。写真展を通じて被爆地・ヒロシマから国際世論を高めたい」と呼びかけている。【吉川雄策】 毎日新聞 2007年10月31日   写真展:劣化ウラン被ばく、今も 禁止求め市民団体が写真展--あすから中区 /広島 – 毎日jp(毎日新聞)

劣化ウラン弾:国連委、禁止決議を初採択へ

劣化ウラン弾:国連委、禁止決議を初採択へ 【ニューヨーク小倉孝保】インドネシアなど非同盟諸国が国連総会第1委員会(軍縮・安全保障)に、劣化ウランを含む武器・弾薬の使用禁止を求める 決議案を提出したことがわかった。劣化ウラン武器についてはフセイン政権時代のイラクが、加盟国から意見を聴くよう求める決議案を提出したが、使用禁止要 求決議案は初めて。委員会で11月1日に採択される見通しで、劣化ウラン弾使用に対する国際的な批判の高まりを象徴するとして注目される。 決議案は、劣化ウランを含有する武器の使用が人間の健康や環境に潜在的な危害を及ぼすことを踏まえ、(1)国連事務総長に対し加盟国と関係国際機 関から劣化ウラン武器に関する意見を聴取、総会に報告するよう求める(2)劣化ウランを含む武器・弾薬の人体や環境に及ぼす影響に関する研究結果が出るま で、加盟国にそうした武器・弾薬の使用を禁止するよう求める(3)次期総会の暫定協議事項に、劣化ウランを含む武器・弾薬の使用に関する協議を加える-- ことを盛り込んだ。 劣化ウランを含む武器・弾薬について、イラクが01、02年、事務総長に加盟国からの意見を聴取し、報告するよう求める決議案を提出したが、01 年は委員会で採択されたものの総会で否決。02年には委員会で否決された。当時のフセイン政権は国際的に孤立しており支持を集められなかった。 今回の決議案は、使用中止を明確に求めているのが特徴。また、非同盟諸国としての提出であり、すでに110カ国以上が賛成の意向を示しているとい い、委員会採択は間違いないとみられる。劣化ウラン弾を使用し続ける米国などが反対するのは確実だが、決議案が委員会で採択された場合、11月下旬から開 かれる総会に諮られる。国際世論の高まりから劣化ウラン弾禁止への一歩になる可能性もある。 毎日新聞 2007年11月1日 2時30分 (最終更新時間 11月1日 9時15分) 劣化ウラン弾:国連委、禁止決議を初採択へ – 毎日jp(毎日新聞)

劣化ウラン兵器:「禁止」削除し調査要求 国連委が採択、総会決議確実

劣化ウラン兵器:「禁止」削除し調査要求 国連委が採択、総会決議確実 【ニューヨーク小倉孝保】国連総会第1委員会(軍縮・安全保障)は1日、劣化ウラン兵器の影響調査を求める決議案を賛成多数で採択した。提案した非同盟諸国は当初、決議案に同兵器の使用禁止条項を含めていたが、採択直前に削除した。欧米の圧力があったとされ、同兵器の使用制限に根強い反発があることを証明した。ただ、決議案が今月後半からの総会で採択されるのはほぼ確実となり、劣化ウラン問題は初めて国連の場で動き出すことになる。 決議案は、劣化ウランを含有する武器・弾薬の使用が健康や環境に潜在的に有害な影響を及ぼすことを考慮し、(1)国連事務総長に加盟国と関係国際機関から意見を聴取し、総会に報告するよう要求する(2)次期総会の暫定協議事項に使用に関する協議を含める--との内容。非同盟諸国や日本など122カ国が支持。米英仏やイスラエルなど6カ国は反対し、ロシアなど35カ国は棄権した。 「人体や環境に及ぼす影響に関する研究結果が出るまで、加盟国に劣化ウランを含有する武器・弾薬の使用を禁止するよう求める」との条項は、採択前に非同盟諸国が削除した。 決議案の採決を前に、米国代表は「劣化ウラン弾の影響調査は米国防総省や北大西洋条約機構(NATO)がすでに行っている」と主張した。しかし、NATO内でもドイツやイタリアは決議案を支持した。 非同盟諸国外交筋によると、欧米の一部から「使用禁止条項」の削除を要求された。欧米の反対によって総会で否決されることを危惧(きぐ)し、妥協に応じたという。 劣化ウラン兵器に関しては、01、02年にイラクから国連事務総長に調査を要求する決議案が提出された。01年は委員会で採択されたが、総会で否決。02年には委員会で否決されている。 毎日新聞 2007年11月2日 東京夕刊 劣化ウラン兵器:「禁止」削除し調査要求 国連委が採択、総会決議確実 – 毎日jp(毎日新聞)

ICBUW「対政府交渉」に関する報道

ICBUWとして「ウラン兵器全面禁止と被害者支援・被害調査」を求めた、5月8日の「対政府交渉」に関する報道をお知らせします。 再生には最新のAdobe Flash Playerが必要です。 劣化ウラン兵器の根絶 政府担当者に要望 湾岸戦争などで使われた劣化ウラン兵器の根絶を目指す市民団体などが、きょう政府担当者に劣化ウラン兵器の全面禁止や被害の実態調査などを要望しました。 要望活動を行ったのは市民団体などでつくる「ウラン兵器禁止を求める国際連合」です。きょうは団体のメンバーと福島瑞穂参議院議員らおよそ40人が、外務省や防衛省などの担当者に劣化ウラン兵器の全面禁止を申し入れるとともに被害の実態調査などを求めました。劣化ウラン兵器は核燃料を作る過程で出る放射性廃棄物を利用した兵器で、放射能汚染が懸念されています。申入れに対し、政府担当者は劣化ウラン兵器が使用されたイラクから帰国した自衛隊員の健康に影響はなく、実態調査は必要ないと答えました。劣化ウラン兵器について政府担当者と市民団体が直接交渉したのは今回が初めてです。 You need flash player (広島テレビ)   劣化ウラン禁止で政府と交渉 湾岸戦争などで使われ、人体に影響を及ぼすとされる劣化ウラン兵器の使用禁止を目指す市民団体が、初めて政府と交渉しました。8日は、ICBUW劣化ウラン兵器禁止を求める国際連合のメンバーと、社民党の福島瑞穂(ふくしまみずほ)党首などおよそ40人が政府との交渉に臨みました。メンバーは在日米軍も貯蔵している劣化ウラン兵器は、人体に悪影響を与えるとして全面禁止を求めました。しかし外務省の担当者は、劣化ウラン兵器はCCW特定通常兵器禁止制限条約の対象外であり、人体への影響は認められていないというこれまでの主張を繰り返しました。交渉に参加した平和活動家の森瀧春子さんは、「今後は世界レベルで劣化ウラン兵器禁止の動きを高め、日本政府を動かしていきたい」と語りました。 You need flash player (ホームテレビ)     劣化ウラン弾で国会議員勉強会 湾岸戦争などに使われ人体や環境に影響を及ぼすとされる劣化ウラン兵器の被害について8日、国会議員の学習会が開かれました。 学習会には福島瑞穂参議院議員と辻本清美衆院議員に秘書などが参加しました。 劣化ウラン弾の全面禁止を呼びかけている広島の市民グループ「NODUヒロシマ・プロジェクト」の森滝春子事務局長が、劣化ウラン弾の使用によって住民に健康被害が出ているとされるイラクの現状などについて報告しました。 このあと、市民グループのメンバーは、外務省や防衛省など政府担当者との交渉の場を持ち、ウラン兵器の全面禁止を求める国連決議の採択やイラクに派遣された自衛隊員にウラン被曝検査の実施などを求める申し入れ書を手渡しました。(5/8 19:10) You need flash player (中国放送)   劣化ウラン弾問題で市民団体が政府交渉 2007年05月09日 劣化ウラン弾禁止を政府担当者に要請するICBUWの会員ら。右端は福島瑞穂・社民党参院議員=参院議員会館で イラク戦争や湾岸戦争などで使用され、多くの白血病、がん患者を生み出したとされる劣化ウラン弾(DU)の全面禁止を訴える「ウラン兵器禁止を求 める国際連合(ICBUW)」(本部・英国)が8日、東京で政府の担当者らと初めての対面交渉に臨んだ。国側は、国際機関による確定的な調査結果がないこ とを理由に危険性を認めず、議論はかみ合わなかったが、防衛省の担当者は「(自衛隊に)劣化ウランを使用した装備品を持つ計画はない」との見解を表明し…

EU議会国際フォーラム、豊田直己写真展

5月14-16日、ヨーロッパ議会(ブリュッセル)で開催される、ICBUW、EU議員による国際フォーラム『ウラン兵器禁止に向けて』、および豊田直己写真展『ウラン兵器の人的被害』に関する報道をお知らせします。 ヒロシマ・プロジェクト:EU議会内写真展「熱い反応感じた」--活動報告 /広島 ◇劣化ウラン兵器禁止キャンペーン、今後はローマなどで ベルギー・ブリュッセルのEU(欧州連合)議会内で、今月14~16日に写真展やフォーラムなどを通じて劣化ウラン兵器禁止キャンペーンを開催した市民団体「NO DU(劣化ウラン兵器禁止)ヒロシマ・プロジェクト」(嘉指信雄代表)が29日、活動報告をした。今後、写真展はローマなどでも開催されるという。 広島市役所(中区)で会見した森滝春子・同団体事務局長によると、イラクで劣化ウラン兵器の影響で発病したと見られる子どもなどを撮影したフォトジャーナリスト・豊田直巳さんの写真展には3日間で約300人が来場。時間をかけて写真を見る来場者も多く、熱い反応を感じたという。EU議員の一部から「自国でも写真展を開催したい」との声が上がり、今後ヘルシンキやローマなどで開催する予定。森滝事務局長は「今年3月にベルギーで劣化ウラン兵器の使用などを禁止する法案が可決されたが、『発効は2年後』と定めており、国際世論を見定める部分もある。うねりを作り、早期に国連にウラン兵器禁止決議案を提出したい」と話した。 また、森滝事務局長は、今月17日付で国際NGOネットワーク「ウラン兵器禁止を求める国際連合(ICBUW)」の運営委員に就任したことを明らかにした。 【吉川雄策】 毎日新聞 2007年5月30日 ヒロシマ・プロジェクト:EU議会内写真展「熱い反応感じた」--活動報告 /広島:MSN毎日インタラクティブ   非DU 欧州が提案 広島の市民団体 ベルギー集会報告「健康懸念 声強い」 (中国新聞5月30日)   被爆地の声届ける DU廃絶集会へ市民団体が抱負 (中国新聞5月8日)   DU廃絶訴える訪欧へ決意 ’07/5/8 劣化ウラン弾(DU)の廃絶を目指してベルギー・ブリュッセルで開かれる集会に参加する市民団体「NO DUヒロシマ・プロジェクト」メンバーが 7日、広島市役所で記者会見し、「被爆地の声を届け、一緒に行動する仲間の輪を広げたい」と抱負を語った。嘉指信雄代表(神戸大教授)は「現地の政治家や 非政府組織(NGO)と積極的に交流し、DU廃絶に向けた国際世論形成の第一歩にしたい」と述べた。 【写真説明】ベルギーでの写真展ポスターを手に、集会参加の抱負を語る嘉指代表。左は森滝事務局長 中国新聞   ヒロシマ・プロジェクト:劣化ウラン禁止訴え、EU議会内で催し /広島 ◇14日から 市民団体「NO DU(劣化ウラン兵器禁止)ヒロシマ・プロジェクト」(嘉指信雄代表)は7日、ベルギー・ブリュッセルのEU(欧州連合)議会内で、14~16日にフォーラムや写真展などの劣化ウラン禁止キャンペーンを開催すると発表した。 ICBUW(ウラン兵器禁止を求める国際連合、事務局・イギリス)などと協力。キャンペーンでは、劣化ウラン弾の影響で発病したと見られる子どもらを撮影 したフォトジャーナリストの豊田直巳さんの写真パネル22枚を紹介する写真展を3日間開くほか、15日には嘉指代表らが参加する国際フォーラム「ウラン兵 器禁止に向けて」を開く。中区の広島市役所で会見した嘉指代表は「地雷禁止キャンペーンやクラスター爆弾の禁止について運動が活発なベルギーなどと力を合 わせ、劣化ウラン弾禁止のきっかけにしたい」と話した。 また、森滝春子事務局長は、先月16日に国に公開質問状を提出し、8日に回答を受 けることを明らかにした。森滝事務局長は「イラクに派遣された自衛隊員の劣化ウラン被ばくを恐れている。国は被爆国として世界に先駆けて劣化ウラン弾の即 時禁止を訴えてほしい」と話した。【下原知広】 毎日新聞…

イタリア兵士を殺し続ける[劣化]ウラン

2007年1月12日 皆様 イタリアにおける劣化ウラン問題についての記事が、2007年1月10日、インターネットのBBCニュースにアップされました。1990年代、バルカン半島に派遣された兵士が劣化ウラン被害にしみ続けていることを改めて伝える重要なニュースです。ご参考まで抄訳してみました。 なお今年は、ICBUW(ウラン兵器禁止を求める国際連合)で、2月7日イギリス議会でのロビー活動、3月上旬ジュ ネーブでのロビー活動、5月中旬ヨーロッパ議会での写真展及びビー活動、10月ニューヨークでのICBUW大会など、重要な取組みをいくつも計画していま す。(それぞれの取組みの詳細についは、別途、お知らせさせていただきます。)今年も、一層のご支援を何卒宜しくお願いいたします。 嘉指信雄 NO DU ヒロシマ・プロェクト代表 [原文は、news.bbc.co.uk/go/pr/fr/-/2/hi/europe/6247401.stm ]   イタリア兵士を殺し続ける[劣化]ウラン クリスチャン・フレイザー BBCニューズ、ローマ、 2007年1月7日 ボスニアやコソボでの戦争で劣化ウランに被曝したイタリア兵士たちから依然として死者が出ている、と兵士の親族が述べている。1990年代の戦争で任務についた兵士たちは、彼らがガンや他の重い病にかかったのは、劣化ウラン弾に長期間にわたって曝されたからだと信じている。米国は、ボスニアとコソボにおける紛争中、およそ4万発の劣化ウラン弾を投下したと発表している。ある市民団体によると、50名の帰還兵がすでに死亡し、加えて、200名が深刻な病気にかかっている。(中略)ボスニアとコソボで従軍したイタリア兵は、戦場の後始末任務に携わり、爆発した劣化ウラン弾に間近で接触した。 障害をもった子どもたち 兵士たちを代表する、Anavafaとして知られる組織によれば、すでに死亡したか、現在病気の兵士の多くはガンにかかっている。2002年に、イタリア国防省は、独立した科学者たちによってまとめられた報告書を発表しているが、それによると、従軍した兵士たちは平均より高い割合でガンにかかっている。報告書はまた、バルカンに平和維持軍として派遣されたイタリア兵の間に、異常な数のホジキンス病患者が見いだされ、帰還兵の子どもたちには、障害をもって生まれてきたケースがかなりの数あると述べている。ベルギー、スペイン、ポルトガル、オランダの兵士の組織から同様の報告書が出されている。アメリカとイギリスは、劣化ウランのチリは、吸引された場合、危害を及ぼしうることは認めているが、危険は短期間で局所的なものだと主張している。 Story from BBC NEWS:news.bbc.co.uk/go/pr/fr/-/2/hi/europe/6247401.stm

ロンドンの劇場で「ウラン238」上演へ

2006年6月13日皆様以下は、今月末、ロンドンの劇場で上演される「ウラン238」の「お知らせ」です。(ICBUWのイタリア人メンバーであるフランチェスコ・ヤンヌツェッリが転送してくれた英語の「お知らせ」文を、小泉直子さんが訳してくださったものです。)コソボでの任務後、劣化ウラン被害で病気になり亡くなったイタリア兵ルーカ・セーペ氏の話を題材とした、画期的な試みだと分かります。今回は、8月のICBUW広島大会に招待しているイギリスの湾岸戦争帰還兵レイ・ブリストウさんの経験も織り込まれた形で上演されるようです。 また、この「お知らせ」の中には出てきませんが、ドキュメンタリー「知られざるDUの恐怖/イラクの子どもたちは今」(ディレクター:清水仁/レポー ター:豊田直巳)の映像も数分、ドラマの中で映されることになったとのことです。(「知られざるDUの恐怖」を見てとても感銘を受けたという演出のカンプ スさんが、制作者の清水さんたちに、最近、映像使用の許可を求めてきました。「知られざるDUの恐怖」については、「NO DU ヒロシマ・プロジェクト」ホームページ www.nodu-hiroshima.org/)をご参照ください。)           草々嘉指信雄(かざしのぶお)「NO DU ヒロシマ・プロジェクト」代表  

BBCニュース(11月1日) ”無視された”劣化ウランのリスク

2006年11月4日 11月1日、イギリスのBCCが、「“無視された”劣化ウランのリスク」と題されたニュースを報道しました。(まず、BBCラジオの朝の番組 「Today」で放送され、インターネット版に掲載されたもののようです。)今年8月広島で開催されたICBUW国際大会にも参加したキース・ベイ ウ゛ァーストック博士(元・国連放射線専門研究員)もインタビューを受けて発言しています。 大変重要なニュースですので、ご参考までに抄訳してみました。 なお、原文全文は、下記にアップされています。 <news.bbc.co.uk/1/hi/world/middle_east/6105726.stm>  草々  嘉指(かざし)信雄 NO DU ヒロシマ・プロジェクト代表 *** BBCニュース、2006年11月1日 “無視された”劣化ウランのリスク BBCの調査によれば、劣化ウラン兵器には発ガンの危険性があるという警告にもかかわらず、英国と合衆国の軍隊は劣化ウラン兵器を使い続けてきている。 科学者たちは、1991年と2003年の戦争において劣化ウラン兵器が使用されたイラクにおける保健統計に注意を向けてきている。 WHO(世界保健機構)による2001年の報告は、劣化ウラン兵器による汚染のリスクは小さいものでしかないとしている。 しかし、国連の上級研究員の一人は、いかに劣化ウランがガンを引き起こしうるか示した研究が差し止められたと述べた。 英国国防省は、劣化ウランの使用と病気を結びつける証拠はないと述べた。 劣化ウランはきわめて固く重たいため、装甲貫通弾などとして使われている。 健康への影響に対する懸念から、2001年、WHOによって研究がなされることとなった。 (中略)国連によるこの報告を監督したマイク・レパコーリ博士は、BBCラジオ4「Today」番組のアンガス・スティックラーに対し、劣化ウランは、“基本的に 安全”であると語った。博士は、「健康に対する悪影響を生じさせるためには、膨大な量の劣化ウランを吸引する必要があるだろう」と述べた。 「微粒子からのリスク」 しかし、国連によるこの研究プロジェクトに加わったキース・ベイウ゛ァーストック博士によれば、アメリカ国防総省によって行われた研究は異なる結果を示している。 (中略) ベイウ゛ァーストック博士は、劣化ウランが吸引された際に引き起こされる、「遺伝毒性」として知られているプロセスを説明した。 「溶解性の微粒子は、部分的には放射性毒性、そして、部分的には化学的毒性に由来するリスクを肺に及ぼす」と述べた。博士によれば、さらに、そうした体内に入った微粒子は、血流に入り込み、骨髄、リンパ系や腎臓に影響を及ぼしうる。 こうした研究は、WHOの報告には取り入れられなかったが、ベイウ゛ァーストック博士は、それは妨害されたためだと信じている。 レパコーリ氏は、こうした研究結果は他の報告によって裏付けられておらず、”推測上(speculative)の”データを発表することはWHOの方針ではない、と述べた。氏は、いかなる圧力も否定した。 しかし、他の上級研究員たちは、イラクにおけるガンや先天性障害の増加をしめす、憂慮すべき保健統計を指摘している。(以下略)  

イラク戦争帰還兵による劣化ウラン被害賠償請求裁判開かれる

-9月6日、ニューヨーク- 昨年来日したジェラルド・マシューさんが、他のイラク戦争帰還兵とともに、アメリカ政府に対して起こしている損害賠償請求裁判についてのヒアリングが、 9月6日、ニューヨークの連邦裁判所で開かれました。大変重要なニュースですので、ご参考までに、取り急ぎ、抄訳してみました。今回の広島大会に参加してくれたハーバート・リードさんも、この裁判の原告の一人ですが、リードさんのお話ですと、今回の裁判を引き受けてくれている弁 護士さんたちは、裁判の結果が出るまでは、”pro bono”(無償弁護)で取り組んでくれることになっているとのことでした。(勝訴した場合は、賠償金のかなりの部分を報酬として得る契約のようです。) ですから、原告側弁護人を買って出てくれている弁護士たちは、勝訴できると判断して引き受けていることになりますが、下記の記事を読みましても、こうした 従軍中の被害に関する裁判にはきわめて厳しいものがあります。そもそも、今回のヒヤリングは、連邦裁判所として原告の訴えを取り上げるべきかどうかを判断 するためのもののようです。ぜひ勝訴してほしいと思いますが、予断はできないと思われます。今こそ、劣化ウラン兵器の危険性を国際社会に、アメリカ社会に向けて訴えていく必要があ ります。また、こうした裁判がアメリカで始まっているという事実が日本でも広く知られ、「劣化ウラン兵器は危険ではない」としてきた日本政府の見解が改め て問題にされなければなりません。 嘉指(かざし)信雄(NO DU ヒロシマ・プロジェクト代表) 「兵士に対する正義は?イラクでの劣化ウランが病因と主張」 ホアン・ゴンザレス/「デイリー・ニューズ」(2006年9月8日)より抜粋 全文は、www.nydailynews.com/news/col/story/450535p-379084c.html「米軍の劣化ウラン弾の塵を吸入したことが原因で、しつこい病に苦しむことになった信ずるニューヨーク州兵のグループが、今週、イラクからの帰還後三年を経て初めて、連邦政府に対する訴えを裁判所に持ち込む-今週水曜日、マンハッタンの連邦判事ジョン・ケルトゥルを前にして行われた2時間のヒアリング(意見聴取)において、帰還兵8名の弁護士たちは、陸軍 は、自らの安全手続きを怠り、放射性の劣化ウラン塵に兵士たちを曝すことによって、兵士たちの病気を引き起こすこととなった、と論じた。また、彼らは、陸軍の医師たちは、被爆に関する情報を隠蔽し、適切な治療を兵士たちに与えることを怠った、と主張した。今回の裁判は、劣化ウランによる被害を主張するイラク戦争帰還兵によるものとしては初めてのものであるー劣化ウランは、敵戦車を貫通するように砲弾を強化するため、ペンタゴンが第一次湾岸戦争の時から使い始めた低レベル放射性金属である。陸軍を代弁する米国次席弁護人ジョン・クロナンは、ケルトゥル判事に対し、訴えを直ちに却下するように求めた。クロナンは、「フェレス原則」と呼ばれる、1950年の最高裁判決に繰り返し言及した。この「原則」は、「軍役に伴う傷害」に関し、兵士が政府を訴えることを禁ずるものである。クロナンは、「このような裁判は、民事法廷が取り扱うべきではない、軍事的機密事項を後知恵で批判することになる」と述べた。政府を代弁する弁護士が陳述している間、筆頭原告のジェラルド・マシューは、支援者で埋まった裁判所の中、妻のジャニスの横で静かに頭を振った。イラク戦争初期、イラクからクウェートに破壊された戦車を送り返す任務についたマシューは、2003年9月、軍医たちにも説明できなかい様々の病状に苦しみながら帰国したー執拗な偏頭痛、視力障害、記憶喪失、排尿時の灼けるような痛みなどである。2004年6月29日、彼の妻は、女児ビクトリアを出産したが、ビクトリアの片方の手は、指が三本欠けていた。2004年初め、「デイリー・ニューズ」 紙の支援でマシューは尿検査を受けたが、分析したフランクフルトのゲーテ大学の科学者アクセル・ゲルデスによれば、その結果は、マシューが劣化ウランに被 爆していたことを示すものだった。ゲルデスはまた、マシューとは別の州兵隊、第442憲兵隊に属していた9名の帰還兵のうち4名も放射性のチリに曝されたいたことを見いだした。」(中略) 火曜日[水曜日?]のヒアリングは、自国の兵器がアメリカ軍兵士に与えた膨大な被害に関して、裁判所が、過去半世紀の間、どのように扱ってきたかを振り返るものでもあったが、それは、身も凍るようなものであった。「被告側弁護士クロナンと原告側弁護士ジョージ・ツェルマとエリーズ・ハグエル・ランサムの双方が、繰り返し言及したのは、第二次大戦中に原爆実験で被爆 した兵士の先例であり、ベトナム戦争中、エージェント・オレンジ枯れ葉剤のために数多くの兵士を襲った病であり、さらには、70年代、兵士を対象に、軍に よって秘密裏に行われたLSD実験の例であった。(中略) ヒヤリングの後、マシューは、「私たちは、イラクで何に曝されたのか知りさえしない、全ての同僚兵士のために裁判に訴えているのです」と述べたー「軍は、兵士を守るために自らが定めた手続きにさえ従わなかった。誰かがこの責任を取らなければならない」。[以下、英語原文] Justice for G.I.s?Say Iraq Uranium Caused Ills By Juan Gonzalez/Daily News/September 8, 2006 www.nydailynews.com/news/col/story/450535p-379084c.htmlThree years after returning from Iraq…

イラク帰還兵による劣化ウラン被害賠償請求裁判の報道

  皆様 ニューヨークの裁判の報道を以下のサイトでご覧になれます.NY1: Manhattanwww.ny1.com/ny1/content/index.jsp?stid=8&aid=62389(ブロードバンド)real.ny1.com:8080/ramgen/real4/0018FBB5_060906_212747hi.rm(ナローバンド)real.ny1.com:8080/ramgen/real4/0018FBB5_060906_212747lo.rm:ニュース映像では,ジェラルド・マシュー氏がインタビューに応えるほか,ハーバート・リード氏の姿もあります.是非ご覧下さい.Democracy Now! | Court Hearing on Suit Filed by Iraq Veterans Contaminated with Depleted Uranium Against U.S. Militarywww.democracynow.org/article.pl?sid=06/09/07/1643226New York Daily News – News & Views Columnists – Juan Gonzalez: Justice for G.I.s?www.nydailynews.com/news/col/story/450535p-379084c.html