報告:第3回「劣化ウラン兵器禁止を考える議員勉強会」(11月12日)

JIM-NET (日本イラク医療支援ネットワーク)事務局長の佐藤真紀さんの報告です。
11月12日、国会議員による第三回「劣化ウラン弾禁止」勉強会が開催されました。
超党派の議員が呼びかけ、第三回の勉強会は、同兵器が使用された現場に何度も足を運んでいるフォトジャーナリストの豊田直巳氏による現状報告と、ニューヨークで今回の決議をめぐり、各国代表とそれぞれの動き等について面談したNGO「ウラン兵器禁止を求める国際連合」(ICBUW)振津運営委員からの報告をもとに、議論がなされました。
当日は、いくつかの重要な委員会と重なり、参加された議員も途中での退室がほとんどでしたが、議員6名+秘書などによる代理参加が12名と、関心の高さが伝わりました。JIM-NETからは、佐藤事務局長が参加しました。
以下、議論の様子です。写真はブログをご覧ください。
坂口直人議員
本日は、外務委員会、環境委員会がかさなり、自分が質問をしなくてはならないこともあり、遅れてきて申し訳ない。国連総会第一委員会で決議案が採択されたことは、皆様の、地道な努力の成果である。半歩、一歩先進した。
昨今の外交外務委員会など議論を見ていて、国を開く、守る議論が盛んで、グローバリゼーションの側面をおしつけらている方々や、戦争のもとで、本当に、声をあげたくてもあげられないような人々の心を、心とするという視点が、国益をまもるということのもとでおざなりにされている感がする。外務委員会などメインの話題になっていないことに危惧している。
経済外交を進めていくことは結構だが、だからこそ、人道、民主化、環境といった普遍的な価値に十分配慮すべきである。劣化ウランに関し、議員の間で、今盛り上がっているかというとそうとはいえないが、地道な努力の成果と今後の動きなどについて、いいチャンスとして、ご質問等お願いしたい。
Q:広島長崎では、因果関係がいわれているのに、どうして因果関係がはっきりしないのか
A:広島、長崎では、アメリカ軍がデーターを集めるために被爆者の疫学調査を行った。広島・長崎でも被曝後20年の時点で「統計的に優位な影響」が認められたのは、白血病と甲状腺がんだけだった。劣化ウランに関してはこれからわかってくるのでは。広島、長崎からの教訓は、多くの方が亡くなってから「因果関係」が認められても意味がないということ。劣化ウランの危険性は動物実験ですでに危険性が明らかになっている。予防原則から劣化ウラン兵器を禁止にするよう求めていく必要がある。
Q:状況証拠があるにもかからず、証明されていない、サンプル数が少ないのか、どのレベルまで証明できればいいのか?
A:原爆症認定訴訟がようやく結審になった。日本では、今も続いている。イラクの場合も、証明よりも、患者を救済しなければいけない。まず、救済することで、いろんな事がわかってくるのではないか。
どのレベルで認めるかということは、劣化ウランの危険性が、人間でなくても動物実験などの基礎科学で証明できれば、禁止しなければいけない。
Q:イギリスやアメリカでは、決議には反対しているが、軍が安全情報カードを配っていたりという話があった。国内的には、どこまで危険度が認知されているのか、兵士が軍を訴えた裁判などはどうなっているか
A :裁判に関しては、アメリカの場合は、裁判そのものが頓挫している。
イタリアでは、ガンの因果関係はわからないが、軍は補償すべきという判決が出ている。
アメリカは、劣化ウランに関して、WHOの報告を引用し、大量に吸い込んだ場合の健康被害、長時間ふれた場合の健康被害の可能性は認めている。ただし、健康に影響のない範囲でイラクで使用したという説明。クウェートなども、やはりWHOの報告を引用し、パンフレットを作成。軍人や、民間人にも注意を訴えている。また、アメリカ軍と合同で2003年のイラク戦争後の劣化ウラン弾で破壊された戦車の一部を回収し、除去作業を行った。
イラク政府は、人権省が、劣化ウラン使用に関してアメリカを訴追するとの報道が現地新聞に出ていた。今のイラクは、選挙後首相がまだ決まらない状況なので、今後この話がどうなるかわからない。イラクでは、劣化ウラン弾の記事が現地新聞などに結構でているので、JIM-NETでサマリーをまとめる予定。
参加者:
阪口直人、生方幸夫、服部良一、福島みずほ、吉田忠智、川田龍平 (以上本人)
小野寺五典、空本誠喜、大野元裕、加賀屋健、高木美智代、大口善徳、津川祥吾、山内康一、松崎公昭、大河原雅子、道休誠一郎、金子原二郎 (以上代理)
超党派による議員学習会呼び掛け人
(五十音順)
秋葉 賢也 衆議院議員(自民)
井上 哲士 参議院議員(共産)
小野寺 五典 衆議院議員(自民)
亀井 亜紀子 参議院議員(国新)
近藤 昭一 衆議院議員(民主)
斉藤 鉄夫 衆議院議員(公明)
笠井 亮 衆議院議員(共産)
阪口 直人 衆議院議員(民主)
服部 良一 衆議院議員(社民)
山内 康一 衆議院議員(みんな

JIM-NET (日本イラク医療支援ネットワーク)事務局長の佐藤真紀さんの報告です。ご参考までに。
— 11月12日、国会議員による第三回「劣化ウラン弾禁止」勉強会が開催されました。 超党派の議員が呼びかけ、第三回の勉強会は、同兵器が使用された現場に何度も足を運んでいるフォトジャーナリストの豊田直巳氏による現状報告と、ニューヨークで今回の決議をめぐり、各国代表とそれぞれの動き等について面談したNGO「ウラン兵器禁止を求める国際連合」(ICBUW)振津運営委員からの報告をもとに、議論がなされました。 当日は、いくつかの重要な委員会と重なり、参加された議員も途中での退室がほとんどでしたが、議員6名+秘書などによる代理参加が12名と、関心の高さが伝わりました。JIM-NETからは、佐藤事務局長が参加しました。以下、議論の様子です。 写真はブログをご覧ください。 http://kuroyon.exblog.jp/14401613/
坂口直人議員
本日は、外務委員会、環境委員会がかさなり、自分が質問をしなくてはならないこともあり、遅れてきて申し訳ない。国連総会第一委員会で決議案が採択されたことは、皆様の、地道な努力の成果である。半歩、一歩先進した。 昨今の外交外務委員会など議論を見ていて、国を開く、守る議論が盛んで、グローバリゼーションの側面をおしつけらている方々や、戦争のもとで、本当に、声をあげたくてもあげられないような人々の心を、心とするという視点が、国益をまもるということのもとでおざなりにされている感がする。外務委員会などメインの話題になっていないことに危惧している。 経済外交を進めていくことは結構だが、だからこそ、人道、民主化、環境といった普遍的な価値に十分配慮すべきである。劣化ウランに関し、議員の間で、今盛り上がっているかというとそうとはいえないが、地道な努力の成果と今後の動きなどについて、いいチャンスとして、ご質問等お願いしたい。
Q:広島長崎では、因果関係がいわれているのに、どうして因果関係がはっきりしないのか  A:広島、長崎では、アメリカ軍がデーターを集めるために被爆者の疫学調査を行った。広島・長崎でも被曝後20年の時点で「統計的に優位な影響」が認められたのは、白血病と甲状腺がんだけだった。劣化ウランに関してはこれからわかってくるのでは。広島、長崎からの教訓は、多くの方が亡くなってから「因果関係」が認められても意味がないということ。劣化ウランの危険性は動物実験ですでに危険性が明らかになっている。予防原則から劣化ウラン兵器を禁止にするよう求めていく必要がある。Q:状況証拠があるにもかからず、証明されていない、サンプル数が少ないのか、どのレベルまで証明できればいいのか?  A:原爆症認定訴訟がようやく結審になった。日本では、今も続いている。イラクの場合も、証明よりも、患者を救済しなければいけない。まず、救済することで、いろんな事がわかってくるのではないか。どのレベルで認めるかということは、劣化ウランの危険性が、人間でなくても動物実験などの基礎科学で証明できれば、禁止しなければいけない。Q:イギリスやアメリカでは、決議には反対しているが、軍が安全情報カードを配っていたりという話があった。国内的には、どこまで危険度が認知されているのか、兵士が軍を訴えた裁判などはどうなっているか  A :裁判に関しては、アメリカの場合は、裁判そのものが頓挫している。イタリアでは、ガンの因果関係はわからないが、軍は補償すべきという判決が出ている。アメリカは、劣化ウランに関して、WHOの報告を引用し、大量に吸い込んだ場合の健康被害、長時間ふれた場合の健康被害の可能性は認めている。ただし、健康に影響のない範囲でイラクで使用したという説明。クウェートなども、やはりWHOの報告を引用し、パンフレットを作成。軍人や、民間人にも注意を訴えている。また、アメリカ軍と合同で2003年のイラク戦争後の劣化ウラン弾で破壊された戦車の一部を回収し、除去作業を行った。イラク政府は、人権省が、劣化ウラン使用に関してアメリカを訴追するとの報道が現地新聞に出ていた。今のイラクは、選挙後首相がまだ決まらない状況なので、今後この話がどうなるかわからない。イラクでは、劣化ウラン弾の記事が現地新聞などに結構でているので、JIM-NETでサマリーをまとめる予定。
参加者:阪口直人、生方幸夫、服部良一、福島みずほ、吉田忠智、川田龍平 (以上本人)小野寺五典、空本誠喜、大野元裕、加賀屋健、高木美智代、大口善徳、津川祥吾、山内康一、松崎公昭、大河原雅子、道休誠一郎、金子原二郎 (以上代理)

超党派による議員学習会呼び掛け人(五十音順)秋葉 賢也 衆議院議員(自民)井上 哲士 参議院議員(共産)小野寺 五典 衆議院議員(自民)亀井 亜紀子 参議院議員(国新)近藤 昭一 衆議院議員(民主)斉藤 鉄夫 衆議院議員(公明)笠井 亮 衆議院議員(共産)阪口 直人 衆議院議員(民主)服部 良一 衆議院議員(社民)山内 康一 衆議院議員(みんな